夏の終わりの季節には、秋冬用のお気に入りセーターを出してみたくなる方も多いと思います。
でもせっかく出してみたのに・・・
- セーターがワンサイズ伸びているような気がしたり…
- ハンガーのあとがくっきりついていたり…。
洗濯して伸びたセーターがとってもジャミラ pic.twitter.com/M8sawVZcUV
— K村 (@_k_mura) January 27, 2018
お気に入りのセーターの袖伸びた。゚( ゚இωஇ゚)゚。 pic.twitter.com/taTJSX8GkO
— 柏 (@kisiroki2000) December 30, 2017
でも伸びたセーターだからと捨てるのはもったいないですよね。
そこで今回は、自宅で簡単にできる『伸びたセーターを縮ませる方法』についてご紹介していきます。
目次
そもそも、なぜセーターは伸びるのか?伸びる原因について
セーターが伸びてしまうのはなぜでしょう。
まずは素材とその特徴から原因をみてみましょう。
①編み目の問題
衣類に使われている一般的な布は、縦糸と横糸が直角に交差して織られているために伸縮性に乏しく、日常使いでそれほど伸びることはありません。
しかし、セーターなどニット類は、1本の糸がループを繰返し作りながら編まれているので、たくさんのループが集まって並んでいるような生地(編地)になります。
そのため、空気をよく含み、通気性や保温性はとてもよいのですが、伸縮性が高いため、同じ方向に引っ張られることが多いとどうしても伸びてしまいます。
また、袖口や襟元部分など、脱ぎ着が楽でないと困る部分は、あえてリブ編みなどになっているので、機能的で着心地がよい反面、伸びやすいということになります。
またデザイン的に伸びやすい織り方になっているタイプのセーターもあるでしょう。
②洗濯・乾燥による伸び
ウールやカシミヤなども最近は自宅で簡単に洗えるようになりました。
しかし、セーターの生地は空気を多く含んでいる分、水分もたくさん吸収し、乾かしている間の水の重みで編み目が伸びるといわれています。
せっかく縮まないように洗っても干し方が適切でないとセーターは伸びてしまうのです。
③ハンガー掛けによる伸び
すぐに着るつもりでハンガー掛けにしたままだと、肩の部分が伸びてしまいますよね。
重みのあるセーターだとなおさらですし、長くかけたままにしておくと全体が伸びてしまうこともあります。
セーターは基本的にたたんでおくのが無難です。
日常的にはハンガー掛けが片付いて楽ちんですが、いざ着ようとしたときにカタがついていると、やっぱりちょっとショックですよね。
伸びたセーターを縮ませる方法《袖や襟、裾、肩、肘の部分が伸びている場合》
セーターが伸びてしまう原因をいくつかあげてみましたが、少しの工夫で修復することは可能です。
家にあるもので簡単にできる方法を中心にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①お湯とドライヤーを使う
いちばん手軽で簡単な方法です。
セーター類を洗う際のお湯の温度は通常30度が上限と言われています。
それ以上の温度になると縮みが生じてくるためです。
そこでその特性を逆に利用して、気になる部分を少し温度の高いお湯に浸してその部分だけを縮めていきます。
【用意するもの】
✔ 洗面器
✔ 50度くらいのお湯
✔ ゴム手袋
手順
- 伸びている部分をお湯に浸します。
- お湯のなかで形をじんわりとの整えます。(揉み洗いはしないこと)
- 繊維が引き締まったのを確認したら水気を切ります。
- ドライヤーでひたすら乾かします。
②スチームアイロンを使う【その1】
編み物をきれいに仕上げるコツはスチームアイロンともいわれていて、クリーニング屋さんも使うテクニックのひとつです。
スチームの効果で繊維についたクセがとれ、編み目も揃い、やわらかくなります。
その状態を利用して伸びが元にもどるよう手で整えていきます。
【用意するもの】
✔ スチームアイロンかハンドスチーマー
✔ アイロン台か代わりになるもの
手順
- セーターをアイロン台に置き、ダブついているところにスチームを直接たっぷりかけます。
- 十分蒸らせたらスチームをあてたところを手でぎゅっと縮めるように握ります。
- 手のひらで軽くたたいてしわを伸ばします。
- 少しずつしか縮まないときは、水分がシミにならない程度に何度か繰り返します。
※スチームをあてるときは、アイロンが直接セーターに触れないよう浮かせて使いましょう。あくまでもアイロンをかけるのではなくスチームをあてるのみです。
③スチームアイロンを使う【その2】
編み物の仕上げでサイズ調整するときにもスチームアイロンを使います。
編んだままだと、サイズの調整はほとんどできませんが、スチームをあてることで繊維のクセがとれてやわらかくなるため、型なおしやサイズ調整が可能になります。
