【南部鉄器フライパンの焦げ付き汚れの落とし方】正しい洗い方・お手入れ方法を紹介!

 

南部鉄器のフライパン、焦げ付きにくく鉄分も補給できるとして人気があり使ってみようと思う方も多いと思います。

 

念願の南部鉄器フライパンを購入して使い始めて、しばらくすると調理中に焦げ付くようになってしまった。

 

どうして?焦げ付きにくいのがウリじゃなかったの!?

 

今回は、南部鉄器フライパンの焦げ付き汚れの落とし方をはじめ、焦げ付かないように正しく洗う方法やお手入れの方法についてご紹介します。

 

南部鉄器フライパンの洗い方の注意点

 

 

焦げ付き汚れは頑固だし、洗剤をしっかりつけて金属タワシでゴシゴシしなきゃ取れないでしょ!

 

普段、このように南部鉄器フライパンを扱っているという方はそれが原因で焦げ付きが起きていますよ?

 

南部鉄器の焦げ付き汚れを落とす方法はいくつかありますが、大きなポイントがあります。

 

それは「強くこすってはいけない」という事です。

 

また詳しくは後述しますが、金属タワシと洗剤でゴシゴシ洗うような方法では鍋肌が傷つき次に料理をしても焦げ付くようになってしまいますので行わないようにしましょう。

 

南部鉄器フライパンについた焦げ付き汚れの落とし方

 

正しい南部鉄器フライパンの焦げ付き汚れの落とし方をいくつか紹介していきます。

 

①基本はお湯とスポンジだけでよい

 

 

難しい手順や特別な手法で焦げ付き汚れを落とす必要はありません。

 

基本的に、南部鉄器フライパンについた焦げ付き汚れを落とす方法は至って単純です。

 

まずは、南部鉄器フライパンにお湯を張っておきましょう。

その後、張っておいたお湯を捨ててタワシやスポンジで軽く汚れを落としていきましょう。

※ここでは洗剤は使わないようにしましょう

 

なぜ洗剤は使わない方が良い?

 

南部鉄器フライパンが焦げ付きにくい理由は、鉄器の表面が微細な凹凸で覆われているためです。この凹凸に油が浸み込んで熱せられた空気が入り込む事によって焦げ付きにくくなっています。

 

もし、使用するたびに中性洗剤を使って洗うと、細かい凹凸に浸み込んでいる油分を分解して取り去ってしまいます。

 

焦げ付かない理由となっている油分が無くなる事で結果的に焦げ付くからこそ洗剤を使う必要がないのです。

 

 

②しつこい焦げ付き汚れの場合

お湯とスポンジだけでは落としきれない程焦げ付きがひどい場合の対処法です。

それは、再度お湯を張って火にかけるという方法です。

 

お湯でしばらく煮ていると、焦げ付き部分が剥がれて浮かんでくるはずです。

 

もう一つの方法として、油を使って食べない野菜などを炒めるという方法もあります。

 

ポイントは、普段調理する場合と同じようにしっかりと油をひいて炒めるという事です。

 

炒めているうちに、焦げ部分が剥がれ落ちてくるので一通り焦げがなくなったら野菜と一緒に捨ててしまいましょう。

 

正しい南部鉄器フライパンの使い方&お手入れ方法

こすってはいけない、洗剤で洗ってはいけないなど洗い方ひとつ取っても南部鉄器フライパンには正しい使い方が多くある事がうかがいしれますよね。

 

そこで、調理時における南部鉄器フライパンの正しい使い方&お手入れ方法についても解説していきます。

 

南部鉄器の大きな特徴は、

 

・熱した時に全体が均等に温まり温度ムラが起きにくい

 

・保温性に長けていて一度上がった温度が冷めにくい

 

・焦げ付きにくい

 

 

焦げ付きにくい点についてはすでに解説済みですが、高い保温性を持った南部鉄器フライパンは調理前にやっておきたい事がある調理器具と言えます。

 

それは、強火で充分に南部鉄器フライパン自体を熱しておくという事です。

 

南部鉄器フライパンで調理をする場合は、予め油をひき強火である程度熱しておく事が肝要です。

 

調理そのものは、中火または強めの弱火で充分です。

むしろ、冷えた状態からいきなり強火で調理を始めてそのまま最後まで強火で使う方がよほど焦げ付きやすくなります。

 

