やかんが黒ずんで汚くなってしまったとき、あなたはそのやかんをどうしていますか?
捨ててしまいますか?それとも、そのまま使っちゃっていますか?
やかんは使えば使うほど、茶渋などによってどんどん黒ずみ汚れていきます。
焦げ取りをする前のやかんについてる汚れが幼稚園児が描いた母の絵みたいで思わずパシャリ📷✨#ファインダー越しの私の世界#汚いかもごめんね pic.twitter.com/m7iFSB2YnY
— やまーだ (@VnkZkw) April 3, 2019
やかんにこびり付いてしまった頑固な汚れは、ちょっとやそっとじゃ取り切れないように思われがちですが、実は案外簡単に取れてしまうものなのです。
今回は簡単に、そして誰にでもできるアルミ製やかんの掃除方法をご紹介します。
目次
やかん表面のアルミの構造について
目には見えませんが、アルミの表面は「酸化皮膜」という薄い膜に覆われ守られています。これは、アルミを傷や腐食から守るための膜で、アルミが空気に触れることで自然と作られ覆われています。
しかし、この酸化皮膜が傷つき剥がれ落ちてしまうと、アルミがむき出しになってしまいます。
アルミがむき出し状態になっていると、黒ずみだけでなく腐食の原因となりますので、やかんだからといってあまり乱暴な扱いは避けてくださいね。
アルミ製やかんの汚れの原因
やかんには、外側と内側の両方に汚れが付きます。
しかし、両方とも同じタイプの汚れではありません。
原因が違いますので、やかんを掃除する際は必ず違う方法を用いて掃除をしましょう。
まずは、アルミ製やかんの内側と外側、それぞれの汚れの原因からご紹介します。
①内側に付着する汚れの原因
アルミは熱伝導率が高い物質です。そのため、アルミ製のやかんでは時間をかけずにお湯が沸かすことができます。また、他物質に比べて軽いので、扱いやすく便利でもあります。
ただ、黒ずみや茶渋などの汚れが付きやすい…というのがちょっと残念なポイントになります。
麦茶やほうじ茶など、お茶類を繰り返し煮出すことが多いと、あっという間にやかんの内部は茶渋で汚れていきます。
また、水だけしか沸かしていないとても、化学反応で黒ずんでしまうことがあります。
これは「黒変化現象」と呼ぶもので、水とアルミが反応することによって、水酸化アルミニウムが発生して起こる黒ずみです。この現象により、やかん内部が黒く変色してしまうのです。
この黒変化現象による黒ずみに毒性はありません。見た目は汚く見えますが、人体には無害ですので、そのまま使っていても特に問題はありません。
②外側に付着する汚れの原因
外側の汚れは、ほとんど「油のこびり付き」が原因となっています。
やかんをコンロの上に置きっぱなしか、コンロ付近に置きっぱなしにしていませんか?やかんの傍らで調理している際に飛んだ油によって、やかんが汚れていきます。
小まめに掃除をしていれば油のこびり付きは予防できますが、特に何もせず、油が付いたままのやかんを火にかけてしまうと、油が焦げてこびり付き、やかんを汚くしてしまいます。
アルミ製やかんの内側掃除には『酸性食品』
やかん内部の汚れは、酸性の食品を使って掃除するとキレイになります。
掃除に使える酸性の食品には、以下のようなものがあります。
主な酸性食品
✔ 酢
✔ クエン酸
✔ レモン(輪切り、汁)
✔ リンゴ(芯・皮)など
それでは具体的な掃除方法をご紹介します。
【用意するもの】
✔ 酸性食品
手順
- やかん内の汚れが全部かぶるぐらいに水を注ぎ入れます。
- 酸性食品を入れます。
その中にりんごの皮や芯、またはレモンの輪切りなどを入れて煮沸させていきます。クエン酸・酢であれば、水1リットルに対して大匙2~3杯が目安です。 - 10~15分をほど煮たら、火を止めて冷まします。
- 水やりんごの皮など、やかん内にあるものは全部捨てます。
- 水ですすぎ、内部をキレイにして終了です。
(※水分が残っていると、また黒ずんできてしまいます。すぐに使わないのであれば、水分をしっかり拭いて、それから保管してください)
もしくは・・・
