寒い時期になってくると活躍する石油ストーブや石油ファンヒーター。灯油を購入する機会も非常に多くなりますよね。
灯油を買って、帰宅途中の車内が妙に灯油臭い。あっ!こぼしちゃった。
灯油を入れている際に、溢れてこぼれる事や気を付けているつもりなのに手に灯油が付いてしまって臭いがついてしまう事など、灯油を扱う機会が増えると不意にこぼしてしまって臭いに悩まされる機会も増えるものです。
今回は、そんな灯油の臭い対策の方法をまとめて紹介していきます。
目次
灯油をこぼした場合の対処法は?
灯油をこぼしてしまった場合、どのような方法が有効なのかについてまずはおおまかに知っておきましょう。
・吸い取る、染み込ませる。
・揮発させる。
・油で馴染ませて落とす。
おおまかに分類すると、これらの方法が灯油の対処法として効果がある方法になります。
この3つの方法を踏まえ、こぼしてしまったシーン毎に具体的な対処方法を紹介していきます。
車にこぼしてしまった!時の対処法
灯油を購入する際は、ポリタンクを車に積んで購入する事が多いのではないでしょうか?
ホームセンターなどで購入する場合は、店員さんがキャップの確認を促す事が多い為キャップゆるみによってこぼれてしまう可能性は少ないかもしれません。
しかし、ガソリンスタンドなどでセルフ購入した場合はキャップ緩みが原因で気が付けば車内に灯油がこぼれてしまうケースは多いです。
車内に灯油をこぼしてしまった場合、臭いがこもるという点が一番困ります。灯油の臭いが苦手な人であれば、気分が悪くなってしまいます。
すぐできる対処法として、まずはドアというドアを全て開けっ放しにして風通しを確保しましょう。
走行中であれば、窓を全開にして走行するなどして風通しを確保して車内の空気を入れ替えながら臭いを逃がしましょうね。
その後、しっかりと消臭したいという場合は以下の手順で臭いを消しましょう。
【用意する物】
・新聞紙
・粉末洗剤 or お茶がら or コーヒーがら or 重曹
汚れ
こぼした箇所への対処法
1.まず、新聞紙や要らない布で灯油を吸い取れるだけ吸い取ってしまいましょう。
2.あらかた吸い取った後は、拭き取りきれなかった灯油を吸い取らせる為に以下の物を撒きます。
✔ 粉末タイプの洗濯洗剤(臭い対策に効果あり)
✔ お茶がら(吸い取り効果と脱臭効果)
✔ コーヒーを淹れた後のコーヒーがら(吸い取り効果と脱臭効果)
✔ 重曹(吸い取り効果と脱臭効果)
いずれかがあれば灯油をこぼした場所にまんべんなく撒いておきます。
3.2で撒いたあと10分程度放置して、掃除機で撒いた粉末ごと吸い取ります。
以上が、車内に灯油をこぼしてしまった際の具体的な対処方法です。
こぼした箇所のマットが取り外し可能であれば、熱湯をかけて灯油を洗い流してから天日干しという方法もありますよ。
また、市販されている消臭スプレーをこぼしてしまった箇所に噴霧する方法もありますが、灯油をこぼしてから日が浅い・対処をしていない状態でスプレーすると混ざって不快な臭いとなり気分を害する可能性がありますので注意しましょうね。
着ていた服に灯油がついた!時の対処法
灯油をこぼして、臭いがずっと気になるケースとして衣服についてしまった場合があります。灯油が付いてしまった衣服の対処法はどのようなものがあるのでしょうか?
まず、やってはいけないパターンを先に紹介しておきましょう。
それは、他の洗濯物が溜まっていたからと言って、他の洗濯物と一緒に灯油がついた衣服を洗濯してしまう事です。
しまった!灯油こぼしちゃった!あ、丁度洗濯物が溜まっていたからついでに洗濯機でまわしちゃえ!
