
ベッドで汗をかいている自覚はあまりないものですが、よく睡眠中に約コップ一杯の汗をかくと言われますよね。
それがもたらすもの…。マットレスのカビの発生です。
マットレスの湿気と、人間の体温がちょうどよい細菌の温床になって、気づけば黒カビが付着していたなんてことになりかねません。
しかもマットレスなんて丸洗いできないので、掃除しにくいと思っちゃいますよね。だからこそ余計ほったらかしになってしまって…。
そこで、ここではマットレスのカビの取り方と、カビないための予防策をお伝えします。
目次
マットレスのカビを取る方法 その1【消毒・殺菌】
カビを取る方法を紹介していきますが、まずここでは、カビの消毒・殺菌方法を紹介します。
以下の紹介方法では黒カビによる黒いシミは落ちません。
黒いシミを落としたいときは次の方法その2をご覧ください。
消毒用エタノール
ドラックストアで購入が可能です。エタノールはカビのたんぱく質を分解する働きがあります。
無水エタノールも販売されていますが、無水エタノールには実は消毒や除菌の効果はないのでご注意を。揮発性が高すぎると、菌を殺そうとするよりも早く乾いてしまい、役割が果たせないからです。
無水エタノールが手元にある場合は、エタノール濃度を80%ほどに薄めて使うとよいでしょう。
実際に販売されている消毒用エタノールは80%のエタノールが含まれているのです。
手順
➊ エタノールをカビにスプレーし、一時間待つ。
❷ ぬるま湯で濡らしたタオルでカビをつまむように拭き取る。
❸ ドライヤーでしっかり乾かし、風通しのいいところで陰干しする。
逆性石けん液
聞きなれないかもしれませんが、石けんと言っても洗浄力はありません。石けんと真逆の性質を持っているので逆性石けんと言います。
普通の石けんは水に溶けると陰イオンの性質を持つ、「陰イオン界面活性剤」と呼ばれるのですが、逆性石けんは「陽イオン界面活性剤」となります。陽イオンはマイナスの性質をもつ細菌やカビを引き寄せ、細胞破壊を行います。
この作用により殺菌することができるのです。
逆性石けん液を使う時は何百倍にも希釈して使用しなければいけません。メーカーによって多少異なるので、説明書をよく読んで使用してください。
手順
➊ カビが生えているところを水拭きする。
❷ ドライヤーで一度しっかり乾かす。
❸ 希釈した逆性石けん液を、しっとりするまでスプレーで濡らす。
❹ ドライヤーで再びしっかり乾かし、風通しのいいところで陰干しする。
石けんは弱アルカリ性ですが、逆性石けんは弱酸性の液なので、手などについて手が荒れないように気をつけてください。
また、濃度を誤ると皮膚や粘膜に刺激を与えてしまいます。
傷口の消毒などに使われているので、有毒ではありませんが、濃度はきちんと守り、手袋をつけて作業してください。
また、スプレー等で噴霧する場合はマスク、ゴーグルの使用が必要とするメーカーもあります。
消毒用のエタノールよりも、薄めて使う分コストを落とすことができるアイテムです。マットレス以外にも消毒できるので、カビ取りに大量に必要な時にお勧めです。
こちらは逆性石鹸液を主成分としたカビ取り剤になります。
マットレスのカビを取る方法 その2【殺菌・漂白】
次に紹介する方法は、殺菌し、カビの黒いシミも落とす方法です。
ただし、漂白によって色落ちする可能性が高いので、柄物のマットレスをご利用の方にはこれまでに紹介した殺菌方法をお勧めします。
オキシドール
過酸化水素と呼ばれるものです。傷口の消毒によく使われます。
洋服のしみ抜きにも使われることがあり、同じ消毒作用のあるエタノールとは違って、漂白作用があります。
ドラッグストアで購入できます。濃度3%のオキシドールを用意してください。
手順
➊ オキシドールをカビにスプレーし、10~15分待つ。
❷ 濡らしたタオルでカビをつまむように拭き取る。
❸ ドライヤーでしっかり乾かし、風通しのいいところで陰干しする。
