塗装に便利な缶スプレー。
手が汚れにくく、筆やブラシを用意する必要もないので手軽で使いやすいですよね。
しかし、スプレータイプのため細かい調節が難しく、「色をつける予定ではなかった場所にまで缶スプレーがついてしまった!」という経験がある人も多いと思います。
また、一度塗装したものの、やっぱり違う色にしたいな…ということもあると思います。
そんな時に簡単で綺麗に缶スプレーを落とす事ができれば便利ですよね。
今回はプラスチックについた缶スプレーの落とし方をご紹介します。
目次
プラスチックについた缶スプレーの落とし方
①ペイント薄め液を使った方法
寒い時期などは塗料も硬くなってしまい塗りにくくなってしまいます。
そんな硬くなった塗料を使いやすい硬さに調節するために、使用するペイント薄め液は硬さの調節はもちろんのこと、プラスチックについた缶スプレーの塗装を落とすにも使う事が出来ます。
ペイント薄め液は液体タイプのものがほとんどで、ホームセンターなどで購入する事ができます。
使用方法は、容器にペイント薄め液を少量出し、柔らかい布などに染み込ませてから落としたい部分を優しくなじませながら拭き取るだけです。
注意点としては、「ラッカー」と記載されている缶スプレーの場合はペイント薄め液で落とす事が難しくなります。
そのため、ペイント薄め液を使用する前に使用した缶スプレーの成分表に「ラッカー」という言葉は記載されているかどうか確認するようにしてください。
また、匂いが強いため室内で使用せずに屋外で使用するようにしてください。
②ラッカー薄め液を使った方法
ラッカー薄め液はペイント薄め液とは違い、スプレータイプのものがほとんどで塗料を薄めるためというよりもつけた塗装を剥がしたり、塗装をつける前の余分な油脂を落とすために使用されます。
使用方法はラッカー薄め液を落としたい部分につけ、ティッシュや柔らかい布などで優しく拭き取るだけです。
使い方も簡単で、1つ持っていれば今後のDIYにも活躍してくれますので購入して損はないと思います。
注意点としては、ペイント薄め液よりも強力なので、匂いがとても強く、肌についたまま放置してしまうと荒れてしまう可能性が非常に高くなります。
そのため、必ず屋外で使用し、手についた場合は放置せずにすぐに洗い流すようにしてください。
③やすりを使った方法
薄い塗装や部分的に飛び散ってしまった缶スプレーであればやすりで削り落とすこともできます。
使用方法としては塗装の分厚さなどによっても異なりますが、初め荒いやすりで大まかに削り、徐々に細かいやすりに変えて削っていくことで表面の凹凸を整えながら削り落としていく事ができます。
注意点としては剥がしたり溶かしているわけではなく削っているため、どうしても元のプラスチック部分が薄くなってしまいます。
そのため削りすぎてしまうとプラスチックが折れてしまったり、折れやすくなってしまうため、薄いプラスチックなどの缶スプレーを落とす場合には使用しないことをお勧めします。
④シンナーを使った方法
シンナーはラッカー薄め液にも含まれるとても強力な有機溶剤です。
シンナーを使用する場合は、使用方法はもちろんのこと準備や環境にもかなりの注意が必要になります。
使用方法はシンナーを捨てても良いタオルなどに含ませ塗装をゆっくり撫でるように擦ります。
こうすることで缶スプレーの塗料が徐々にシンナーと混ざり溶けてくれます。
シンナーは匂いがとても強いため必ず屋外で使用するようにすること、使用する際にはマスクと手袋を必ず着用するようにしてください。
万が一マスクや手袋を着用しなかった場合、呼吸困難や意識を失ってしまうなど命の危険があります。
また、匂いがかなり強いので近隣住民の方の迷惑にならないように配慮してください。
⑤剥離剤を使った方法
その名の通り剥がす効果のある剥離剤はスプレータイプや粘度の高い液体状、漬ける事ができるサラッとした液体状などの種類も様々あるため、使用したいものによって使い分ける事ができます。
注意点としては、剥離剤は様々な素材の塗装を剥がす事ができますが、メーカーや種類によってはプラスチックに対応しておらず、溶かしてしまうものもあります。
そのため、使用する前や購入する前に使用できる素材をしっかりと確認しておくことをお勧めします。
また、漬けるタイプの剥離剤を使用する場合には捨て方にも注意が必要です。
通常のゴミとして出すことは困難なため、地方自治体の捨て方をしっかりと確認して正しい方法で捨てるようにしてください。
缶スプレーを落とす際の注意点
缶スプレーを落とす際に、共通して注意しなければいけない点がいくつかあります。
①必ず屋外で落とす!
