【鉄鍋のサビの落とし方】体(健康)に悪い?おすすめの取り方&お手入れ方法!

 

お料理作りにこだわりがある方や、本格的なレシピに挑戦するほどのお料理好きな方には、鉄鍋を活用される機会があると思います。

 

例えば、鉄鍋の代表的な調理器具としては『中華鍋』などが挙げられると思います。

 

中華料理は、今流行りのIHクッキングヒーターで調理するよりは、ガスコンロの直火を使う方がより本格的な出来上がりが期待できます。

 

しかし、鉄鍋には他の素材の調理器具に比べて、使い始めの一工夫や、使い続けていくためのお手入れなど、ご自身でのメンテナンスが必要とされます。

 

もし、それを怠ってしまったり、適正なお手入れでなかった場合、鉄の性質からサビが発生します。

 

今回は、鉄鍋のサビについての対処法や除去法についてご紹介していきます。

 

鉄鍋のサビは身体に悪い?

(錆びついた鉄鍋 画像引用元

 

 

鉄鍋を使っていくと、鍋に様々な変化が見られます。

 

その中でもサビは目立ちますし、「サビが着いた状態の鉄鍋は身体に悪いかもしれない」と心配になるでしょう。

 

大まかに言って、鉄鍋に見られるサビには二つあります。

 

ひとつは、【黒錆び】です。黒錆びは正式には【五酸化鉄】と言って、鉄鍋を火にかけると、鍋の鉄分が空気に触れたことによって起こる、化学変化なのです。

 

黒錆びは、鍋の表面全体に広がりますが、これは鍋本体の鉄に、空気が触れるのを防御する効果を及ぼします。つまり、鍋が酸化によって傷まないためのコーティングのような働きがあるのです。

 

鍋に入れて加熱された食材には、どうしても付着することがありますが、もし口に入れたとしても体内には何の影響もありません。

 

もうひとつよく見られる赤茶色の錆び、所謂【赤さび】は、鉄鍋を湿気の多い所に放置することで、できてしまいます。

 

この赤錆びは【三酸化鉄】が正しい名称で、鍋の内部まで入り込み鍋の劣化を早め、最終的には酸化状態がすすむと、鍋がボロボロになってしまいます。

 

赤錆びが出たらすぐに取り除く必要があります。

 

ただし、大量の赤錆びでないのなら、多少口にしたとしても健康的被害がありません。

 

鉄鍋のサビを取るお手入れ方法

 

 

鉄鍋のサビが健康に問題がないとしても、やはり食材を扱う調理器具としてサビが目立つのは、どうしても気になってしまいますよね。

 

特に赤錆びは取り除く方が安心です。

 

では、どうやってサビを落としてお手入れしていけばいいのでしょう?

 

サビの度合いによって、やり方にコツがありますのでご説明していきます。

 

①軽度のサビの場合

【用意するもの】

✔ 酢

✔ 水

✔ スポンジ

✔ 使い古し歯ブラシ

手順

  1. 鉄鍋に酢と水を入れ(量は鍋の大きさによるので適宜)、沸騰したら5分~10分煮ます。
  2. 鉄鍋に着いたサビが、剥がれ落ちてくるのを確認しましょう(サビが剥がれ落ちるまで沸騰状態にしておく)
  3. サビが全て剥がれ落ちたら、火を止め、水ですすぎ洗いします。
  4. 落ちきれてないサビがあったら、スポンジや使い古し歯ブラシで軽くこすり落としましょう。

 

②重度のサビの場合

【用意するもの】

✔ 酢

✔ 水

✔ たわし

✔ サンドペーパー(耐水性のあるものがあったら尚良い)

手順

  1. たわしで、鉄鍋のサビをこすり落とします(落とせる分だけでよい)
  2. 次にサンドペーパーでサビを削っていきましょう。
    ※サンドペーパーを強くこすり過ぎると、鉄鍋自体を削ってしまうので慎重に!
  3. ・鉄鍋に酢と水を入れ、後は《軽度のサビ》と同じ手順でサビを煮出し、剥がしていきます。

 

③クレンザーを使ったサビ落とし

タワシやサンドペーパーが手元になかった場合、クレンザーでサビを落とすこともできます。

 

クレンザーは、大抵のご家庭のキッチンに常備されていますので、鉄鍋のお手入れの参考にしてください。

【用意するもの】

✔ クレンザー

✔ スポンジ

手順

  1. 軽度のサビならば、スポンジにクリームタイプのクレンザーをつけて、サビを磨いていきます。
  2. 重度のサビの場合、スポンジにクリームクレンザーをつけてサビを落とした後、粉タイプのクレンザーを使って磨きましょう。(しつこいサビは力を入れて磨き落としてください)
  3. 落ちきれてないサビがあったら、先程の水と酢を使った方法で、剥がし落としましょう。

 

通常の保管方法

 

 

「鉄鍋のサビ落としをした後」「通常のご使用後」には次のようなことに気をつけて保管しましょう。

  • 使用後の鉄鍋は、水分をしっかり飛ばしてから保管する。自然乾燥させても、空焚きで水分を飛ばすなど、どちらでもOK
  • 完全に乾いた鉄鍋に、油分を馴染ませてから保管する(オリーブオイルなどの食用油でOK
  • 湿気の少ない場所に保管する
  • 長期間、使用することがない鉄鍋は、新聞紙に包んで保管する

 

鉄鍋を長く使い続けるには?

