季節ごとに衣替えをした際に・・・
「自分のお気に入りの洋服に白いシミのようなものが…」
「黒いポツポツを発見!」
それは、大半が“カビ”の可能性が高いです。
クローゼットの中のお洋服が湿気で少し湿ってて、でも着る服ないから泣く泣く着て数分後なんか痒いなーって思ったらやっぱりダメだった…カビ怖いカビ怖いカビ嫌いカビ怖いカビ怖いカビ怖い
お肌弱い人、気をつけてね😭 pic.twitter.com/NrvkC8PXFW
— 福山あさき (あさ姉)@8/11.24朗読会 (@fkfkasaki) July 9, 2019
生地自体が傷んでいるわけではないので、せっかくのお気に入りの服を捨ててしまうのは勿体無いですよね。
湿度の高い日本では、キチンと洋服を保管したはずでも、ちょっとしたことで衣類にカビが発生してしまいます。
クリーニングなどの専門業者に依頼するのも一つの手段ですが、今回はご家庭でできるカビがついてしまった衣類の洗濯方法や予防法をご紹介しましょう。
目次
カビの付着した衣類は洗濯機で洗える?
日本で販売されている洗濯機は、まだまだ温水洗浄機能が備わっている製品のシェアが低く、大体の洗濯機では、冷水のみで“すすぎ”“本洗浄”を行います。
日本の水質は比較的、洗濯に向いており、確かに衣類をお湯で洗うよりは、生地へのダメージが少ないでしょう。
しかし、カビ菌は50℃以上の熱で死滅するとされてます。
カビがついた衣類を何の対処もせずに、そのまま他の物と一緒に洗濯機で洗うのはおすすめしません。
他の洗濯物にカビ菌が移る可能性は十分にあります。
また、洗濯機自体にカビ菌が残留することもあるので、洗濯槽にカビを繁殖させてしまう原因をつくってしまうでしょう。
カビの発生した衣類は個別に手洗いやつけ置き洗をして、カビ自体を除去してから洗濯機で洗うことをおすすめします。
カビの発生する要因
①湿度
カビの好物となると、すぐ思いつくのは湿度が高い環境ではないでしょうか?
カビは70%以上の湿度の環境下で発生しやすいので、梅雨以外の季節ではカビが衣類に発生することはないのでは?と思いがちです。
ところが、季節を問わず屋内別の湿度は浴室や洗面所では90%以上、クローゼットの内部は70%以上というデータが出ています。
水場である浴室は納得するとしても、衣類を保管するクローゼットの湿度の高さには正直驚きの数値です。
②温度
カビが発生しやすい気温は20~30℃とされてます。
かたや人間が過ごしやすい室内温度は大体22~25℃です。
つまり、カビは人間と同じ気温を好んで繁殖する性質があります。
③栄養分
カビの胞子は微粒子なため、何にでも付着しその物質を分解して栄養分とします。
衣類においては、衣類に付着しているシミなどの汚れや皮脂が相当します。
他にもワイシャツなどに使われる洗濯のりは、糖分を含んでいることが多いので、カビの格好の栄養分にもなってしまいます。
衣類のカビの種類
衣類につくカビは、白カビと色素系のカビ(黒カビ)の2種類に分けられます。それぞれについて説明しましょう。
①白カビ
白カビは、衣類の繊維に入り込む根の部分まで白く、他のカビと比較すると軽度なカビです。
家の中の湿気もおおいみたいで履こうと思ったズボンを広げたらこの通り。これは白カビだからまだ落ちるんだけど黒カビはヤバい落ちない pic.twitter.com/lNpEofv2tL
— ShojiAsaba (@xiaoG) November 4, 2016
広がる前にブラッシング等ですぐさま取り除くことで広がることを防げます。
②色素系カビ
色がついたカビで、通常見られるのは黒・赤・オレンジ・緑などが主ですが、洋服・衣類には、黒以外の色素系カビは発生しません。
ただし、黒カビが衣類や洋服に生えたら、白カビと違って取り除くことは難しいといえます。
気に入ってたTシャツが黒カビ…。黒カビは基本的に落ちないそうで、捨てる覚悟でググったら最終手段はカビキラーとな。やつは効く。根っこに効く!(CM) pic.twitter.com/HQnVGjjeCI
— 能登健太郎(mixakissa) (@noto6492) August 1, 2015
何故なら黒カビは繊維の奥の根の部分まで色づいていて、非常に目立ちます。
