柔らかくて肌触りの良いラムレザーはジャッケットや財布など多くの革製品に使われている素材の1つです。
そんなラムレザーは革製品なので取り扱いに注意が必要な素材でもあり・・・
「汚れの落とし方がわからない…」
「普段のお手入れはどうすれば良いの?」
など悩んでしまう方も多いと思います。
ラムレザーのダウンジャケット買ったけど、早速、袖口が濡れたかのような汚れが。目立つなあ。
— A-tak (@ataktwit) December 13, 2014
今回はそんな『ラムレザーの汚れの落とし方とお手入れ方法』についてご紹介します。
目次
ラムレザーの特徴
ラムレザーとは、生後一年以内の子羊の皮を舐めして作られた革製品のことで、薄くて柔らかく軽いのが特徴です。
また、子羊は脂肪を含む毛穴が多いのでラムレザーになった後も空気が入る穴が多く断熱性に優れています。
そのため、ジャケットや革手袋など防寒着に多く使われています。
そんなラムレザーは「湿気」や「シワ」に弱いのも特徴の1つです。
特に湿気に関しては濡れたまま放置するとカビが生えてしまったり、革が伸びてシワや型崩れの原因になってしまったりと、お手入れや保管方法などの管理を怠るとすぐに見栄えが悪くなってしまいます。
そのため、ラムレザーは洗い方や管理方法に注意しなければいけません。
ラムレザーの汚れの落とし方
ラムレザーの汚れの落とし方は、「汚れがついた部分を拭き取る」もしくは「丸洗いする」の2種類に分けられます。
どちらの方法が良いかは汚れの範囲や汚れの深さなどで判断しましょう。
①部分的に汚れてしまった場合
ラムレザーを食べ物などで部分的に汚してしまった場合は、油汚れ以外の簡単な汚れであれば「布で乾拭き」して落とすのが一般的です。
それでも汚れが落ちない場合は、ぬるま湯に布を浸して固く絞ってから汚れた部分を拭きとりましょう。
この時、布は生地が傷まないようにタオルなどは使わず、クロスなどの目の細かい柔らかいものを使用することをオススメします。
油汚れも付着してしまった直後に拭き取ればシミになることはありませんが、時間が経って汚れが生地に浸透してしまうと元の状態に戻すことはできません。
また、汚れが広範囲の時やなかなか汚れが落ちない時は下記の丸洗いする方法をお試しください。
②広範囲汚れてしまった場合
ラムレザーが広範囲で汚れてしまった場合は、丸洗いすることをおすすめします。
本来は革専用の洗剤を使うのがベストな方法ですが、専用の洗剤がない場合はおしゃれ着用中性洗剤でも代用することができます。
また、汚れがついていなくても1年に1回は洗うことでカビ予防にも繋がります。
【用意するもの】
✔ 洗面器
✔ おしゃれ着用中性洗剤
✔ 馬毛ブラシ
✔ バスタオル
✔ ぬるま湯
✔ レザートリートメント
手順
- 洗面器にぬるま湯とおしゃれ着用中性洗剤を入れます。
- ラムレザーを洗面器に入れて押し洗いします。
(※汚れが取れない場合は馬毛ブラシで優しくブラッシングしましょう) - 汚れが落とせたら洗面器のぬるま湯を2、3回変えてラムレザーをすすぎます。
- ラムレザーをバスタオルにくるんで洗濯機で1分ほど脱水します。
- 脱水が終わったら、ラムレザーを風通しの良い日陰で干します。
- ラムレザーが乾いたらレザートリートメントで保湿しましょう。
おしゃれ着用洗剤には衣類が縮まないようにシリコンなどが配合されているので、ラムレザーにも多少縮みはあるかもしれませんが使用することができます。
脱水も型崩れを防ぐために最小限の時間で済ませましょう。
また、ラムレザーのジャケットなどを洗った場合は半乾きの時に一度袖を通してから、シワを伸ばして干すと綺麗に仕上がります。
(※この時に無理にシワを伸ばすと革が伸びるので注意しましょう)
さらに、ラムレザーは平干しにして干すと型崩れを防ぐことができます。
干した後、そのままにしておくと革が乾燥して傷みやすくなるのでレザートリートメントで保湿しましょう。