特に薬剤を使用する時は屋内で使用するのはあまりお勧めできません。
その理由として、缶スプレーを落とす際に使用する薬剤は匂いが強いものがほとんどで、しっかりと換気ができない状況下で使用してしまうと人体に影響がでてしまうものばかりです。
一歩間違えると命を落としてしまう危険性があるものも多いため、薬剤を使用する場合には屋外などの空気が篭らない場所での使用をお勧めします。
ただし、屋外であっても匂いが強いことに変わりはないため、近隣住民の方に迷惑がかかってしまう可能性もあるので注意してください。
②マスク、手袋、ゴーグルの着用を忘れない!
缶スプレーを落とす際にはどの方法を使用するにしてもマスクの着用をお勧めします。
薬剤を使用する際はもちろんのこと、削るような方法の場合でも空気中に舞った塗装を吸い込んでしまうのは体に良くありません。
そのため、どんな方法を使うにしても必ずマスクを着用するようにしてください。
また、液体系である薄め液や剥離剤、シンナー等を使用する場合は手袋の着用も忘れないようにしてください。
手が荒れてしまったり、湿疹などができてしまう可能性があります。
少ししか使わないから大丈夫!と思う人もいるかもしれませんが、万が一目に入って失明したり、肌が爛れてしまってはいくら缶スプレーが綺麗に落ちても意味がありません。
缶スプレーを綺麗に落とすのが目的でも自分の体は一番に考えるようにしてください。
③薬剤同士を混ぜない!
例えば、「ペイント薄め液では落ちなかったから次はラッカー薄め液を使おう!」と思った時にペイント薄め液を使用して、すぐにラッカー薄め液をそのまま使用するのは控えてください。
使用されている薬剤がほとんど同じでも濃度や微妙に薬剤が違う場合があります。
そういった違う薬剤同士が混ざり合うことでプラスチックが溶けてしまったり、有害ガスなどを発生させてしまう可能性があります。
そのため、違う方法を試す場合などは一度水で洗い流してしっかりと乾かしてから使用するなど、薬剤同士が混ざり合わないようにしてください。
④破棄方法をしっかりと確認する!
缶スプレーを落とす際、使用方法は簡単でも使うものは強力なものがほとんどです。
そのため、通常のゴミとして破棄するのは危険なものも多くあります。
例えばシンナーは体に悪いものとしての印象がとても強いと思います。
そんなシンナーが普通ゴミとして出してしまうと他のゴミを溶かしてしまったり、火災の原因になってしまったりなど危険な事がたくさんあります。
また、捨て方を誤ってしまうと条例違反などで罰金になる可能性もあります。
そのため、破棄する際には専門店や塗装業者、ガソリンスタンドなどに引き取ってもらうのが一番簡単で安全な方法と言えます。
もちろん、特殊なものを破棄するので有料の場合がほとんどです。
お金はかかってしまいますが、罰金になってしまうよりも安く安全に処理ができますので適当に破棄してしまわないようにしてください。
まとめ
まとめ
✔ 粘度を調節するための薄め液は缶スプレーを落とすこともできる。
✔ 使用した缶スプレーの種類によって使える薄め液が違う。
✔ やすりで削ると時間はかかるが、確実に落とす事ができる。
✔ シンナーは缶スプレーが落ちやすいが使用方法にかなり注意が必要。
✔ 剥離剤は使用するものによって使い分けができる。
✔ マスクや手袋、ゴーグルの着用を忘れないようにする。
✔ 化学反応を起こす危険性があるため、重ねて薬剤を使用しない。
✔ 余ったものを破棄する際には捨てる方法にも注意する。