キッチン周りで毎日使う、ステンレスシンクやステンレス製調理器具。ステンレスは基本、錆ができにくい素材ではありますが、合金ステンレスなど素材のレベルによっては錆ができてしまう可能性も否めません。それに伴い水周りのメンテナンスも必要となってきます。

 

特にキッチン周辺は日々、自分や家族が口にする食品を扱う場所でもありますから、衛生面でもサビには注意が不可欠です。

 

そこで、今回はステンレス錆の落とし方やサビ予防をご紹介しましょう。

 

ステンレスの特徴

 

 

stain」=「錆びる、汚れる」に「less」=~のないという言葉が組み合わさったのがステンレス、つまり「錆びない」というのが語源となっています。

 

ところが、実際はまったく錆びないということではありません。

 

ステンレスというのは、鉄にクロムやニッケルを加えて、表面を酸化皮膜で覆い、錆びにくくした合金鋼のことなのです。

 

酸化皮膜自体は剥がれても自然に発生する仕組みになっていますが、その前に錆が発生してしまうと表面が錆に覆われてしまい、酸化被膜の再生を阻んでしまいます。すると錆がどんどん広がってしまうのです。

 

ステンレス錆の原因

 

 

錆びにくく加工されているステンレスが錆びてしまう原因をいくつかご説明します。

 

①もらい錆(赤錆)

錆のついた金属製品から、錆だけが移ってできる状態を【もらい錆】といいます。

 

例えば、キッチンのステンレス製の水切り場に缶詰の空き缶を置きっぱなしにしてたり、洗面所やバスタブに髪留めピンやカミソリを放置してて、その接触面に錆ができ、錆だけが移ってしまい、赤茶色に変色している場面をよく見ると思います。

 

②擦り傷の部分から発生する錆

ステンレスに何かの力で傷がついてしまい、表面を覆う被膜が剥がれて、その内部に水分が入り込んで錆びてしまうパターンがあります。

 

キッチンでは、調理器具が強く当たってしまい、傷ができてしまうことが原因となることが多いようです。

 

③黒錆

黒錆は一般的な鉄に対して自然に発生することはなく、鉄の表面にできる酸化膜のことです。表面に黒錆ができると、赤錆の発生を抑えることができます。このため良性の錆といわれることもあります。

 

いずれにせよ、錆というものは“金属が酸素や水分と、酸化還元反応を起こして生成された化合物”ですから、金属本体が変化したものではありません。

 

ステンレス錆の落とし方

 

 

研磨したり、浮かせて除去することが錆取りには効果的です。では、ステンレス本体に少ないダメージで錆を落とす方法を具体的にご紹介します。

 

なお、全ての作業では必ずゴム手袋をして、洗剤等で肌あれを起こさないよう注意しましょう。

 

①メラミンスポンジで落とす(軽めの錆の場合)

【用意する物】

・メラミンスポンジ

・乾拭き用の布

汚れ

手順

1.メラミンスポンジに水を含ませ、錆の部分をこすって落とします。

2.錆の部分に重曹やクレンザーをかけて、スポンジ(柔らかいタイプ)でこすります。

3.こすり終わったら、流水ですすぎます。もらい錆の原因にならないよう完全に錆を流します。

4.すすぎが終わったら、布で乾拭きすれば完了です。

 

②ライム・塩で落とす

【用意する物】

・ライムまたはレモン

・塩

・スポンジ(使い古しの布でも可)

・歯ブラシ、乾拭き用の布

汚れ

手順

1.錆の部分に、塩を錆の部分が見えなくなるくらいの分量をふりかけます。

2.塩をふりかけた部分に、ライムまたはレモンの果汁をたっぷりふりかけます。

3.2~3時間放置しておきます。

4.放置後、スポンジや歯ブラシでこすります。(またライムやレモンの皮でこするのもステンレスに傷がつきにくく、おすすめです)

5.こすり終わったら、流水で流し洗いし完全に錆を流し落とします。

6.すすぎ終わったら、布で乾拭きします。

 

③重曹・クレンザーで落とす(黒錆の場合)

 

 

前の項目で黒錆は赤錆を防ぐ良性の錆、とありましたが、やはりステンレスはピカピカな方がいいですし、黒ずんだ部分は気になってしまいます。そこで黒錆を落とす方法もご紹介します。

【用意する物】

・重曹

・食器用中性洗剤

・スポンジ(使い古しの布でも可)

・クリームクレンザー

・乾拭き用の布

汚れ

手順

1.食器用中性洗剤をスポンジに含ませ、シンク全体の汚れを落とします。(どこに錆が発生しているか把握するための前段階作業)