 

 

鉄鍋は、使用後のこまめな手入れを行えばサビの心配もなく、使うほどに油分が鉄の中に染み込み、焦げ付きなどが防げて使いやすいアイテムになっていきます。

 

また、鉄鍋にサビを発生させず、長く上手に使いこなすには、使い始めから一工夫すると重宝します。

 

鉄製の中華鍋やフライパンなどは、製造元から消費者の手元に届くまでのサビを防ぐため、クリア塗装が施してあるのが通常です。

 

当然、この塗装は食品衛生法に合格している人体に無害な成分ですが、最初に使用するときは、やはり取り除くことをおすすめします。

 

クリア塗装は250度位の高温で焼き付けられており、化学的にも安定しているため、洗い落とす溶剤が無いので、焼き切ることで取り除いていきます。

 

以下にはこの【保護皮膜の除去】【油ならし】の工程をご説明します。

 

①保護被膜の取り除き

手順

  1. ガスコンロを強火にして、鍋の外側と内側を万遍なく空焼きする
  2. 煙が発生してくるが、塗装が焼き切れると煙は出なくなる(約10~15分位が目安)
  3. 鍋の表面が青味がかった黒色になってきて、部分的に塗装が残っているようなら、ガスの炎を直接当てて、完全に焼き切るようにする
    ※かなりの高温になっているので火傷と周囲のこげ、引火に充分注意して行ってください。
  4. 焼き切ったら、鍋が完全に冷めてから食器用洗剤で焼けた被膜をきれいに洗い落とす。
    ※熱いまま急に水の中に入れるのは、鍋が変形するリスクがあるので絶対しないこと

 

②油ならし

【用意するもの】

✔ 食用油

✔ キッチンペーパー(orキッチンタオル)

手順

  1. 鍋の水分をとってから、使い古しの食用油を鍋の半分ほど入れる
  2. 鍋の内側全体に油がゆきわたるように塗り、強火で加熱する
  3. 煙が出はじめたら火を止めてコンロから下ろす

    ※油が発火しないようにくれぐれも注意してください。

  4. 加熱した油を捨て、鍋の内側全体をキッチンタオルやペーパーで、油を染み込ませるように拭いていく(※鍋のフチの部分も忘れずに)
  5. 内側を拭いた後のキッチンタオルやペーパーで、鍋の外側も万遍なく拭いておく

 

③その他のコツ

天ぷら鍋以外の鍋(中華鍋、ステーキパンなど)で、使い始めに鉄の臭いが気になる場合、キャベツの芯・ネギの青い部分・セロリの葉・玉ねぎなど香味野菜のクズを、油で炒めてると鉄臭さが取れることがあります。

 

※鉄製の鍋は全てがクリア塗装ではなく、シリコン樹脂塗装の製品もあります。

 

シリコン樹脂塗装の鍋は塗装の焼き切りの必要がなく、すぐに調理を始められ便利です。

 

しかし、使い始めはシリコン塗装の被膜で保護されているので、錆びにくい状態ですが、使い込んでいくと被膜も徐々に取れてしまい、錆びやすい状態になりますので、鍋の表面に薄く油を塗るようにすると良いでしょう。

 

お手元の鉄鍋にどのような塗装がしてあるかは、品質表示の表面加工の項目を確認して、お手入れしてください。

 

まとめ

 鉄鍋のサビは黒錆び(五酸化鉄)と赤錆び(三酸化鉄)があり、双方とも人体には無害。ただし赤錆びは、鉄鍋を劣化させる原因となるので取り除く方がよい。

 鉄鍋のサビは軽いものなら、酢・水で煮込むとサビが剥がれ落ちてくる。

 落ちにくい頑固なサビの場合、たわしやサンドペーパーで擦ってから、煮込み落としをする。

 クレンザーを使って磨いてサビを落とす方法もある。

 鉄鍋の使用後やお手入れの後は、完全に乾かして、湿気の少ない場所で保管する。

 食用油などで鍋に油分を馴染ませて保管するとサビ防止になる。また長期に使用しないのなら新聞紙で包んで保管する。

 使い始めの鉄鍋には【保護皮膜の除去】と【油ならし】すると使い勝手がよくなる。

 使い始めの鉄臭さを取るには、香味野菜のクズを油で炒めると臭みが軽減する。

 鉄鍋にはクリアー塗装だけでなくシリコン樹脂塗装が施された製品もあるので、必ず品質表示の表面加工の項目を確認してから、使用する。