ダンボールは何かをぶつけたりちょっとした衝撃で、へこんだり、穴が開いてしまいます。
それが、いらないダンボールであればよいのですが、限定のダンボールであったり、お気に入りのダンボールの場合、「大事なダンボールなのに困った!」なんてこともあると思います。
そこで今回は、ダンボールのへこみやシワを伸ばす方法を紹介します。
家庭にあるもので伸ばすことができるので、困った際にはぜひ試してみてくださいね。
目次
ダンボールの構造は?へこみを直すことはできる?
ダンボールは紙ですが、強度が強いので荷物を運んだりする際の箱として使われます。
なぜダンボールの強度が強いのかというと、理由はダンボールの構造にあります。
ダンボールは3枚の紙で出来ていて、それぞれ「表ライナ」「中芯(波形ボール紙)」「裏ライナ」と呼ばれています。
そして中芯の波型のような構造を「トラス構造」と呼んでいて、外から力が加わった際に、その力を分散することができます。そのため、ダンボールは普通の紙よりも丈夫で破れたり折れることが少ないのです。
ダンボールは1枚の紙ではないので、へこみを直すのはかなり難しいです。
紙は丸まったり、変形したりしたものは紙の繊維を伸ばすことで元に戻すことができます。
しかし、紙は折れたり破れたりすると、その部分の紙の繊維が切断されている状態なので完全には直りません。
ただ、方法によっては目立たなくすることは可能です。
ダンボールの凹みを直す方法
ダンボールは3層構造なので、1枚だけ修復しても意味がありません。
特に中心の波形のボール紙が潰れてしまったり、曲がっていたりすると、元通りに直すことは困難です。
とはいえ、破れていなければある程度きれいにすることはできます。
そこで、凹んでしまったダンボールは、以下の方法を試してみてください。
①アイロンを使う方法
紙に熱を加えると、へこんで伸びた繊維が縮んで目立たなくなります。
ですが、ダンボールは中心に波形のボール紙があるので、ダメージが表面の表ライナのみの場合に有効です。
また、コーティング有りのダンボールの場合、コーティングが変形してしまうので、当て布をしてアイロンをかける必要があります。
コーティング有無にかかわらず、ダンボールの目立たない部分で試してからの方が良いでしょう。
【用意するもの】
✔ アイロン
✔ (あれば)当て布
手順(コーティング無しの場合)
- 目立たないところにアイロンを当ててみて、異常がなければへこんだ部分に低温のアイロンを当てて滑らせていきます。
その際、一ヶ所に長い時間かけないようにします。
- 直らなければ温度を高め、へこみにアイロンをかけていきます。
- ある程度目立たなくなってきたら、粗熱がとれるまでそのままにします。
触っても熱くなくなったら上から均一になるよう雑誌などで重石をすればOKです。
手順(コーティング有りの場合)
- 目立たないところにアイロンを当ててみて、縮んだり変形するようならコーティングがしてあります。
その場合はアイロンをダンボールの裏から当てましょう。
- あれば当て布をしてアイロンをかけた方が直接熱が伝わらないので、コーティング部分へのダメージが少ないです。
その際も長時間アイロンを当てずに数秒ずつずらした方が変形を防げます。
- ある程度目立たなくなってきたら、粗熱がとれるまでそのままにします。
触っても熱くなくなったら上から均一になるよう雑誌などで重石をすればOKです。
②スチームを使う方法
紙の反りを伸ばす方法として、スチームを当てる方法もあります。
蒸気を当てることで紙の繊維を回復させ、その後乾かすことでダメージを直します。
大きくへこんだ部分をきれいに直すことは難しいでしょうが、ある程度伸ばすことは可能です。
【用意するもの】
✔ スチーム
✔ 平らな板など
手順
- テーブルなど平らな場所にダンボールを置き、上に平らな板をのせるなどしてまんべんなく重石をします。
- ダンボールの断面(波形が見える方)からスチームを当てます。少し離した方が蒸気の水分によるダメージが少ないです。
- しばらく当てると平らになってくるので、ある程度戻ったら重石をしたまま置いておけばOKです。
③裏から押す方法
荒業というか、捨てても構わないダンボールならおすすめできる方法です。
表側がへこんだダンボールをなおす際に、へこみのある裏側からダンボールを指などで押すことで、へこんだ部分を目立たなくします。
ただ、裏側から押すので、裏側にもへこみができることになります。それでも良い場合に試してみてください。
【用意するもの】
✔ 特になし(あればコップやお玉)
手順
- へこみのある部分を裏側から指やコップの底、お玉などで押します。表側の様子を見ながら押しましょう。
- へこみがある程度戻ってきたらOKです。
作業を行う上での注意点
ダンボールのへこみは上の方法で対処できますが、覚えておくべき注意点があります。
①完全には直らない
先ほども書いたように、ダンボールをはじめとして紙類は折れると紙の繊維が分断されるので、元通りに直すことはとても難しいです。
特に3層構造のダンボールは中芯が潰れてしまうと波形を補修しなければならないですし、強度も下がります。
下手に直そうと色々な方法を試すと、ダンボールは所詮紙なので、大きなダメージを受けることになり、状態が悪化する可能性もあります。
そのため、完全に直そうとせず「目立たない程度に補修できれば良い」という位に留めておくようにしてくださいね。
②目立たない部分で一度試してみること
コーティング有りのものは、熱でコーティングが縮んだり、変形する可能性があるのでもちろんですが、普通のダンボールであっても目立たない部分で試してみてからにしましょう。
紙はアイロンの熱には強いとされていますが、ダンボールの状態によってはボロボロになったり、状態がさらに悪くなる可能性もあります。
大事なダンボールの場合、失敗したら代わりはないので、尚更気を付けなければなりません。
必ず目立たない端の方で試してからにしてください。
まとめ
まとめ
✔ ダンボールは表ライナ、中芯、裏ライナの3層構造で、波の数によって丈夫さが違う。
✔ ダンボールのへこみは直すのがとても難しい。
✔ ダンボールのへこみはアイロン、スチームで目立たなくすることは可能。
✔ 荒業として、へこみを裏から押して戻す方法もある。
✔ あくまでへこみを目立たなくする程度なので、完全には直らない。
✔ ダンボールによってはダメージを受けやすいので、方法を試す前に必ず目立たない部分で試してみる。