栗の木には様々な害虫が付きます。

 

この害虫の種類によっては木の幹を、または葉や実を食べてしまい大きな被害をもたらし、非常に厄介です。

 

今回は、栗の木につく害虫の被害に遭わない為に、いつ消毒をすべきかを虫の種類ごとに紹介していきます。

 

庭や近所に栗の木があり、害虫被害で困っている方は参考にしてみてください。

 

害虫『クスサン(楠蚕)』

(クスサン 出典:Wikipedia

 

 

栗の木につく害虫、まずはクスサン(楠蚕)の消毒時期と駆除方法について解説します。

 

①生態

クスサンが正式名称ですが、別称の方が有名な害虫です。

 

地方によって呼び方は様々ですが、全国的に有名な別称は「クリケムシ」です。他にもクリムシや面白いものではシラガタロウ(白髪太郎)などとも呼ばれます。

 

いわゆるケムシで、白く長い毛が生えた青い斑点が特徴です。

 

クスサンの食害は栗だけに留まらず、リンゴやナシなどの果物やひどい場合は他の虫は見向きもしないイチョウまで食べる程の食欲があります。

 

②栗への被害

クスサンの食害に遭った場合、若葉が食い尽くされるなどの被害があります。

 

幼虫が、葉脈を残して葉を食べます。ちょうど葉がウチワの骨だけになったような形で残ります。

 

幼虫が成長してくると、葉脈を含む葉を全て食べつくします。クスサンの食害を受けた栗の木は実付きが悪くなり、衰弱します。

 

③防除法

 卵の処理(冬季)

対策として望ましい防除法は、寒い冬の間に産み付けられている卵を潰すか掻き落として焼却してしまう事です。

クスサンが卵を産み付ける場所は、2m以下の枝や幹の間や葉の裏などです。

卵の塊を見つけたら掻き落としてしっかりと「焼却」します。

卵の殻が硬く丈夫なため、掻き落としただけでは処理としては不完全です。

 

 ふ化直後の処理(4~5月)

ふ化直後のクスサンの幼虫は、葉の裏に群生しています。

群生しいている枝や葉を切り取って焼却するようにしましょう。

 

 成長した幼虫の処理(6~7月)

残念ながら、クスサンがここまで大きくなってしまうと栗の木全体に分散して葉を食べている状況です。

竹ぼうきなどで落として、落ちた幼虫を駆除していくか栗の木全体に薬剤を散布する方法になります。

 

④まとめ

クスサンがケムシの状態になる前に駆除する事が望ましいです。

 

ケムシとなったクスサンは栗の木全体に広がってしまい、薬剤散布を栗の木全体に行う事となり、個人で行うには大掛かりな駆除になってしまいます。

 

害虫『クリオオアブラムシ』

(クリオオアブラムシ 画像引用元

①生態

クリオオアブラムシはクリやナラの木を好んで群生する吸汁性昆虫です。

 

春先から秋口にかけて繁殖を繰り返します。成体を見かけるのは6月頃で、集団で移動しては枝や幹などに張り付き樹液を吸います。

 

②栗への被害

通常は、防除の必要は無いとされています。

 

ただし、大量発生した場合は新梢の伸びが悪くなる・枝枯れを起こすとされています。

 

また、庭などで栗の木を植えている場合は見た目が非常に悪い事で駆除対象とみなす場合が多いです。

 

③防除法

 卵の処理(11月~4月上旬あたりまで)

冬季は卵の状態で越冬するため、冬の間に幹上の卵を取り除いて駆除する方法が望ましいです。

クリオオアブラムシは、幹の株元近くにまとめて卵を産む習性があります。

冬季に、株元周辺に黒い粒の塊を見つけたら駆除しましょう。

 

卵の処理は、幹から卵を取り除き焼却処理がよいでしょう。

 

 成虫の処理(5月~10月)

成虫となったクリオオアブラムシは、栗の木の幹や枝に集団で現れます。

集団で移動するため、見つけた際は嫌悪感を抱くほど大量にいる場合が多いです。

 

