タイルを貼り合わせるときに用いられるセメント。
最近ではホームセンターのDIYコーナーも充実し、ご自分でレンガを積み上げて花壇を作ったり、玄関タイルを貼る方も増えてきましたよね。
InstagramやTwitterで紹介されているのを見ると、ついご自分でも試してみたくなりますが、作業中にうっかりレンガにセメントをつけてしまうこともよくあることです。
そこで今回は、レンガについたセメント汚れの落とし方について紹介します。
「せっかくきれいにレンガが貼れたのに、表面にセメントの汚れがついてしまった」とお困りの方は、ぜひ参考になさってください。
目次
セメント汚れを落とす際のポイント
セメントはコンクリートやモルタルを水で練って作られたもので、乾燥すると硬くなるため、タイルやレンガを貼り合わせる接着剤としての役割も果たします。
例えば、レンガで下段や玄関タイル、外壁などを作ったときのセメントの汚れには・・・
- 作業中にレンガの表面につけてしまったもの
- 雨水が染み込み、溶け出した跡が乾燥して付いたもの
とがあります。
レンガについたセメントの汚れは、クレンザーや中性洗剤を使っても効果がありません。そこでまず、セメントの特徴を覚えておきましょう。
セメントはアルカリ性の汚れになりますので、酸性の洗剤を用いることで中和され、きれいに汚れを落とすことができます。
レンガについたセメント汚れの落とし方
それでは早速、レンガについたセメントの汚れの落とし方について紹介していきましょう。
どの方法も手近な場所で購入できるものや、ご家庭にあるものでできる方法ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
①サンポールを使う方法
レンガとレンガの間から滲み出たセメントは、専用のクリーナーもありますが、専用のクリーナーが用意できなかった場合はトイレ用の洗剤「サンポール」を使っても効果的です。
【用意するもの】
✔ サンポール
✔ ゴム手袋とマスク
✔ 養生テープ
✔ 小皿、またはボウルなど
✔ 雑巾などの布、または刷毛など
✔ 水
手順
- 作業の前にはゴム手袋を着用しましょう。
- 汚れを落とす前にある程度掃除をしておき、ゴミやホコリを取り除いておきましょう。
- 次に、クリーナーが飛び散っても良いように、養生テープを貼ります。
- 皮膚を傷つけてる恐れがありますので、作業に入る前に必ずゴム手袋とマスクを着用してください。
- 目立たない場所にサンポールを塗布し、変色しないかどうかを確認します。
- セメントの汚れがついた部分に布や保険を使ってサンポールを塗布します。
- そのまま5分〜10分程度放置しましょう。
- 最後に水で洗い流して完了です。
サンポールを使用するときは、なるべくその場を離れず様子を見ながら作業しましょう。
あまり長時間放置すると、レンガが変色したり劣化する恐れがありますので十分注意しましょう。
②塩酸を使う方法
塩酸はサンポールと同じく、トイレの掃除によく用いられる薬剤です。
「塩酸は危険なのでは?」と誤解している方も多いですが、ドラッグストアなどで購入できる塩酸はご家庭様に濃度が低めに作られていますので安全です。
ただし、作業を行うときはゴム手袋やマスクを着用しておきましょう。
【用意するもの】
✔ 塩酸
✔ 養生テープ
✔ ゴム手袋とマスク
✔ スプレー容器、またはボウルなど
✔ 雑巾などの布、または刷毛
✔ 水
手順
- 作業の前にはゴム手袋を着用しましょう。
- 汚れを落とす前にある程度掃除をしておき、ゴミやホコリを取り除いておきましょう。
- クリーナーが飛び散っても良いように、養生テープを貼ります。
- 塩酸と塩酸を1:3の割合で混ぜ合わせます。
- 次に、目立たない場所に塩酸を塗布し、変色しないかどうかを確認しましょう。
- 問題なければ、セメントの汚れがついた部分に布や保険を使って塩酸を塗布していきます。
- そのまま5分〜10分程度放置しましょう。
- 最後に水で洗い流して完了です。
塩酸は、工業用のものと違い取り扱いにそれほど神経質になる必要はありませんが、セメントの汚れが付いていない場所や体につかないよう注意が必要です。
また、塩酸には研磨作用がありますので、あまり強くこすらないよう注意してください。
③クエン酸を使う方法
ナチュラルクリーニングに用いる洗剤として人気のあるクエン酸。
セメントの汚れには酸性の洗剤が効果的ですので、クエン酸が役立ちます。
小さなお子さんやペットのいるご家庭の場合は、安全に使えるクエン酸がおすすめです。
【用意するもの】
✔ ゴム手袋
✔ クエン酸小さじ3杯程度
✔ 水500ml
✔ スプレー容器、または雑巾など
手順
- クエン酸は安全に利用することができますが、念のためゴム手袋を着用しましょう。
- 次にクエン酸水をスプレー容器に入れて直接拭きかけるか、雑巾や布にクエン酸水を染み込ませ、セメント汚れが付いている部分に置き、10分程度放置しましょう。
