
昔ながらの日本の家に欠かせない物、そしてシンボルとも言える物はやはり『たたみ』ですよね。
新しく青々した畳は何とも言えない草の良い香りがするものです。
しかし、気が付けばイ草の香りがなくなるのと共に、畳自体も色あせてしまっていますね。
今回は、そんな色あせてしまった畳の色を元の色に復活させる方法や、いつまでも青々しい畳に保つための色褪せ防止方法などをご紹介していきます。
目次
畳の色褪せの原因は?
畳の色あせの原因は陽が当ることが原因です。
もっと、厳密に言えば、『紫外線』です。
よく、畳の上にマットやタンスなどをずっと置いていて、しばらく経って動かすとマットやたんすの下の畳だけは元の青々とした色のままの事がよくありますよね。
畳の材料はい草という植物でできていることはご存知だと思いますが、そのい草の中に含まれている『クロロフィル(葉緑素)』という色素が紫外線にあたる事で変色してしまうのが原因です。
もう少し詳しくお話しすると、い草の中に含まれているこのクロロフィルが紫外線に当たる事で化学反応を起こし、フェオフィチンという物に変質します。
実はこのフェオフィチンこそが褐色である為、畳は陽に当たると日焼け=色褪せて見えてしまうのです。
ただ、陽に当たったからと言って畳が突然青色から褐色になることはありません。長い時間をかけて徐々に褐色になっていきます。
そして、実はこの畳の色褪せのメカニズムは紅葉と同じ仕組みなのです。私達の日常生活の至る所で化学反応が起こっているなんて、とても面白いですよね。
一度褪せてしまった畳の色は戻らない
既にご紹介したように、畳の色が青色から褐色になるのは自然な事で、致し方ない所もありますが、やはり「青い畳の方が良い!」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一度褪せてしまった畳の色は完全に元の色に戻る事はありません。
こうなった場合、畳を裏返しにしてもらうと良いでしょう。紫外線が当っていない裏側の畳は青く綺麗です。
ただし、この裏返しができる目安は大体3~5年のようです。5年以上経過してしまうと、裏面も変色していることがあります。
【畳の色あせの復活方法】畳の色を戻す(青くする)には?
畳の裏表どちらも色褪せてしまい、新たに畳の入れ替えはしたくないという方は、以下の方法をお試しください。
完全に本来の青い色に戻す事はできませんが、試してみる価値はあるかもしれません。
①「抹茶」で畳を青くする方法
ちょっと意外な方法ですが、抹茶で畳の色を戻す方法があります。
【用意する物】
・抹茶
・雑巾
汚れ
手順
1.抹茶をお湯で溶きます。
2.雑巾に1を含ませ硬く絞って畳を目に沿って拭きます。
3.さいごに十分乾燥させましょう。
これだけでも、だいぶ畳は綺麗になります。
何より、抹茶なのでペットや小さなお子様がいらっしゃるご家庭でも安心して使える所が良いですよね。
②「みかん」を使った方法
次はみかんの皮の煮汁を使った方法です。この方法は畳の色を青くするというよりも、どちらかと言えば、変色してしまった畳の黄ばみを取る方法だと考えてください。
【用意する物】
・みかんの皮
・雑巾
汚れ
手順
1.みかんの皮5個分を約1リットルの水で15分間程煮ます。
2.1を冷まします。
3.雑巾に2の煮汁を含ませ硬く絞って畳の目に沿って拭きます。
4.さいごに十分に乾燥させましょう。
変色してちょっと黄ばんでしまった畳には是非この方法をお試しください。
③市販の専用グッズを使う
最後にご紹介するのは、畳の色を戻す専用のグッズです。それが、『染太郎』です。
こちらのグッズを使えば、畳の色が本来の色に戻るという事ではなく、塗って青くするという方が正しいのかもしれません。
染料は顔料で、天然のヒバの香りが配合されており、良い香りです。医療関連や家庭用品にも多く使用されている安全なものなので、ペットや小さなお子様がいても心配ありません。
一度塗れば、徐々に青い畳になり、変色もしにくくなります。ちなみに、この『染太郎』一本で約6畳~8畳分塗る事ができます。
【用意する物】
・市販の染料
・専用のハケ
汚れ
手順
1.専用のハケを使って、目に沿って染料を塗る
2.完全に乾かしたら終わり!