処理方法として有効な手立てが確立していない害虫で駆除は非常に大変です。

 

市販の殺虫剤などは効果を発揮しないばかりか、天敵であるテントウムシだけを駆除する事になってしまう為やめましょう。

 

サラダ油や牛乳をかけて窒息死させる方法など、民間で行われる対処法がありますがどれも高い効果を発揮しないようです。

 

虫が苦手な方にとっては苦行以外の何物でもありませんが、現状で一番効果が高そうな成虫の駆除は、「潰す」方法です。

 

不要な布などを使って枝や幹についたクリオオアブラムシを潰していく方法が、地道ながら一番効果的な方法です。

 

④まとめ

栗の木につく害虫として、クリオオアブラムシの実害はあまり大きくはありません。

 

群生している見た目が非常に悪い事から駆除対象にはなっていますが、数がそこまで多くない場合は自然に任せるという選択肢もアリかもしれません。

 

冬季にしっかりと卵の駆除をするか、成虫を潰すかという駆除法で対処しましょう。

 

 

害虫『カミキリムシ類』

(ジャコウカミキリ 出典:Wikipedia

①生態

カミキリムシは種類が多く、1~2年に1回発生します。

 

成虫は幹を傷つけて産卵。幹の中でふ化した幼虫が1~2年かけて幹や枝の中を食べながら成長します。

 

幹や枝を貫通するように食害を起こす事から、カミキリムシの幼虫は別名「テッポウムシ」とも呼ばれます。

 

②栗への被害

カミキリムシの幼虫に食害を受けた栗の木は、枝や幹が内部から破壊されるため樹勢が著しく衰えます。

 

枝が枯れる場合や、ひどくなると樹そのものが枯れてしまう事もあります。

 

また、中が空洞化する事で強風で折れるなど危険な場合もあります。

 

③防除法

庭でカミキリムシの成体を見かけた場合、栗の木に産卵されてしまっている可能性があります。

 

しばらくの間、おがくずのような糞が出ている箇所が無いか注意深く観察する必要があります。

 

樹勢が強い場合は、ヤニなどによって幼虫の生育を防ぐので予防法や防除法として大切な事は、樹木そのものを強くする事です。

 

残念ながら、樹勢が衰えた状態で卵を産み付けられて幼虫が育っている場合は薬剤等での防除が非常に難しくなります。

 

一応、食害されている場所を特定して針金などを差し込んで幼虫を追い出す方法もあるようですが焼け石に水状態であまり効果的ではありません。

 

予防法として、枯れ枝を残さない・樹皮が荒れている枝を剪定で優先的に切るなどが効果的です。

 

また、薬剤はスミチオン乳剤などを定期的に散布する事でカミキリムシが卵を産み付けないように予防する事もできます。

 

④まとめ

カミキリムシによる被害は、卵を産み付けられ樹木そのものが弱る。

 

予防策として一番効果的な方法は、樹木そのものを健康に保つ事。定期的にスミチオン乳剤を散布する事も効果的に産卵を予防できる。

 

さいごに

・クリケムシは卵やふ化したばかりの時期を狙ってしっかりと駆除する。

・クリオオアブラムシは、冬季に卵を駆除する。

・カミキリムシは樹木が弱ると甚大な被害を及ぼす。樹木の健康管理に気を付ける。

 

栗の木につく代表的な害虫の対処法や適切な時期について解説しました。

 

栗の木は、昔から害虫が付きやすい樹木と言われています。

 

特に紹介した代表的な害虫は駆除の方法も難しく、一度発生してしまうと大量発生に繋がり易いため厄介です。

 

ケムシは人体への影響もあるため、栗の木が庭にある方は特に注意深く駆除しましょう。

 

卵や幼体の内に防除処理をしておくことで、発生や被害を大きく抑える事ができますのでなるべく早い時期に対策を施しておきましょう。