手順
- 水は使わず、レモンの輪切り、またはリンゴの皮や芯などで、汚れを直接こすって落としていきます。
- 汚れが落ちたら、水ですすいでキレイにして終了です。
(※これもまた水分をしっかり拭いてから保管しましょう)
アルミ製やかんの外側掃除には『研磨』
外側は、スチールタワシ、スポンジタワシにクレンザーなどを付けて汚れを直接磨いていきます。
あまり強い力で磨くと、アルミ素材に傷が付いてしまうので注意しましょう。汚れ具合が弱い場合はスポンジタワシで、頑固な汚れはスチールタワシで磨きます。
やかんに付く傷は、アルミが腐食する原因となります。
やかんの寿命を短くしてしまう可能性がありますので、磨く際は、あまりこすり過ぎないようにしなくてはなりません。
やかんの外側は、汚れがたまってからではなく、なるべく小まめに掃除した方がやかんの寿命を短くせずにすみますよ。
アルミ製やかんを長く使うためのお手入れ方法
やかん内側の黒ずみは、残念ながらどんなに掃除をしても、そのうちまた黒ずんできてしまいます。
汚れを付きにくくするためは、普段からきちんとお手入れをしていくことが必要です。
お手入れさえしておけば、汚れが付きにくくなるだけでなく、やかんの寿命も長くなってくれます 。
【用意するもの】
✔ お米のとぎ汁
手順
- お米のとぎ汁(水と野菜くずでも可)を用意します。
- これらをやかんの中に入れて、10~15分ほど煮沸していきます。
- 火を止めて、しっかり冷めたら中身を捨てて、きれいにすすげば終了です。
(※ここでも、最後に水気をふき取るのを忘れないようにしましょう)
掃除終了時だけでなく、普段からやかんを使わないときは水気を拭いて乾燥させて保管するようにしましょう。
水が付いたままにしておくと、黒ずみの発生が早まってしまいます。
アルミ製やかんを掃除するときの注意点
アルミ製やかんに「重曹」はNGです。
重曹は、ステンレス製やかんなどの掃除には使えますが、アルミ製やかんに使うと黒ずみの原因となります。
仮に間違って重曹で掃除してしまっても焦らなくて大丈夫です。再度、クエン酸やリンゴの皮などで煮沸すれば元通りキレイになってくれますので、安心してくださいね。
ちなみに、「アルカリ性食品」もアルミを黒ずませる要因となります。
やかんですので、食品を中に入れて煮るということはないと思いますが、アルミ製の鍋を使用する際の参考までに…
✔ こんにゃく
✔ ゆで卵
✔ ラーメン
などといったアルカリ性の食品には気を付けるようにしましょう。
アルマイト加工のやかんがおすすめ!
アルミを覆う薄い酸化皮膜を人工的に分厚く加工したものを「アルマイト」といいます。
アルマイト製品はアルミ製品に比べて硬くて頑丈。また、腐食しにくいという特徴があるため重宝されています。
現在、ホームセンターなど一般的に売られているアルミ製品の殆どはアルマイト加工されているものが多いので、もしかしたら、アルミ製品だと思っていたやかんは、アルミ製品ではなくアルマイト製品かもしれません。
アルマイト製品であれば、ある程度頑丈なので普通に使っていれば、傷も付きにくいですし、それほど早く黒ずみが発生することもないでしょう。
適切にお手入れしながら使っていれば、やかんも長持ちしてくれます。
まとめ
まとめ
✔ アルミは酸化皮膜に守られている。
✔ やかんの内側の汚れは、茶渋と黒変化現象が原因。
✔ 外側の汚れは油が原因。
✔ 酸性食品で内側の汚れをキレイに落とせる。
✔ 外側の汚れはスチールタワシなどを使って磨いていく。
✔ お米のとぎ汁でお手入れすれば、やかんの寿命が延びる。
✔ アルミ製やかんは重曹を使って掃除してはいけない。
✔ アルミ製品のほとんどはアルマイト加工されているので頑丈。
いかがでしたでしょうか?
茶渋や黒ずみで汚れてしまったやかんは見た目も悪いので、何となく捨てたくなっちゃうかもしれませんね。
しかし、ちょっとだけ頑張って掃除をしてみませんか?ほんのちょっとのことで、真っ黒だったやかんがみるみるキレイに!びっくりするぐらいキレイになってくれますよ!