【南部鉄器のサビの取り方】錆びたらどうする!?簡単・錆落とし方法を紹介!

 

鉄分不足の解消やお茶やコーヒーが美味しくなるとして、古くから日本で使われてきた「南部鉄器」が最注目され使う方も多くなってきています。

 

見た目も風流で、インテリアとしても高いクオリティを持つ南部鉄器ですが、使い始めるとサビが気になるという方も多いと思います。

 

 

そこで今回は、南部鉄器についたサビの取り方についてご紹介していきます。

 

南部鉄器の錆びの種類

 

まず、南部鉄器のサビには種類がある事を知っておきましょう。

 

黒い錆と赤い錆の二種類です。

黒い錆・・・タンニンという物質と鉄が反応する事によって発生する錆です。

 

赤い錆・・・一般的に私たちが知るところのサビです。鉄が酸化して酸化鉄となって赤く変色します。

サビが外側に発生しているのか、内側に発生しているのかによっても対処法が異なってきます。

 

まず、外側がサビてしまった場合の対処法からご紹介します。

 

南部鉄器の外側についた錆を落とす方法

【用意するもの】

✔ お茶

✔ 歯ブラシ

✔ 布

手順

  1. まず、目立つ錆を歯ブラシなどで“優しく”こすり落としていきます。
    ※あまり強い力でこすってしまうと、細かい傷を付ける事になるためなるべく優しくこすり落とすように心がけましょう
  2. あらかた目立つ錆を落としたら、お茶で湿らせた布で磨きあげていきます。

南部鉄器の外側は通常の使用方法と手入れをしてさえいれば基本的には防ぐことが出来ます。

 

外側がサビているという事は、長時間放置していた場合などが考えられるため一度しっかりとサビを落とした後は手入れをして錆びないように使いましょう。

 

南部鉄器の内部についたサビを落とす方法

【用意するもの】

✔ 歯ブラシ

✔ ダシ用パック

✔ お茶殻

✔ 布

✔ お茶

手順

  1. 南部鉄器の内側についたサビ具合をチェックしましょう。
  2. 赤い錆がひどく、味にも影響が出るほど付いている場合に限り歯ブラシで優しく錆を落としていきます。
    ※基本的には、南部鉄器の内部をこする事は得策ではありません。赤さびがひどい場合にのみ、やむを得ず錆をこすり落としましょう。
  3. サビ具合がひどくない場合は2の作業はせずにこの手順から始めて下さい。
    あらかた目立つサビを落としたら、お茶を染み込ませた布で内部のサビを落としていきます。
  4. 目立つサビの処理を終えたら、ダシ用のパックにお茶殻を詰めて水と一緒に南部鉄器に入れて煮詰めていきます。
  5. ある程度煮詰めたら火を止めて3時間程度放置します。
  6. 水が黒く変色しますので、捨てます。
    ※タンニンと鉄の反応による変色が起きているため
  7. 普通にお湯を沸かします。
    お湯を沸かす⇒捨てるを繰り返し、お湯の色が無色になるまで行いましょう。
  8. お湯を沸かしても変色が起こらなくなれば作業は終了となります。

本来、鉄瓶の中をこするのは厳禁とされています。

 

理由は、鉄瓶の製造工程において鉄瓶内部にはサビ止めとして被膜がついているためです。

 

むやみに手で触れる、こするという行為は錆止めとして被膜加工されている効果を下げてしまい、結果的にサビやすくしてしまう事になるのです。

 

基本的にはこすらない方が良いのですが、赤サビが目に見える程発生してしまっている場合はその限りではありません。

 

目立つサビは優しくこすり落とすようにしましょう。

 

本来、南部鉄器は日常的に毎日使い続ける事が手入れと直結していて大事に使えば、半世紀でも使い続ける事が出来るというものです。

 

次に、長く・味わい深い南部鉄器を使い続ける為に気を付けたいポイントについても解説していきます。

 

南部鉄器と上手に付き合おう!

 

南部鉄器と上手に付き合う為に知っておきたいポイントをいくつか紹介します。

 

①買ったばかりなのに内部が赤くなった!