その効果を利用して絞った形を留めさせ、伸びを縮める方法です。
【用意するもの】
✔ 針
✔ 糸
✔ スチームアイロンかハンドスチーマー
手順
- 伸びている袖口や襟口のなるべく端のほうを適当な糸で縫います。
- ひとまわり縫ったら巾着を締めるように縫い糸でぎゅっと絞ります。
- 縫ったところにスチームをまんべんなく30秒ほど連続してかけます。
- 糸を抜き、乾いたら形を整えます。
④アイロンを使う
伸びやすいリブ編みの部分を手早く縮ませるのに有効な方法です。
アイロンを強く押しあてなければ編み目がつぶれることはなく、スチームでなくても直接熱を与えて伸びを縮ませることができます。
【用意するもの】
✔ アイロン
✔ アイロン台か代わりになるもの
手順
- 伸びてダブっているところを人差し指と中指ではさみ、やま形に浮かせます。
- やま形になっているところをアイロンの先端でそっと押さえます。
- 編み目が縮み、たわみがなくなれば成功です。
※アイロンの温度はセーターの裏についている洗濯タグで確認しておきましょう。
伸びたセーターを縮ませる方法《全体が伸びてしまっている場合》
①手洗いで丸洗い
ウールなどは人の髪の毛と同じような性質を持ち、水分を含むことで元の形状に戻ろうとします。
全体的に伸びてしまった場合は洗濯機よりも刺激を与えない手洗いで、すみずみまで水分を含ませます。
そうすることで繊維がリフレッシュされ、編み目の伸びが縮み、元にもどすことができます。
【用意するもの】
✔ おしゃれ着用洗剤
✔ 洗面器
✔ (あれば)平干しネット
手順
- セーターはおしゃれ着用洗剤を使って軽く押し洗い。10分~15分おきます。
- 脱水機に軽くかけます。
- ゆすいで再度、軽く脱水します。
- 気になる部分もあわせて全体の形を丁寧に整えます。
- 平干しネットなどを利用し、平らな状態で乾かします。
※この場合は念のためお湯ではなく水を使いますが、伸びがひどい時は40度くらいのお湯で洗います。(高温になるほどより縮みます)
※平干しネットとは…セーターを寝かした状態で干せる便利グッズ。ホームセンターやネット通販で購入できます。
②タンブラー乾燥機を使う(自宅かコインランドリー)
タンブラー乾燥機は洗濯物を回転させながら熱風をあてることで、急速に濡れた衣類を乾燥させます。
普通にタンブラー乾燥機でウールなどを乾かすのはNGです。
しかし、この熱風を利用し、あらかじめ水分を吹きかけたセーターを短時間タンブラー乾燥機に入れ、水分と熱の作用でセーターが適度に縮んだところで取り出します。
【用意するもの】
✔ 霧吹き(あれば)
手順
- 霧吹きなどでセーター全体を湿らせます。
- 形を整えてネットに入れ、様子をみながら乾燥させます。
伸びたセーターを縮ませるうえでの注意点
まず、スチームアイロンなどを使う場合は、くれぐれもやけどに気をつけましょう。
またウールやカシミヤ、アルパカなどはタンブラー乾燥機で普通に乾燥させると繊維が絡まり、フェルト状に縮んで取り返しのつかないことになってしまいます。
もし丸洗いしたくないときは、上記のスチームを使った方法をセーター全体に使ってみるとよいでしょう。
さらに、タンブラー乾燥機で様子を見ながら乾燥させるのは100%成功するとはかぎりませんので、惜しくないセーターがあったら試してみるくらいがよいでしょう。
綿素材のセーターだと乾燥機にも強いのですが、風合いや色合いが損なわれることもあるので、いずれにしても危険な方法だといえます。
セーターが伸びない!正しい洗濯方法&干し方
セーターが伸びない洗濯法は、「おしゃれ着専用洗剤でそっと手洗いする」または「洗濯機であれば、ネットに入れてドライコースかデリケートコースで洗うこと」です。
そして、とても大切なのは洗った後、極力平らな状態で干すことです。
正しい乾かし方
- 風通しの良いところにテーブルを置き、タオルを敷いた上で乾かす。
- ハンガーを2本用意し、1本にはタオルをまきつけて肩の部分を保護し、もう1本のハンガーで身ごろあたりを支えるようにし、ダランとならないよう干す。
また、平干しネットがあれば手軽に安心して干すことができるでしょう。
まとめ
まとめ
✔ セーターの伸びの原因は、着ている人の動きや脱ぎ着で編み目が引っ張られること。
✔ 洗濯後に適切な干し方が出来ていないこと。
✔ ハンガーに掛けたままの状態も伸びやすい。
✔ 身近なドライヤーやスチームアイロンなどで修復できる。
✔ 全体が伸びていたら手洗いし、平らな状態で干すとよい。
✔ タンブラー乾燥はよく縮むがリスキーなので、失敗したくないときはスチームアイロンや手洗いがおすすめ。
✔ 洗濯で大事な点は干し方。寝かせたように平らに干すのがコツ。ハンガー1本にぶら下げて干すのは厳禁。
✔ 平干しネットなどのグッズが便利。