2.錆の部分に重曹とクリームクレンザーをかけて、スポンジ(柔らかいタイプ)でくるくると円を描くようにこすります。

3.こすり終わったら、流水ですすぎます。(もらい錆の原因にならないよう完全に錆を流す)

4.すすぎが終わったら、布で乾拭きします。

 

④クエン酸で落とす(赤錆=もらい錆の場合)

【用意する物】

・クエン酸

・スポンジ(使い古しの布でも可)

・クリームクレンザー

・使い古しの布

・乾拭き用の布

汚れ

手順

1.クエン酸水(水200mlに対しクエン酸大さじ1杯)をしみこませた布を赤錆の上に置いて、10~20分放置し水洗いします。

2.それでも落ちない場合、クレンザーにクエン酸を混ぜてスポンジ(柔らかいタイプ)でこすります。

3.こすり終わったら、流水ですすぎ完全に錆を流します。

4.すすぎが終わったら、布で乾拭きします。

 

⑤酢で落とす(赤錆の場合)

【用意する物】

・酢

・スポンジ(使い古しの布でも可)

・クッキングペーパー

・乾拭き用の布

汚れ

手順

1.酢を2~3倍薄めた溶液をつくります。

2.薄めた酢をクッキングペーパーにふりかけ、赤錆の部分に被せます。

3.10~20分放置しスポンジで軽くこすり、水洗いします。

4.すすぎが終わったら、布で乾拭きします。

 

⑥サンポールで落とす(ひどい赤錆の場合)

【用意する物】

・サンポール

・スポンジ(使い古しの布でも可)

・クリームクレンザー

・乾拭き用の布

汚れ

手順

1.サンポールを錆びているところに薄く伸ばし、2~3分放置します。

2.2~3分したらすぐクリームクレンザーをつけたスポンジ(柔らかいタイプ)でこすります。

3.こすり終わったら、流水ですすぐ。もらい錆の原因にならないよう完全に錆を流します。

4.すすぎが終わったら、布で乾拭きします。

※サンポールは強い酸性洗剤なので、放置時間は3分以上おかないでください。ステンレスが焼ける原因となってしまいます。

 

ステンレス錆の予防法

 

 

錆を落としたステンレスにはもう二度と錆ができないようにしたいものです。

 

日頃のちょっとした工夫で錆を防ぐ方法をご紹介します。

 

①塩分の強めの調味料に注意

 

 

ステンレスの酸化皮膜は塩分に弱い性質があります。

 

調理で使ったポン酢や醤油等はステンレスシンクに付着したら、すぐ洗い流す習慣をこころがけましょう。

 

②塩素系漂白剤の使用に注意

ステンレスの酸化皮膜は塩素にも弱く、長く付着すると剥離していきます。

 

キッチンの三角コーナーや排水溝の受け皿の洗浄のため、塩素系漂白剤をステンレスシンクで直接使用するのはおすすめしません。洗いおけなど使い、直接塩素系漂白剤がステンレスシンクに付着しないよう注意しましょう。

 

③調理器具を置きっぱなしにしない

 

 

鉄製のフライパンや鍋、包丁をステンレスシンクや洗い上げの場所に置きっぱなしにしないように気をつけましょう。

 

特に濡れた状態の調理器具をそのまま置いておくのはもらい錆(=赤錆)の原因となります。

 

洗うまでの間にどうしても置かなければならない時は、布や新聞紙の上に置いておき、直接ステンレスに触れさせない習慣をつけましょう。

 

まとめ

・ステンレスは鉄が主成分になっていてクロムやニッケルを加えた合金鋼。表面を酸化皮膜で覆われた錆びにくい性質がある・

・ステンレス錆には、もらい錆と呼ばれる赤錆、鉄の表面にできる酸化膜である黒錆、擦過傷により皮膜が剥離してできた錆がある。

・錆自体は“金属が酸素や水分と、酸化還元反応を起こして生成された化合物”に過ぎず、金属本体が変化したのではない。

・軽い錆にはメラミンスポンジで擦り落とす。それでも落ちない錆には塩とライムを使う。

・黒錆には重曹とクリームクレンザーでこすり落とす。

・軽い赤錆にはクエン酸、酢を使って落とす。酷い赤錆の場合はサンポールで落とす。但し、サンポールは強い酸性洗剤なので放置時間に気をつける。

・ステンレス錆の予防には、塩分の強い調味料がシンクに付着した場合、すぐ洗い流す。

・塩素系漂白剤はステンレスシンク内では直接使用しない。濡れた調理器具をステンレスに置きっぱなしにしない。