
突然の来客で普段使いの食器では足りない事ってありますよね。
食器棚の引き出しを開けて銀製品を取り出すと、黒く変色していてお出しする事が出来ない・・。こんな経験はありませんか?
今回は、変色してしまった銀製品の黒ずみ除去の方法をご紹介します。
また汚れの原因についての解説や、塩や重曹などキッチンにあるものを使った落とし方や防止法などもご紹介していきます。
目次
銀製品の黒ずみ汚れの原因
まず初めに銀製品が黒ずんでしまう変色。
『変色』と聞くと真っ先に思いつくのはお金の変色を思い浮かべないでしょうか?
実は、10円玉が変色する理由と銀製品が変色する理由は全く異なります10円玉が黒くなるのも同じく「酸化」が原因です。
一方、銀製品が変色する理由は酸化ではありません。
銀が酸化しないのか?と不思議に思いますが、普通に使っている分には酸化する事はほとんど無いと言えます。
銀はよほど高熱の火で炙るなどをしない限りは酸化しない性質を持っているのです。では、銀製品が黒ずむのは何故なのでしょう?
その理由とは「硫化」です。
化学的に言えば、どちらも化学反応を起こしている訳ですが反応成分が異なるのです。
硫化は、銀が空気中の硫化水素などの硫黄成分と反応して硫化銀と変化する事です。硫化銀=黒ずんだ銀ということですね。
銀製品が黒ずむ理由は、「硫化」という硫黄と反応する化学変化である。
この原因をまず理解しておくことが、黒ずみを対処していく上で重要なのです。
銀製品の黒ずみ除去法
銀製品が黒ずむメカニズムが判ったところで、本題の変色してしまった銀製品を綺麗に戻す方法を紹介していきます。
①重曹を使って黒ずみを落とす
まずは、家にある重曹を使って黒ずみを落とす方法をご紹介します。
いわゆる化学反応を利用した方法ですが、反応後に発生する硫化水素は有毒物質です。
しかし、発生する量は微量である為大きな問題にはならないので安心してください。どうしても不安だという方は、換気をすればより安全でしょう。
念のため、メカニズムを解説すると重曹溶液にアルミと銀を接触させる事で電気分解が起こります。
銀にイオン化水素が発生する事で、硫化銀の硫黄と反応が起こり硫化水素となって銀に戻る為、綺麗になるのです。
メカニズムはなにやら難しそうですが、やり方はいたって簡単です。
【用意する物】
・銀製品が入る容器(耐熱タイプにしましょう)
・アルミ箔
・重曹
汚れ
手順
1.容器の底にアルミ箔を敷きます。
2.1の上に銀製品を入れ熱湯を注ぎます。
3.2に重曹を投入します(水の量に対して重曹は3分の1程度)
4.放置してお湯が冷めるのを待ちます。
5.冷めたら水で洗い流して終了です。
家にある材料で出来る方法な上に、表面に傷をつけることなく黒ずみ対策が出来る方法です。
簡単で、しかも高い効果が期待できる銀製品の黒ずみ対策でもおすすめの方法です。
②塩を使って黒ずみを落とす
ライフハックで重曹はよく登場するのですが、キッチンに無いという方も多いのではないでしょうか?