安易に色素を取り除こうと思って、漂白剤などで洗ってみても元の繊維の色には戻りにくいのです。
ですから、黒カビが発生しないように衣類・洋服のお手入れを怠らないよう注意しなくてはいけません。
カビによる衣類や洋服に与えるダメージ
カビ自体、不衛生なので取り除くのはもちろんのことですが、先程もご説明した通り、カビは付着した物質を分解し、栄養素としていくので、衣類のカビは繊維の内部に根を食い込ませ、繊維自体や色素成分を分解してしまいます。
カビを落としたとしても、衣類・洋服の生地が薄くなる、つまり穴が開きやすくなってしまうというダメージを与えてしまいます。
また、繊維の奥深くまで洗剤や溶剤を染み込ませてカビを取り除くので、色が抜けたり変色してしまうという結果をまねいてしまいます。
できるだけ、大切な衣類・洋服にカビが発生しないような状態、環境を保つことが重要となってきます。
白カビのついた衣類の洗濯方法・落とし方
白カビは比較的軽度のカビなので、簡単に取り除く方法をいくつかご紹介しましょう。
①ブラッシング
【用意するもの】
✔ 衣類用のブラシ(固め)
✔ 使い古しの歯ブラシ
✔ 食器用洗剤
✔ 使い古しのタオル(清潔なもの)
手順
- 白カビの付着した洋服を天気の良い日に外干しして日に当て、繊維の奥まで乾燥させます。
- しっかり乾燥させたら、洋服用ブラシや、使い古しの歯ブラシでカビの部分を丁寧にブラッシングしていきます。
- それでもまだカビが落としきれてないようなら、うすめた食器用洗剤をスプレーボトルに入れて、使い古しのタオルに吹き付け、叩くように拭き取ります。
※ 生地を傷めないように、力を加減して叩いてください。
②エタノール
【用意するもの】
✔ 衣類用のブラシ(固め)
✔ エタノール(エチルアルコール)
✔ 使い古しのタオル(清潔なもの)
手順
- 洋服の繊維を傷めないように軽くブラッシングし、表面的な白カビを落とします。
- エタノールをふくませた使い古しのタオルで残ったカビを拭きます。この時、カビ を生地の中から浮かせるように、ポンポン叩くように拭き取ります。
- 白カビを取り除いたら、風通しの良い日当たりのいい屋外でよく乾燥させます。
※ この方法で、殺菌効果もあるのでカビを根絶させられると同時にニオイも除去でき相乗効果が得られます。
③酸素系漂白剤
衣類全体に白カビが発生している場合の洗濯方法です。
洗濯表示を確認して、水洗いできる素材であればご家庭で手洗いで落とせます。
ドライ指定の衣類でしたら、クリーニングに出すことをおすすめします。また、ウールやシルク製品のような繊維製品には酸素系漂白剤は使用できません。
【用意するもの】
✔ 酸素系漂白剤
✔ 平たい容器(洗面器など)
✔ ゴム手袋
手順
- 容器に40~50℃くらいの熱めのお湯1リットルに、酸素系漂白剤10gの割合で混ぜて、漂白液をつくります。
- 衣類を漂白液の中に入れ、お湯が冷めるまでつけ置きします。
- ゴム手袋をして、衣類をこすらないように、優しく揉み込むように手洗いします。
- 水ですすいで漂白液を完全に流します。
- カビが取れたのを確認して、洗濯機に入れて通常通り洗濯洗剤で洗い、完全に乾かします。
※ 漂白液と他の洗剤は絶対に混ぜないで下さい。また、漂白液は必ず分量通りにつくりましょう。多すぎると生地を痛める原因になります。
④漂白剤+重曹
もし、漂白液でも落ちないほどの強力なカビである場合には、漂白剤をお湯に入れる際に重曹も加えてみましょう。
重曹と漂白剤の割合は1:1が適量です。
重曹が加わることでカビを落とすパワーがアップし、きれいにカビが取り除けます。
手順としては漂白液での落とし方と同様の作業です。
デメリットとして、生地にもある程度の負担がかかり、穴あきの原因にもなるリスクがあります。
重曹は最後の手段として(もしくは経験値で白カビの状態をみて判断し)使用しましょう。
黒カビのついた衣類の洗濯方法・落とし方
洋服ブラシや洗濯だけでは全然効果が見られない「黒カビ」は、プロのクリーニング業者に・・・と思われがちですが、黒カビもご家庭で落とせる方法があります。
その方法は『オスバン』を使う方法です。オスバンという殺菌消毒剤をご存知でしょうか?