過酸化水素水は光が当たると効果が薄れるので、日陰で保管してください。
また、スプレーボトルに移すときは、透明のスプレーボトル以外のボトル(半透明やガラス)を使用しましょう。
透明のものは、オキシドールの酸素によって破裂の恐れがあります。
カビ除去スプレー
カビ除去スプレーもあります。インターネットで、1000~2000円で購入が可能です。
手順
➊ 黒いカビにスプレーし、30分ほど置く。
❷ 落ちるまで1を繰り返す。
❸ カビが落ちたらしっかり乾燥させる。
メーカーによって違いがありますので、必ず説明書をよく読んで使用してください。
キッチン泡ハイター
塩素系漂白剤のキッチン泡ハイターなら、シミもとることができます。
手順
➊ キッチン泡ハイターを黒いシミに拭きつけ、染み込ませる。色が落ちるまで待つ。
❷ お湯で濡らしたタオルで叩くように拭く。タオルの水分がマットレスに移るまで。
❸ 乾いたタオルで叩くように拭く。
❹ 漂白剤の臭いがなくなるまで2~3を繰り返す。
❺ ドライヤーで乾かし、風通しのいい日陰で干す。
マットレスのカビ防止対策
対策1.すのこや、ベットフレームを使い、通気性をよくする。
マットレスを直置きしていると通気性が悪く、カビが生えやすくなってしまいます。
直置きするなら天日干しを頻繁に行う必要がありますが、それは少し大変なので、少しでも頻度を減らすために、すのこや、通気性のよいベッドフレームを使用してください。
ベットフレームの中にも、下に収納スペースがあるものは湿気がこもりやすいので注意が必要です。
なるべくすのこ状になっているものを選んでください。
また、床の面の通気性だけでなく、壁の面との通気性も重要です。壁にマットレスをぴったりくっつけるよりも、少し離した方が良いでしょう。
対策2.除湿シート やベッドパットを使用する。
マットレスの下に敷く除湿シートが販売されています。
もちろん、敷きっぱなしというわけにはいかないので、シート自身の除湿も必要になってきますが、マットレスをわざわざ外に出してという面倒ほどではありませんね。
除湿するときはマットレスの片側をあげて固定し、空気に触れるようにしましょう。
扇風機などの風があたるようにしたらさらに効果があります。ベットマット自体の換気にもなります。
また、除湿機能のあるベットパットもありますが、普通のベットパットを使用するだけでも効果はあります。
ベットパットに汗を吸わせ、ベットパットを洗って乾燥させれば、マットレスのカビ防止につながります。
対策3.マットレス自体の換気
ウレタン素材のマットレスは特に湿気がこもりやすいので、密度の高いマットレスを使用しているときは、マットレス自体を換気するようにしましょう。
天日干し、あるいは、上記のように、片側を傾けて固定し、エアコンのドライ機能や除湿機で室内の湿度を下げ、扇風機などで通気性を高める方法もあります。
【注意】ベビーマットレスのカビ対策!
赤ちゃんは大人よりも汗をかきやすく、よだれなどの水分も発生します。カビには要注意です。
ベビーベッドの床面はどうなっているでしょうか。すのこ状になっていますか?
世のベビーベッドの床面は合板で作られていることが多いので、マットレスの通気性は悪くなってしまいます。すのこなどを使用して対策を行ってください。
カビを除去するときは、エタノールやオキシドールを使用し、キッチン泡ハイターなどの塩素系漂白剤は使用を避けてください。
どうしてもうまく除去できない時は、クリーニング業者に依頼しましょう。
まとめ
カビの殺菌には、消毒用エタノール・逆性石けん液を使用しましょう。
カビの黒いシミまで落とすには、漂白作用のあるオキシドール・カビ除去スプレー・キッチン泡ハイターを使用しましょう。
カビが生えないように、通気性のよいベッド環境を整えましょう。
カビが生えないように、除湿シートやベッドパッドを使用しましょう。