続いて紹介する方法は、おそらくどんな家庭にもあるであろう塩を用いた黒ずみの落とし方です。塩を使った方法も化学反応を利用した方法です。
重曹同様に有害な硫化水素が発生しますが、健康を害する量では無いので気にする必要は無いでしょう。
どうしても心配であれば、やはり換気をすればより安全になるでしょう。
こちらもメカニズムを説明すると、酸化還元反応で硫化水素が生じて銀から硫黄が無くなるから綺麗になるというもの。
重曹の代用で塩を使うと考えて頂いて問題ありません。
【用意する物】
・お鍋(銀製品が収まる大きさ)
・アルミ箔
・塩
・割りばしなど
汚れ
手順
1.鍋の底にアルミ箔を敷きます。
2.1の上に銀製品を入れ水を入れます。(銀製品が水に浸るようにしましょう)
3.2に塩を入れます。(水:塩=5:1が目安)
4.沸騰するまで煮込みます。(沸騰したら1~2分も煮込めば充分です)
5.熱湯から割りばしなどで火傷に注意しながら銀製品を取り出します。
5.取り出した銀製品を洗い流して終了です。
塩を用いた方法も非常に簡単ですね。
重曹に比べて煮込む分、少し面倒ですが大きな手間にはならないかと思います。
重曹同様に、熱湯をかけただけでも効果はあるのですが塩の場合は温度が関係してくるので煮込む方が確実に反応を起こさせる事が出来ます。
火傷には充分注意して試すようにしてください。
③定番の方法「銀磨きクロス」
最近は100円均一のお店にも陳列されています。
クロスで磨けば綺麗になりますが、注意点もあります。
そもそも、なぜ銀磨きクロスで黒ずみが綺麗になるのかというと「表面を薄く削っている」からなのです。
つまり、綺麗になるからと一生懸命こすればこするほど銀製品の表面を傷つけている事に繋がります。
細かい傷が増えると、黒ずみやすくなるというデメリットもありますので磨きすぎには注意しましょう。
この方法は銀製品全般に使用できます。
しかし、フォークやナイフならまだしも大きなお皿などをクロスで磨いていくとなるとかなり時間がかかってしまいます。
④歯磨き粉で代用
黒ずみが気になった時に都合よく銀磨きクロスがあるとは限りません。
そこで、銀磨きクロスが手元に無い時は家にあるもので代用して磨く方法があります。万人におすすめできる代用品は歯磨き粉です。
歯磨き粉には「研磨剤」が含まれています。
つまり、銀磨きクロスと同じように表面を薄く研磨する働きが歯磨き粉には期待できるというわけです。
ただし銀磨きクロス同様、磨き過ぎには注意が必要です。
理由も全く同じで、表面を研磨して輝きを取り戻しているので細かい傷がつくからです。
⑤シルバークリーナー
コストを考えないのであれば、専用のクリーナーを使用するのも良いでしょう。
上記2つの方法は、「表面を削る」のですが専用クリーナーには研磨剤不使用のタイプもあるので、傷を付けたくない場合はおすすめです。楽器などの手入れで愛用する人も多いですね。
黒ずみ対策に適した保管方法
せっかく綺麗にした銀製品。
どうせならメンテナンスフリーでその輝きを維持したいものです。
①ナイロン袋に包んでも意味ない
ナイロン袋に入れると良いと言われています。
しかし、これらの方法に硫化を防ぐ効果はほとんどありません。
効果が期待できるかのように空気に触れさせない事を推奨している保管方法を目にしますが、硫化対策にはほとんど効果が無いので注意してください。
ナイロン袋に入れて保管しても、空気中に存在する硫化ガスは通してしまうので意味をなさないのです。
②ラップで包んでも意味ない
ラップに関しては、その素材が問題。
ラップのほとんどは塩化ビニデリンが使われているのですが、この塩素が大問題。
硫化とは全く異なる化学反応で塩化銀被膜が生成されてしまいます。
この塩化銀被膜による黒ずみは非常に硬く取りづらいので、ラップに包む保管も避けた方が良いでしょう。
③対策はこまめに拭く
保管方法とは異なりますが、面倒でもこまめに拭く事が一番の対応策です。
硫化が進む前に、銀に付着した成分を取り去る事で綺麗な状態を維持する事が出来ます。
まとめ
・銀の黒ずみは硫化が原因。
・重曹とアルミ、塩とアルミで簡単に落とす事が出来る。
・歯磨き粉や銀磨きクロスで落とす方法も効果的。
・コストはかかるが専用クリーナーという手もある。
・こまめなメンテナンスが黒ずみ対策につながる。
いかがでしたでしょうか?
銀製品は時間経過と共に硫化してしまう性質を持っています。
いざという時に、黒ずんでしまっていては悲しい気分になってしまいますよね。
銀製品の食器やフォークやナイフ、またしばらく使っていないシルバーアクセサリーなどご紹介した方法を使って、一気に綺麗にしてみてください。