名称を初めて聞いた方も多いと思われますが、実は病院での消毒液、家庭では柔軟剤などに含まれており、意外と身近で多くの人が利用している消毒剤です。
オスバンは黒カビの対処法にも効果を発揮します。
【用意するもの】
✔ オスバン
✔ スプレーボトル
✔ 酸素系漂白剤
✔ 平たい容器《洗面器など》
✔ ゴム手袋
手順
- 水200mlにオスバン20mlをスプレーボトルに入れて混ぜます。
- オスバン水をスプレーボトルで黒カビの部分にたっぷり吹きかけます。
カビの菌は繊維の奥深くまで根付いているので、黒カビを根絶させるためにもしっかりとスプレーしましょう。 - オスバン水を吹きかけた衣類をハンガーなどに吊るして、風通しのいい所に5~10分ほど放置します。
- 平たい容器に50℃のお湯1リットルに酸素系漂白剤10gを混ぜ、衣類をつけます。黒カビの色素を落とす効果を高めるために、漂白液を50℃に保ったまま揉み洗いします。
黒カビが発生しているところをしっかり揉み込み、生地の内側からカビ菌を押し出すようなイメージで手洗いする - 揉み洗いが終わったら、さらに1時間ほどそのまま容器につけておきします。
※ この間もなるべく50℃を保つように、容器に蓋をしておくことをおすすめします。 - 1時間経ったら、黒カビが落ちているかどうか確認して、もしまだ黒カビが残留しているようなら、漂白液を50℃に保ちながら揉み洗いを繰り返します。
- 水洗いをして漂白液・消毒液を全て洗い流し、洗濯機で通常の洗濯をして、完全に乾かします。
衣類・洋服のカビ予防法
①着用後の洋服は洗濯、またはクリーニング
カビは少しの汗や汚れでも栄養分にして繁殖します。
一度着た洋服は洗濯するか、せめてクローゼットやタンスに収納する前に、陰干ししてからしまいましょう。
②クリーニングの袋をすぐ取る
クリーニングから戻ってきた衣類には、保護のためビニール袋に包装されてます。
その復路を取らずに収納したり、放置しておくと袋内の湿度が高くなってしまいます。必ず、クリーニングの袋を取ってから収納しましょう。
③収納する場所のメンテナンス
クローゼット内やタンスには定期的に掃除をし、下部に除湿剤を置いて湿度の調整に注意しましょう。
④衣類の収納方法
衣類の詰めすぎは、カビを発生しやすくする原因にもなります。また、カビの繁殖率も高まってしまいます。
衣類の間隔を開け、風通しをよくしておきましょう。
まとめ
まとめ
✔ カビは様々なものに付着し、物質を分解して栄養分にする性質があり、20~30℃の温度、70%以上の湿度の環境を好む。
✔ 衣類・洋服に発生するカビは白カビ・黒カビの2種類に分かれる。
✔ 白カビは軽い状態だったら、衣類・洋服を日に当てて完全に乾燥させてから、ブラッシングで落とす。
✔ 落ちきらない白カビはエタノールを使用したり、酸素系漂白剤で漂白液をつくり、つけ置きともみ洗いでカビを取り除く。それでも落ちない場合、重曹を混ぜてみる。
✔ 黒カビを家庭で落とす場合は、オスバンという消毒液で溶剤をつくりスプレーしてカビ菌を根絶したあと、白カビ除去の時と同様な手順でつけ置きともみ洗いをする。ただし、黒カビの色素を除去するために常に50℃を保つことがポイント
✔ 衣類のカビ発生を予防するためにも、着用後の洋服は洗濯・クリーニングへ。もしくは陰干ししてから収納する。衣類同士は隙間をつくって風通しをよくしておく
✔ 衣類を収納するクローゼットやタンスの掃除やメンテナンスを定期的に行う。除湿剤を収納場所の下部に常備しておく。