この流れがNGパターンです。理由は、灯油の臭いが他の洗濯物に移ってしまう可能性があるから。
最悪の場合、洗濯機そのものに灯油の臭いが移ってしまう可能性までありますから焦って洗濯をするのは控えましょうね。
それでは、衣服に灯油がついてしまった際の具体的な対処法です。
【用意する物】
・クレンジングオイル(場合によって)
汚れ
服に付いた際の対処法
1.まずは、焦らずに服を脱いで陰干しをしてみましょう。
灯油は揮発性の高さから、放っておいても勝手に蒸発しやすい物質です。蒸発と共に臭いが消える事も多いので、まずは陰干しです。
2.陰干しをしたにも関わらず臭いが取れない、またはシミのようになっている場合はクレンジングオイルを使います。
灯油がついてしまった部分はクレンジングオイルを染み込ませた布で叩いてあげましょう。
3.ある程度クレンジングオイルが馴染み灯油が落ちたらお湯で洗い流し、あとは通常の洗濯をすればOKです。
灯油がついた衣服の種類にもよりますが、基本的には陰干しして放っておけば勝手に蒸発します。
シミになるようであればクレンジングオイルで対処すれば落とせますが、おしゃれ着やそれでも落ちないようなシミ汚れになってしまった場合はクリーニング屋さんに頼る方法も検討しましょう。
給油の最中に手についた!時の対処法
毎朝、ファンヒーターやストーブの給油が最初の仕事なんて方も冬場は多いかもしれません。
そんな、朝一番から灯油が手に付いてしまったら一日の始まりが灯油の臭いで台無しですよね。
恐らく、灯油の臭いについての悩みで一番多いケースがこの手に付いてしまうケースじゃないでしょうか?
ハンドソープで念入りに洗っても、臭いを嗅ぐと灯油の臭いがしばらく残って困るものです。
【用意する物】
・クレンジングオイル
・砂糖
・ハンドソープ
汚れ
手に付いた際の対処法
1.クレンジングオイルを手に取り灯油と馴染ませるようにして手をこすり合わせます。
クレンジングオイルが無い場合は、サラダ油を少量手に取って馴染ませましょう。
2.灯油とクレンジングオイル(サラダ油)がよく馴染んだら、砂糖を少量手に乗せてすり込む様にして手全体についた油と砂糖を馴染ませます。
3.水(出来ればぬるま湯)で洗い流したあと、ハンドソープなどで手を洗いましょう。
クレンジングオイルが出てきた理由は、前述した理由と同じです。
灯油は油なので水には溶けませんが、油との親和性は高いためクレンジングオイルが有効なのです。
サラダ油で代用できる理由もそこにあります。
なぜ、砂糖が出てきたのかというとサラダ油が手に付いた事がある方なら判ると思うのですが、サラダ油が手に大量につくと手をいくら洗っても水を弾いてヌルヌルが中々取れないものです。
砂糖を使う事で、ヌルヌルを簡単に落とす事ができるため砂糖を使っているのです。灯油を油で落とし、油を砂糖で落とすという事ですね。
手が荒れやすい人は、ハンドソープで手洗いをしたあとにハンドクリームなどによるスキンケアも忘れずに行いましょうね。
ちょっと小ネタ 灯油ってそもそもなんだろう
最後に、灯油に関する豆知識を紹介しておきましょう。皆さんは、ガソリンと灯油の違いを明確に答えられますか?
実は、灯油もガソリンも軽油も原材料はどれも同じ「石油」です。厳密に言えば、原油を精製したもの=石油となります。
この石油に含まれる成分を分解して様々な形にして私たちは利用しています。
灯油とガソリンの含有成分を比較すると小難しい話になるので割愛しますが、簡単にこの二つの違いを説明すると揮発性と引火点が異なるとなります。
揮発性は、蒸発のしやすさですね。
ガソリンの方が揮発性は高く、ガソリンスタンドなどでガソリンを購入する場合は携行缶で危険物取扱免許を持った人の手によってでしか買えません。
一方、灯油は揮発性がガソリンほど高く無い為ポリタンクなどで購入できますし気が付いたら蒸発していた!という事も少ないわけです。
(ただし、蒸発しやすい事に変わりはないのでキャップの蓋は閉めておきましょうね)
引火点というのはどれくらいの温度下で燃えるのか?という意味です。
ガソリンはなんと-40℃。だから真冬のガソリンスタンドで静電気によって発火する危険性があるのです。
一方、灯油は常温でいきなり燃えるような引火点ではないので比較的安心して使えるのです。灯油とガソリンの違いは、燃えやすさと蒸発しやすさが大きく違うということですね。
まとめ
・灯油の対処は吸い取る、蒸発させる、油で落とすが基本。
・車内でこぼした場合はまず換気。その後粉末洗剤などをふりかける。
・衣服についたらまず陰干し。しつこい場合はクレンジングオイルを使う。
・手についた場合もクレンジングオイルは有効。サラダ油で代用も可能。
・ガソリンと灯油は引火性と揮発性に大きな差異がある。
いかがでしたでしょうか?
寒い冬には灯油を扱う機会が多くなります。うっかりこぼしてしまった際には、ご紹介した対処法でしっかりと臭い対策をしましょう。
また、乾燥時期でもある冬は火事になりやすい季節でもあります。灯油を扱う際は、臭い対策だけではなく火事にも気を付けて慎重に扱ってくださいね。