機械油を扱う職場で働いていると、どうしても作業着や作業服に油汚れが付いてしまうものです。
一生懸命、働いてくれている証でもありますが油汚れのついた衣服を洗濯するのは一苦労ですよね。
そこで今回は、働くお父さんを支える奥様が油汚れのついた衣服を綺麗に洗い上げる方法やコツを紹介していきます。
目次
油汚れ=油溶性の汚れ
まずは、汚れの種類について知っておきましょう。
衣服にシミ汚れが付いた場合、その汚れが何で付いた汚れかによって種類分け出来ます。
汚れの種類を知っておくと、汚れを効率良く落とす事が出来ますよ。
①油溶性の汚れ
今回のテーマでもある油汚れは、“油溶性の汚れ”に分類されます。
作業着や作業服に付く油汚れは機械油などが多いと思いますが、他にも日常生活で衣服に付きやすい油溶性の汚れには、カレーやケチャップなどが挙げられます。
食品や調味料が衣服についてしまった場合、「油を使っているかどうか?」に着目しましょう。
油が使われている食品や調味料は全て“油溶性の汚れ”となりますよ。
油溶性の汚れとは、読んで字の如く油に溶ける性質を持った汚れです。通常、洗濯は水で洗う訳ですが油溶性の汚れは「水を弾く」ため落としにくい汚れと言えるのです。
②水溶性の汚れ
今回のテーマとは違いますが、他の汚れについても簡単に触れておきましょう。
まずは、水溶性の汚れについて。日常生活において衣服につく代表的な水溶性の汚れは、コーヒーや紅茶ですね。
水溶性と言うだけあり、水にもしっかりと溶ける性質の汚れです。比較的簡単に落とせる汚れに分類されますね。
③不溶性の汚れ
最も落としづらい汚れと言えるのが、不溶性の汚れです。
水にも油にも溶けない性質を持つ不溶性の汚れは、非常に落としにくい汚れです。
日常生活での不溶性汚れとは、泥汚れや墨汁が代表的ですね。学童を持ったお母さんの頭を悩ませる汚れです。
このように、汚れには種類がありそれぞれ性質が異なるため対処法も変わってきます。
今回は油溶性の汚れがテーマですから、具体的な対処法について詳しく説明していきます。
油溶性汚れの対処法~応急処置~
油溶性汚れに限らず、衣服に汚れが付いてしまった場合に間違った応急処置をすると汚れが非常に取れにくいシミへと変わる事があります。
正しい応急処置を解説しますので、是非ともご主人やお父さんに教えてあげて職場で作業服に油が付いた場合に正しい応急処置を行ってもらいましょう。
応急処置をしっかりしてもらえれば、油のついた作業着の洗濯がとても楽になります。
まず、応急処置以前の話としてご主人やお父さんにこれだけは伝えておきましょう。
それは「油汚れが作業着に付いても、“絶対にこすらないで”」という事です。
やってしまいがちで、絶対にやってはいけない応急処置が付いた汚れをゴシゴシとこすってしまう事なのです。理由は、付着した油汚れをこする=わざわざ繊維の奥深くに油汚れを染み渡らせるからです。
油汚れが付いた作業着をゴシゴシすれば、汚れシミの範囲が広がってさらに繊維の奥にまで油汚れが染みて行きますから絶対にやめてもらいましょう。
では、正しい応急処置はどうすればいいのでしょうか?
答えは簡単。当て布などをして、乾いた布で上からポンポンと叩くようにしましょう。
汚れがある程度、当て布に移ったのを確認したら中性洗剤などを塗って先ほどと同様に当て布をして叩けば応急処置としては万全です。
しかし、職場で働いているお父さんに油汚れが付いたら応急処置をしっかりやって!というのは酷というものです。
そこでおすすめしたい、とっておきの応急処置があります。それは、皆さんが普段使っているであろう「メイク落としシート」をお父さんに持たせるという事です。
実は、化粧も油溶性汚れの一種。つまり、油汚れを効率よく落とすにはメイク落としシートは非常に効率が良いアイテムなのです。
是非、お父さんにメイク落としシートを持たせてあげましょう。そして、職場で作業着に油汚れが付いてしまった際にはメイク落としシートで叩くように応急処置をしておいてと伝えるだけで良いのです。
作業着のポケットに忍ばせておくだけで、ウェットティッシュ感覚で効果的な応急処置が出来るはずですよ。
作業着・作業服の汚れの落とし方
油汚れが付いたままの衣服を洗濯機にかけたことはありますか?
そのまま洗濯をしたことがある方なら判ると思いますが、油汚れが付いてシミになっている部分は通常洗濯をしてもそのまま残っている場合が非常に多いです。
油溶性の汚れは水に溶けない性質を持っているため、洗濯をする際は「前処理」が非常に重要になってきます。
油汚れの程度に合わせて、いくつか具体的な前処理方法を解説しますのでしっかりと洗濯前に前処理をして作業服についた油汚れをキレイに落としましょう。
①洗濯前の処理~油汚れ具合:軽度~
しっかりと応急処置をしてある場合や、油汚れ具合が軽度の場合などは台所用洗剤を使って前処理を行いましょう。
台所用として普段使っている中性洗剤は、食器についた油汚れをしっかりと落としてくれますよね?