▼ラムレザーを長く大切に使いたいという方は、やはり革専用の洗剤を一つお家に常備しておくことをオススメします。
ラムレザーの汚れを落とす時の注意点
ラムレザーの汚れを落とす時には、いくつか注意しなければならないことがあります。
作業中は下記の点に注意しながら、汚れを落としていきましょう。
①汚れを落とす時に擦り洗いはNG
ラムレザーは水に弱く傷みやすいので、乾拭きや丸洗いするときに強く擦ると革が傷んでしまいます。
そのため、汚れを落とす時はなるべく優しく洗うことが大切です。
どうしても汚れが落ちない場合は専用の馬毛ブラシを使います。
②ラムレザーが汚れたときは早めに対応する
ラムレザーについた汚れは、時間が経つとどんどん落ちにくくなってしまいます。
そのため、汚れに気づいたら早めに対応することでシミになる可能性が低くなります。
③ドライヤーで乾かすのはNG
ラムレザーを早く使いたいからといって・・・
- ドライヤーや乾燥機を使用する
- 直射日光に当てて干してしまう
と、革が縮んだり傷んでしまう可能性があります。
そのため、高温でラムレザーを乾かすことはしない方が良いでしょう。
ラムレザーの普段のお手入れ
ラムレザーの普段のお手入れは、湿気の対策やシワを伸ばすために行います。
保管方法や普段のお手入れをしっかりと行うことでラムレザーを長く綺麗に保つことができますので、日頃からしっかりお手入れをしましょう。
①ラムレザーが濡れた時のお手入れの方法
ラムレザーが濡れた時には、湿気の対策のために布で水分を拭き取りましょう。
【用意するもの】
✔ 乾いた布
手順
布を濡れた部分に押し当てて水分を拭き取りましょう。
水分や汚れはカビが発生する原因になるのでしっかりと拭き取りましょう。
また、防水対策として使用する前には防水スプレーをしておくと、汚れや水分を弾いてくれシミや変色を防ぐことができるのでおすすめです。
②ラムレザーにシワができた時のお手入れの方法
ラムレザーのジャケットなどにシワができた時はアイロンでシワを伸ばしましょう。
【用意するもの】
✔ アイロン
✔ 布
手順
- ラムレザーのシワができた部分に当て布をします。
- アイロンを低温で当てて押すようにシワを伸ばしていきましょう。
【注意点】
- アイロンはスチームを使用すると水分でラムレザーが傷むのでドライ設定にしておきましょう。
- 高温でアイロンをするとラムレザーが縮むので低温に温度を設定しましょう。
③ラムレザーの定期的なお手入れ方法
ラムレザーは元々は動物の皮膚でできているため、ある程度油分や栄養が無いとどんどん劣化していきます。
そのため、定期的にミンクオイルを塗って栄養補給をする必要があります。
【用意するもの】
✔ ミンクオイル
✔ 布
✔ 馬毛ブラシ
手順
- 馬毛ブラシでラムレザーをブラッシングして埃などの汚れを落とします。
- ミンクオイルを指に取り、ラムレザーの全体に薄く伸ばしていきます。
- 塗り終わったら、ラムレザーを1日置きます。
- ミンクオイルが浸透したら、余分なオイルを布で拭き取りましょう。
ミンクオイルでのお手入れは頻繁に行うと逆に生地を痛めてしまうので2、3ヶ月に一度行いましょう。
また、ミンクオイルを塗りすぎるとオイルの栄養分を餌としてカビが繁殖するので、塗りすぎには注意しましょう。
まとめ
まとめ
✔ ラムレザーは湿気とシワに注意が必要。
✔ 部分的な汚れを落とす時は基本乾拭きか水拭きをする。
✔ 汚れが広範囲の場合や汚れがひどい時は、おしゃれ着用中性洗剤で丸洗いすると良い。
✔ 汚れがついた時は早めに対応する。
✔ ラムレザーは高温で乾かすと生地が傷むので注意が必要。
✔ ラムレザーは生地が傷みやすいのでこすり洗いはNG。
✔ 防水対策することで汚れを予防できる。
✔ シワを伸ばす時はアイロンを低温ドライで当てる。
✔ ラムレザーは定期的にミンクオイルを塗ることで長持ちする。ミンクオイルを塗る前は必ずブラッシングをする。