南部鉄器を使い始めると、内部が全体的に赤褐色に染まり驚く方がいます。

 

驚くだけなら良いのですが、気持ちが悪いと一生懸命洗う方もいるようです。

 

使い始めて一時的に内部が赤くなる、のは南部鉄器の仕様であり気にする必要はありません。

 

内部が赤くなっても、お湯の味に問題が無い場合は何もせずにそのまま使い続けて下さい。

 

使い続けていくうちに白い「湯あか」が内部全体を覆いサビの心配が無くなっていきます。

 

②白い「湯あか」が発生して気になる!

前述したように、「湯あか」が内部全体に広がるとサビの発生を抑制してくれます。

 

名前が湯「あか」となっているため、汚いイメージが先行するようです。

 

湯あかとは、水に含まれるミネラル分が沈着したものを指しています。

 

ネーミングが悪い印象を高めていますが、実際は南部鉄器で沸かしたお湯が美味しいとされる理由のひとつとして「湯あか」のミネラル分が関係していると言われています。

 

サビを防ぎ、美味しいお湯にも関わる「湯あか」は落とすべき汚れではなく、南部鉄器の味わいを生み出す歓迎すべき変化です。

 

気にせずに使い続けましょうね。

 

南部鉄器のお手入れ方法

 

味わい深い南部鉄器ですが、鉄製品という事もありサビやすい事もまた事実です。

 

日常的に使うからこそ気を付けたいお手入れ方法があるのでご紹介しておきましょう。

 

南部鉄器のお手入れで覚えておきたいポイントは・・・

  • 水分が大敵!
  • 強くこすらない!
  • 長期保管をする場合は湿度管理の徹底!

これらが重要です。

 

①水分を残さない

南部鉄器を毎日使う際、最も気を付けたいポイントとして水分を残さない事が挙げられます。

 

サビやすい鉄製品の大敵は水分です。

 

濡れたまま放置してしまえば、あっという間にサビてしまいます。

 

具体的に水分を残さないお手入れ方法としては・・・

  • 使い終わる度に、中身は全て空ける
  • 蓋を取り、余熱で水分を蒸発させる
  • 水分が残っている場合は空焚きで水分をしっかりと飛ばす

これらの方法が有効です。

 

注意点が一つ、空焚きをして水分を飛ばす場合には空焚きの時間に気を付けてください。

 

水分が飛ばせればOKです。長時間の空焚きは皮膜が逆に剥がれ落ちてしまい、サビやすくなってしまいますので、10~20分以上は空焚きしないように注意しましょう。

 

②強くこすらない

こちらはすでに解説をしてあるため、詳しい解説は割愛いたします。

 

こすりすぎると傷を付けてしまう事や皮膜を剥がしてしまう事に繋がり、サビやすくなってしまうため注意しましょう。

 

③長期保管は湿度管理が重要

オールシーズン使う事が出来る南部鉄器ですが、真夏はしまっておきたいという方も多いかと思います。

 

そこで、南部鉄器を保管する事になりますが、湿度の管理をしっかりしないで保管すると、いざ使おうと取り出した時にサビで困る事になりますよ。

 

水分が大敵、という部分と繋がるポイントですが長期保管をする時に水分が残っていたり、湿度の高い場所で保管するとサビてしまいます。

 

保管前にしっかりと空焚きで水分を飛ばし、新聞紙などに包み乾燥した場所を選んで保管するようにしましょう。

 

まとめ

まとめ

 

 南部鉄器の錆は赤いサビと黒いサビがある

 

 赤サビがひどい場合は優しくブラッシングして落とす

 

 お茶で拭く方法が基本。こすりすぎに注意して拭きましょう

 

 白い湯あかは汚れではないため放置してOK

 

 茶殻を煮出してサビ落とし

 

 水分を残さない事を意識すればサビは防ぐことが出来る

 

南部鉄器は味わい深い見た目や美味しいお湯が沸かせるだけでなく、鉄分の補給にも一役買ってくれる優れものです。

 

上手に南部鉄器と付き合う事で、長期的に美味しいお湯を楽しむことが出来ます。

 

是非、南部鉄器を半世紀使える様にお手入れしながら末永く使ってみて下さいね。

 

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