生活の洋風化に伴い、近年の日本の建築では、床をフローリングにするのが主流となってきてます。

 

でも、やはり日本人なら安らげる部屋となると、それは畳の上ではないでしょうか?

 

実は、畳には優れた効能がたくさんあるのです。

畳の特徴

畳の原料となる“いぐさ”にはフィトンチッドという、樹木と同じ香り成分が含まれており、リラックス効果が得られる。

畳は天然の抗菌素材なので、足のにおいの元になる微生物や、水虫の原因となる皮膚糸状菌(白癬菌)の繁殖を抑え、人から人への感染をある程度抑えられる。

 室内の温度や湿度を快適に保つ吸放湿機能がある。

 

畳は、日本の高温多湿の風土には最適な素材でもあります。

 

ところが、畳は素材自体が天然のものなので、メンテナンスを怠るとカビが侵食し、畳自体がかび臭くなったりします。

 

カビの臭さはカビそのものを除去しない限り、取り除くことはできません。

 

そこで、今回は畳のカビ臭さの原因や臭い除去法・カビ繁殖防止の対処方法について詳しくご説明していきます。

 

畳にカビが生える原因とは?

① 湿気と温度

カビが繁殖するのに適した条件は「温度が25~28℃、湿度が60%以上」が当てはまります。

 

前述したように、日本は高温多湿でその状況が比較的長い気候です。特に梅雨の時期から夏場にかけては要注意です。

 

また、雨の日に洗濯物を部屋干しすると、洗濯物からの湿度もカビの温床の原因となります。しかも、雨の日は窓を開けて換気ができませんから、室内に湿気がどんどん貯まっていきます。

 

そして畳は天然素材ですので、湿気を吸収してしまいます。

 

② 新しい畳

畳の原材料であるいぐさが新鮮であればあるほど、湿気や臭いを吸収する機能も高いです。

 

そのため新しい畳や表替えをしたばかりの畳は、カビが発生しやすいと考えられます。

 

実際のデータとして新旧の畳で比較した所、古い畳の方には、カビが生えにくいという結果がでています。

 

③ 蓄積した汚れ

畳は大抵スリッパなどの室内履きなしで素足で踏むことができるので、開放感が味わえて裸足でいぐさの感触がいい刺激にもなりますが、反面、垢や皮脂が付着するというデメリットもあります。

 

また、ハウスダストが畳の目の中に入り込んで、人間の垢・皮脂とともにカビの餌となり、繁殖原因となってしまいます。

 

畳の部屋では、就寝時に布団を敷くと思いますが、勿論お布団を敷きっぱなしにすると、カビが生えやすくなります。しかしもっと深刻な問題は【人間の寝汗】なのです。

 

“人間は一晩にコップ1杯分(200ml)の寝汗をかく”といわれており、布団を経由して、畳が寝汗からの水分を吸収することで、カビの温床の元となる可能性があります。

 

畳を掃除するときの注意点

 

 

畳にカビが生えているのを見てしまうと、すぐにでも対処したくなると思います。

 

しかし、以下のことは絶対にしないでください。

 

①水拭き

畳のカビを拭き取ろうとして、雑巾などで水拭きしてしまうと畳に水分を含ませる結果となり、カビ菌繁殖の好条件である【高湿度】の状態にしてしまうので、おすすめできません。

 

②乾拭き

乾拭きという方法ならば、畳上のカビ掃除は大丈夫か?というとこちらもNGです。

 

畳の目の隙間にカビ菌が入り込んでしまい、カビ対策の根本的な解決にはなりません。

 

③掃除機をかける、畳をたたく

掃除機でカビを吸い取ると、排気口からカビ菌が排出され、部屋中にまき散らすことになります。

 

また、手っ取り早くカビを除去するために、畳を叩いたり払ったりするのも同様の理由でやってはいけません。

 

畳にできたカビの除去法

 

 

カビは胞子という種のような細胞をつくり、空気中に飛散します。

 

カビの種類によっては毒性があり、非常に危険なのは発がん性であったり、中毒症状をもたらす種類の菌類があることです。カビ毒の総称はマイコトキシンと呼ばれ、現時点で300種類以上発見されています。

 

では、畳に発生したカビの除去はどのようにすれば確実に、安全にできるのでしょう?