クエン酸は100円ショップでも購入可能です。また、タバコのヤニや臭い、水垢を落としたい時のほか、フローリングの床掃除にも使えますので、買い置きしておいても損はありません。
④スクレーパーを使う方法
スクレイパーはヘラのような形をしており、種類も用途によってさまざまな種類があります。汚れの範囲がそれほど広くない場合は、スクレーパーで削り取ることもできます。
レンガに付いたセメントの汚れを落とすには、なるべくプラスチック製のものを選びましょう。
【用意するもの】
✔ スクレーパー
✔ 軍手
✔ 水
手順
- 手を切る恐れがありますので、作業の前には軍手を着用しましょう。
- セメントの汚れ部分にスクレーパーを斜めにあて、下に力を入れながら前に向けて削り取ります。
- 最後に水で洗い流して完了です。
なかなか汚れが落ちない場合は、サンポールや塩酸をセメントの汚れ部分に塗布したあと、スクレイパーで削り取ってもかまいません。
その場合は、サンポール、または塩酸を塗布したあと、10分程放置してからスクレーパーで削り取りましょう。
ただし、薬剤を使用するときは、あまり力を入れすぎないよう注意して下さい。
⑤専用のクリーナーを使う方法
セメントの汚れを落とすには、エフロクリーナーと呼ばれる専用のクリーナーがおすすめです。
セメントを使ってレンガを繋ぎ合わせている場合、雨水が染み込むとセメントが溶け出してしまうことがあります。
すぐに洗い流してしまえば汚れが残らずに済みますが、気がつかないまま放置すると、汚れがこびりついて取れなくなりまってしまいます。
【用意するもの】
✔ ゴム手袋
✔ 養生テープ
✔ エフロクリーナー
✔ ブラシ
✔ 水
手順
- 作業の前にはゴム手袋を着用しましょう。
- 汚れを落とす前にある程度掃除をしておき、ゴミやホコリを取り除いておきましょう。
- クリーナーが飛び散っても良いように、養生テープを貼ります。
- エフロクリーナーをスプレー容器に入れ、汚れが気になる部分に吹きかけます。
- セメントが泡状に浮き上がってきますので、ブラシで優しく擦り洗いをします。
- 最後に水で洗い流して完了です。
エフロクリーナーはホームセンターなどで2000円前後で販売されています。
エフロクリーナーは、あまり使用する機会があまりなく少々お高めですので、掃除をした後は撥水効果のある保護剤をかけておくと汚れを防げます。
作業を行う際の注意点
レンガに付いたセメントの汚れを落としたいときは、次の点に注意しましょう。
作業をする上での注意点
- 窓を開けるなどして良く換気する
室内で作業するときは窓を開け、換気扇をつけるなどしてよく換気しましょう。サンポールや塩酸は、アルカリ性のセメントを中和させる働きがありますが、その段階でガスが発生することがあり、大変危険です。
- ゴム手袋とマスクを着用する
作業をするときは、マスクやゴム手袋を着用しましょう。酸性の薬剤は、たとえ家庭用の洗剤であっても長時間作業をしていると皮膚を溶かすこともあり、目や口に入ると大変危険です。
- マイナスドライバーなど、金属製のものは使用しない
マイナスドライバーは、スクレーパーに比べて硬く、金属でできていますのでレンガが割れてしまう恐れがあります。
- クレンザーを使用しない
クレンザーには研磨作用があります。クレンザーの中には細かいスクラブが入っているため、擦るとレンガを傷つけてしまう可能性があります。
セメントにのみ使用する場合は効果的ですが、レンガについたセメント汚れを落とす場合は、汚れが付いていない部分にも付着する可能性があり、レンガが割れてしまう可能性があります。
- 黄ばみに注意する
サンポールや塩酸など、酸性の薬剤を使用すると。レンガが変色したり黄ばむことがあります。
そのため、酸性の洗剤を利用するのであれば、まず目立たない場所に塗布してから使用しましょう。また、あまり長い時間放置すると黄ばみが強く出ることがあります。
酸性の洗剤を使用する場合は、なるべくその場を離れないように様子を見ながら作業を行い、セメントが落とせたらしっかりと洗い流しましょう。
まとめ
まとめ
✔ レンガに付いたセメント汚れを落とすには、サンポールや塩酸、クエン酸などの酸性の洗剤を使用する。
✔ 汚れの範囲が小さい場合は、スクレーパーで削り取ることができる。
✔ サンポールや塩酸を使用するときは、窓を開けるなどして良く換気する。
✔ 皮膚を傷める恐れがありますので、作業するときはゴム手袋やマスクを着用する。
✔ レンガを傷つける恐れがありますので、研磨剤が含まれているクレンザーは使用しないこと。
✔ セメントの汚れを落とすスクレーパーは、なるべくプラスチック製のものを選ぶこと。
✔ 酸性の洗剤を使用すると黄ばみが出たり変色する可能性があるため、必ず目立たない場所でチェックしてから作業すること。
✔ 酸性の洗剤を使用する場合は、作業を終えた後、しっかりと洗い流すこと。