この油汚れを落とす作用は、衣服の前処理でもしっかりと効果を発揮してくれます。それでは、具体的な手順を紹介します。
【用意する物】
・普段使用している台所用洗剤
・使わなくなった歯ブラシ(シミ汚れの範囲が狭い場合は綿棒も可)
・汚れても良い布(キッチンペーパーで代用可)
汚れ
手順
1.油汚れの部分に汚れても良い布やキッチンペーパーをあてます。
2.当て布をした逆側部分に台所用洗剤を塗布していきます。
3.歯ブラシや綿棒でトントンと叩きます。
この時、外側から内側へと叩くのがコツです。逆に叩くと油汚れが広がってしまう可能性があるので注意しましょう。
裏にあてた布へと汚れを移すようにして叩き、当て布に色が滲まなくなるまで繰り返します。
4.水洗いをしてシミが落ちていれば終了です。あとは普通に洗濯してしまいましょう。
②洗濯前の処理~油汚れ具合:重度
汚れがひどい場合は、漂白剤の力と重曹の力を借りて前処理を行います。
漂白剤は酸素系漂白剤を使用します。(塩素系漂白剤は色落ちが起きやすい為、使わないようにしましょう)
重曹を使う理由は、“アルカリ性”を付与して洗浄力を高めるため。アルカリ性は、衣服にダメージを与えることがあります。
そのため、中和用にクエン酸を使います。それでは、具体的な手順です。
【用意する物】
・酸素系漂白剤
・重曹
・使わなくなった歯ブラシ(シミ汚れの範囲が狭い場合は綿棒も可)
・汚れても良い布(キッチンペーパーで代用可)
・クエン酸(酢でも代用可)
・ドライヤー
汚れ
手順
1.漂白剤と重曹を1:1の割合で混ぜておきます。
2.当て布をして、シミ部分に1を塗布します。
3.歯ブラシや綿棒でシミの外側から内側へと向かって叩いていきます。
4.シミ全体に塗布した液が馴染んだらドライヤーで加熱します。3分程度、ドライヤーをあてましょう。
5.衣服の傷みを避ける為に、クエン酸を水で溶いた物を作りシミの部分へとかけます。
6.水洗いをして、シミの落ち具合を確認しましょう。しっかりと落ちていれば、あとは普通に洗濯して終了です。
③洗濯前の処理~裏ワザ~
最後に紹介する方法は、裏ワザです。
重曹やクエン酸と言われても、家に無いという方。使っている漂白剤が塩素系だったという方。そんな方の為に、意外なモノを使って行う前処理の方法を紹介します。
恐らく成人女性であればほとんどの方が使ったことがあるはずです。
それは、クレンジングオイル。
メイク落としシートが応急処置に効果を発揮する、と紹介しているのでピンと来る方も多いかもしれません。実はメイクを落とす為のクレンジングオイルも油汚れに高い効果を発揮するアイテムなのです。
具体的な方法を紹介します。
【用意する物】
・クレンジングオイル
・使わなくなった歯ブラシ(シミ汚れの範囲が狭い場合は綿棒も可)
・汚れても良い布(キッチンペーパーで代用可)
汚れ
手順
1.シミ部分に汚れても良い布やキッチンペーパーをあてます
2.当て布をした逆側部分にクレンジングオイルを塗布します
3.歯ブラシや綿棒でトントンと叩きます。外側から内側へと叩きましょう。裏にあてた布へと汚れを移すようにして叩き、当て布に色が滲まなくなるまで繰り返します。
4.水洗いをしてシミが落ちていれば終了です。あとは普通に洗濯してしまいましょう。
前述した方法と同様で、使う物がクレンジングオイルに変わっただけです。
いくつか前処理方法を紹介しましたが、汚れの程度に合わせて使い分けてみると良いでしょう。
しっかりと前処理を行ってから洗濯をすれば、油の付いてしまった作業着もキレイにすることが出来ますよ。
まとめ
・油汚れは油溶性の汚れである。
・応急処置は大事。こすらない!メイク落としシートで叩くと良い。
・洗濯する場合は、前処理が非常に重要。
・軽度の汚れであれば、台所用洗剤で前処理。
・ひどい汚れは、酸素系漂白剤と重曹でしっかりと前処理を行ないましょう。
・クレンジングオイルを使った前処理方法もある。
一生懸命働いているお父さんに、油汚れを付けてこないで!とは言えないですよね。とはいえ、洗濯をする側からすれば非常に落としづらい汚れで憂鬱になるものです。
お父さんにメイク落としシートを持たせて応急処置をしてもらったり、しっかりと洗濯前に前処理を行ってから洗濯をすれば、作業着をキレイにすることが出来ますよ。
油汚れがついた衣服の洗濯で困っている場合は、是非試してみて下さいね。