畳を張り替える手間や費用が省け、手軽にできるのですぐに畳を青くしたいという方にはおすすめです。
畳の色褪せを防ぐ方法
畳の色を戻す方法をご紹介しましたが、次は畳の色褪せを防ぐ方法についてです。
①紫外線に当たらないようにする!
畳の色褪せの最大の原因とも言えるのが『紫外線』による変色ですよね。
それであれば、紫外線をまず畳に当てないようにする事が大切です。部屋の中にいても日焼けはしてしまうというと聞かれた事はありませんか?
これは紫外線が窓をも通過してしまうからという事を意味しています。その為、紫外線から畳を守る為には・・・
✔ UVカットのカーテンを付ける
✔ UV防止のフィルムを窓ガラスに貼る
✔ 室内の畳・クロスの日焼け防止養生材であるクレープカーテンを付ける
等の方法が考えられます。
よく、畳の上にラグマットなどを敷いている方を見かけますが、同じ日焼け対策にせよ、この方法はあまりおすすめできません。
畳は常に呼吸していますが、上に何かを敷く事により、その呼吸が止まってしまいカビやダニの温床になってしまう可能性が高くなるからです。特にアレルギー体質の方は要注意です。
そこで、中でも私が特におすすめしたいのがクレープカーテンです。西日が強い部屋などに取りつけると畳の色褪せをだいぶ防ぐことができます。
②お酢を使った色褪せ防止方法
酢を混ぜる事で畳の日焼け防止になります。
それに、除菌や殺菌効果が高まり、ダニやカビの発生も防いでくれるばかりか、漂白効果も期待できます。
【用意する物】
・酢
・お湯
・スプレーボトル
・乾いた布
汚れ
手順
1.洗剤などを使って、畳の表面を良く拭き上げます。
2.お湯:酢を2:1で混ぜたものを作ります。
3.2をスプレーなどに移し、まんべんなく噴射しましょう。
4.乾いた布を使って、乾拭きします。
5.乾拭き後はよく乾燥させましょう。
少しでも畳が色褪せたなと思ったらすぐにこの方法でお手入れしてみてください。
こまめにこのお手入れを繰り返すことにより、青く綺麗な状態の畳を長く維持することができますよ。
畳の普段のお手入れについて
畳を普段からお手入れしているか否かによって時間が経過した時の畳の状態にだいぶ差が出ます。
普段のお手入れとしてはまず、畳は掃除機やホウキなどを使って畳の目に沿ってホコリを取り除きます。
濡れた雑巾で拭くと黒ずんでしまうことがありますので、雑巾で拭くときは乾拭きで行ないましょう。
どうしても汚れが落ちない場合は先にご紹介したお酢を使った方法でお手入れをしてみてください。また、春と秋の年に2回、陽に当てて干すと良いそうです。
まとめ
・畳の色褪せの原因は紫外線によりい草の色素が化学反応を起こし変色してしまう為。
・一度色褪せてしまった畳の色を完全に戻す事はできないが、抹茶やみかんの皮の煮汁などを使って綺麗にする方法がある。
・畳の色褪せを防ぐにはやはり紫外線を当てない事が一番。
畳の色褪せのメカニズムが紅葉と同じだとはちょっとびっくりですね。
いつまでも美しい畳を保つにはやはり日々のお手入れが重要のようですね。
ただ、新しく青々した畳は勿論良いのですが、私は年季が入って褐色になった畳もそれはそれで趣があって良いなぁと思います。
皆さんはどうでしょうか?やはり、青い畳が良いと思う方は是非、今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。