
「お子さんが書道をしていて、墨で手が真っ黒に!」
「筆ペンで字を書いていたら、墨のインク漏れで指が汚れた!」
というシチュエーション、よくありますよね。
墨がいったん手につくと、汚れが落ちにくく、しばらく手が黒ずんでしまうので憂うつになってしまいます。
手についた墨バイクみたい!! pic.twitter.com/Ss0w7ngVrz
— 保田 (@Haruki2339Jmw) August 18, 2016
けれど、手についた墨がキレイに取れる方法や裏ワザがあるんです!
今回は、簡単にできる手についた墨の落とし方をご紹介していきますので、困ったときにはぜひお試しください!
目次
墨の汚れの種類と落とすためのコツ
黒くてなかなか落ちにくい、手についた墨の汚れ。
墨汁の主成分は、すす(カーボン)とニカワ(膠)です。
すすは、物を燃やした時に出る黒い炭素です。焚火をした時などによく見かけますよね。
すすは、とても細かい粒子です。このすすをまとめるために、接着の役割をしているのがニカワです。
この2つを練り上げてできたものが墨で、これに水を混ぜ合わせたものが墨汁になります。
しかし、それだけですと墨が腐敗したり凝固してしまうので、合成樹脂や香料、防腐剤を加えたものが、現在私たちが使用している墨汁です。
黒いすすは、粒子が細かいため、手や服につくと定着してしまいます。
そして、動物性たんぱく質であるニカワは、墨が乾くと凝固してしまうという特徴があります。
手についた墨の汚れを落とすためのコツは、墨汁の成分であるすすの粒子とニカワの動物性たんぱく質を洗い流すことだということがわかります。
簡単!手についた墨の落とし方
ここで、様々な方法がある手についた墨の落とし方を紹介します。
①石鹸でしっかり手洗いをする
墨汁は、時間がたつと固まってしまうニカワが成分に含まれていることがわかりました。
時間が経って墨が乾いてしまうと、ますます汚れが落としにくくなってしまいます。
まず手に墨がついたら、すぐに手洗いすることが重要です。
石鹸をよく泡立ててしっかりと手を洗って、墨汁の主成分であるすすの粒子を洗い流しましょう。
すぐに手洗いするだけでも、大抵の墨の汚れは落とせます。
②爪はブラシを使って洗う
手に墨がついたらすぐに石鹸で洗うことで、大抵の汚れは落ちてしまいますが、けっこう爪やその周りは汚れが残ってしまう場合がありますよね。
その場合は、ブラシ類を使って手洗いすることをオススメします。
【用意するもの】
✔ 爪ブラシまたは歯ブラシ
✔ 石鹸またはハンドソープ
手順
- 爪ブラシまたは歯ブラシに、石鹸またはハンドソープを少量つけます。
- 爪や爪の周りについた墨の汚れを爪ブラシまたは歯ブラシで、軽い力でこするようにして洗いましょう。
ブラシで爪を洗うと、細かい部分まで現れて墨の汚れが落ちます。
ここで重要なのは、あまり強くこすりすぎないことです。
爪周りに傷がついてケガをしたり、爪や肌を痛めてしまう原因になります。
もしこれでも落ちないようであれば、次のステップに進みましょう。
③クレンジングオイルやベビーオイルで洗う
石鹸やブラシ類を使ってしっかり洗っても、なかなか墨の汚れが落ちない場合は、クレンジングオイルなどを使って汚れを取る方法があります。
【用意するもの】
✔ クレンジングオイル、ベビーオイル
✔ コットン(あれば)
✔ 石鹸またはハンドソープ
手順
- コットンにクレンジングオイルまたはベビーオイルをつけます。(コットンがない場合は直接指に取ってもOKです)
- 墨で汚れた部分にオイルを含んだコットン(または指に取ったオイル)をつけ、優しい力でこすります。
- 石鹸またはハンドソープでしっかり手洗いしましょう。
墨汁は合成されて作られているので、クレンジングオイルが墨の成分を分解させ、汚れを落としてくれます。
クレンジングオイルやベビーオイルはもともと肌に使われるものなので、肌に優しくできてはいますが、肌荒れを防ぐため何度もつけて洗わないようにしましょう。
④【裏ワザその1】髪を洗う
石鹸で手を洗ったり、爪ブラシやクレンジングオイルを使ってみたけれど、それでも墨の汚れが落ちない!という場合があります。
その場合はその晩のお風呂で、髪を洗ってみてください。
シャンプーの洗浄力と、頭髪がブラシの役目をし、手についた墨の汚れも落としてくれます。
頭髪だけでなく手の汚れも落ちるのは驚きですね!
⑤【裏ワザその2】水糊を使う
これも裏ワザですが、墨汁の汚れを水糊を使って取る方法があります。
【用意するもの】
✔ 水糊
✔ 石鹸またはハンドソープ
手順
- 手についた墨の汚れに直接水糊を塗ります。
- 水糊が乾くまでそのまま待ちます。
- 完全に水糊がかわいたら、シールをはがすように手につけた水糊をはがします。
- 石鹸またはハンドソープで手洗いをしましょう。
水糊の粘着成分は色素を吸着する力があり、墨の汚れも吸い取ってくれるのです。
乾いた糊をはがすと、ペロリと墨の汚れも簡単に取れます。
この方法は墨汁だけでなく、油性ペンやボールペンの汚れにも応用できます。
水糊は、ご家庭や学校で普段使っている下記のような水糊でOKです。
スティックのりはシールのように固まらないので汚れ落としには向いていないのでご注意ください。
どうしても汚れが落ちない場合は、数日様子をみよう
手についた墨の汚れを取る方法をご紹介しましたが、それでもまだ完全に汚れが落ち切らないという場合があります。
あまり洗浄を繰り返すと肌を傷めるので、どうしても落ちない場合はそのまま様子を見ましょう。
墨汁の汚れなら、3日ほどで自然に落ちていきます。
手についた墨の汚れを落とす時の注意点
先ほども触れましたが、手についた墨の汚れを落とす時の注意点としては・・・
- 石鹸の手洗いの際は石鹸が手に残らないよう、しっかりとすすぐ
- 手を洗う時や爪をブラシなどでこする際は優しい力で洗う
ことです。
手に墨の汚れがついてしまうと、きれいに汚れを落とし切りたいあまり、つい力を入れて洗ってしまいがちです。
しかし、かえって肌を傷めてしまい、治るのに数日かかってしまう事態も発生します。
汚れ落としをする際は軽い力で洗ってみて、落ちなければ他の方法を試したり、そのまま様子を見ることも大事です。
まとめ
まとめ
✔ 墨汁の成分はすす(カーボン)とニカワ、合成樹脂と防腐剤。
✔ ニカワは乾くと凝固する特徴があるため、手に墨がついた時はなるべく早く手を洗う。
✔ よく泡立てた石鹸ですぐに手を洗うと大抵の汚れは落ちる。
✔ 汚れが定着しやすい爪や爪周りの汚れは、爪ブラシが歯ブラシをつかって洗う。
✔ クレンジングオイルやベビーオイルも汚れ落としに効果あり。
✔ 毛髪をシャンプーすると、手についた墨の汚れも落ちる場合がある。
✔ 水糊を使って墨の汚れを取る裏ワザもある。
✔ どうしても落ちない場合は、数日様子を見ると自然に汚れが落ちていく。
✔ 汚れ落としをする際は肌を傷めないよう、軽く優しい力で手を洗う。