高い保温性があるため、調理前に熱しておく事で全体が温まり調理は余熱と中火程度の火力で充分なのです。

 

手入れについても気を付けるべき点があります。

それは、サビ対策です。

 

水気は南部鉄器にとっては大敵です。

使い終えて洗い終わった南部鉄器フライパンに水分が残らないように注意しましょう。

濡れたまま放置するとあっという間に赤サビが発生しますので、水分をしっかりと拭き取る事を心がけましょう。

 

南部鉄器のあれこれ

 

 

最後に、南部鉄器フライパンを使うにあたり気になる事をあれこれと解説していきます。

 

①購入直後に変なにおいがする

南部鉄器を購入した直後だと、独特の香りが気になるという方も多いのではないでしょうか?

 

あのにおいの正体は、カシュー塗料という天然樹脂塗料です。

 

いわゆる、漆(うるし)のことでカシューナッツから抽出されています。

表面のコーティング剤として最後の作業工程で使われているため、購入直後は独特の香りが気になるのです。

 

毒性などは当然なく、人体には全くの無害です。

 

しかし、においがどうしても気になるという方は空焚きを何度か行って香りを飛ばしてみましょう。

空焚きを繰り返しても、においが気になる方は油をひいてネギやショウガなどの切れ端を炒めてみて下さい。気になるにおいを飛ばす事が出来ますよ。

 

②ご家庭がIHの場合

最近では、ガスコンロではなくIHコンロを利用する家庭がとても増えてきていますね。

南部鉄器フライパンはIHでも使えるのか気になるところです。

 

南部鉄器フライパンは全て鉄で出来ているため、IHにもしっかりと対応しています。

問題無くガスでもIHでも調理する事ができます。

 

ただし、注意して欲しいのは南部鉄器の鉄瓶などです。

基本的に、南部鉄器製の鉄瓶はIHに使わない方が良いです。

理由は、底の薄さ。

鉄瓶の場合は、いかに薄く作れるかに特徴があるためIHなど強い熱源に長期間さらし続けると変形が起こる可能性があるようです。

 

底を肉厚に作ったIH対応の南部鉄器鉄瓶も販売されているので、IHコンロで南部鉄器の鉄瓶を利用したいと考えている方はIH対応のものを購入しましょう。

 

③鉄分の補給に効果はあるのか?

鉄分、と聞くとホウレンソウに多く含まれていると連想しがちですがホウレンソウに含まれる鉄分は三価鉄(Fe3+)または非ヘム鉄と呼ばれる種類の鉄分です。

 

この非ヘム鉄、私たち人間が取り込む際の吸収率が非常に「悪い」のをご存知ですか?

ホウレンソウには鉄分が多く含まれているから鉄分不足に効果がある!と見聞きするためイメージが先行していますが、実際問題としてはホウレンソウに含まれる鉄分は吸収効率の悪い非ヘム鉄という事になります。

 

では、吸収効率が良い鉄分とは一体どのような鉄分なのでしょうか?

 

それは二価鉄(Fe2+)またはヘム鉄と呼ばれる鉄分です。

 

ピンと来た方も多いかと思いますが、そうです南部鉄器から溶け出す鉄分もこのヘム鉄です。

吸収効率が良いヘム鉄が南部鉄器でお湯を沸かしたり、調理をすると微量ですが溶けだします。

結果として、南部鉄器で調理した料理やお湯を摂取すると鉄分も同時に補給する事が出来る事が科学的に証明されています。

 

まとめると、南部鉄器を使うと鉄分の補給に効果があるという事になります。

 

まとめ

 焦げ付きを落とす時は「こすらない」「洗剤を使わない」。

 焦げ付き落としの基本はお湯とスポンジで充分。

 しつこい焦げ付きは湯を沸かすかクズ野菜を炒めて対処。

 水分を残すとサビが起きるため注意が必要。

 調理は強火で予め熱して、余熱と中火で行う。

 

南部鉄器フライパンについて解説しました。

 

焦げ付きにくい、という触れ込みで購入したのに焦げ付きが発生するとがっかりしてしまいますよね。

 

しかし、焦げ付きにくい南部鉄器フライパンが焦げ付いたという事は使い方に問題があったのかもしれませんよ?

 

とても長持ちする事でも有名な南部鉄器、正しく使い手入れをして末永く使えば買い替えの必要も無く、節約にもエコにも繋がります。