 

ご紹介する方法は、カビ自体を除去すると共に、カビ臭いにおいの対処法にもなります。 

【用意する物】

・消毒用エタノール(エタノール濃度70~80%のもの)

・スプレーボトル

・使い古しの歯ブラシ

・ぞうきんまたは乾拭き用布

・マスク

・ゴム手袋

汚れ

手順

1.部屋の換気が良い状態にしておきます。

掃除をする際、拡散するカビの胞子が室外に放出できるように、サーキュレイター、扇風機などを活用する。

2.消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ、畳のカビの部分に散布しましょう。

3.スプレー後20分ほど放置しておきます。

4.スプレーした場所を、畳目に沿って歯ブラシでこすります。

※畳の目を痛めないよう、力を加減してこすりましょう

※カビが除去できるまで、スプレー→歯ブラシでこするを繰り返しましょう

5.エタノールは揮発性なので、水分は残りませんが、念の為乾拭きします。

6.畳がしっかり乾燥するまで、換気の良い状態にしておきましょう。

 

 

もしも畳に黒カビが発生している場合は、消毒用アルコールだけでは除去しきれませんので、カビを中和できる重曹を使用しましょう。

 

【用意する物】

・重曹(粉末状)

・消毒用アルコール(エタノール濃度70~80%のもの)

・スプレーボトル

・使い古しの歯ブラシ

・ぞうきんまたは乾拭き用布

・マスク

・ゴム手袋

汚れ

手順

1.黒カビの部分に直接重曹をふりかけ、その上から消毒用アルコールを吹き付け、歯ブラシでこすります。

この作業を黒カビが落ちるまで、くりかえします

2.カビを除去し終えたら、カビの発生した部分に消毒用アルコールを再度スプレーして、雑巾で乾拭します。

畳の目に沿って拭くようにしましょう(目の奥にまで消毒作用が浸透します)

3.畳を完全に乾かします。

※重曹を使うと臭いも防止できます。しかし、畳が変色する可能性もありますので、目立たない部分で試しながら、量を加減してお使いください。

 

畳のカビ除去にお酢を使う方法もありますが、お酢自体がカビの栄養分となってしまう可能性があるので、おすすめできません。

 

畳にカビを発生させないための予防策

①畳の部屋を常に風通し良い環境にするように心がける

窓を開けて換気をしたり、除湿機やサーキュレーターで湿気をためないように配慮しましょう。

 

②こまめな掃除

埃や汚れはカビの栄養分となりますので、(カビが発生してなければ)掃除機をかけて、小さなゴミ、埃を残さないよう気をつけましょう。

 

③畳の部屋で布団を使用する場合

布団が寝汗を吸収するので、天日干しや布団乾燥機で布団の湿気も除去しましょう。

 

また、畳に直に布団を敷かないで、畳と布団の間にすのこを敷くことで、カビの発生を抑えることができます。

 

すのこと布団の間に、市販の防湿シートを挟めば、より大幅な効果を得られます。

 

④畳上にカーペットを敷く場合

カーペットを畳の上に敷くと、畳の天然素材が呼吸するのを妨げ、湿気がこもりやすくなってしまいます。カビ予防のためには、できれば敷物はおすすめできません。

 

しかし、室内のコーディネイト上の都合で、どうしても必要であれば、カーペットの下に市販の防湿シートを敷きましょう。シートが湿気を吸収するので、畳に湿気がこもるのを防ぎ、カビの繁殖を抑制できます。

 

更に、カビと共に問題となるダニにも、防虫効果もある防湿シートを使えば、ダニ対策として、一石二鳥の効果も得られます。

 

まとめ

・カビが繁殖するの条件は“温度が25~28℃、湿度が60%以上”なので、日本の家屋はカビの温床になりやすい。

・畳は天然素材なので、湿気を吸収しやすく、新しい畳ほどカビが発生しやすい。

・畳は垢や皮脂が付着しやすく、ハウスダストが畳の目の中に入り込むことで、カビの栄養分となり、繁殖原因となる。

・カビを発見しても、即座に水拭きや乾拭き、掃除機で吸引してはいけない。

・カビの除去には、エタノール濃度70~80%の消毒用アルコールをスプレーして歯ブラシなどで畳目に沿って取り除く。

・黒カビが発生していたら、重曹を直接ふりかけ、その上に消毒用アルコールをスプレー師歯ブラシで取り除き、再度消毒用アルコールをスプレーして乾拭きし、完全に畳を乾燥させる。

・こまめな掃除、畳の室内の換気に注意する、布団を常時乾燥させる、カーペットが必要な際はは畳とカーペットの間に除湿シートを敷いておくことで畳のカビ予防になる。