インフルエンザやノロウィルスといった流行しやすい感染症や風邪などの病気は悪化すると嘔吐いてしまうことがあります。
特に小さな子どもは消化器官が未熟な為、ちょっとした病気でも嘔吐してしまうことがありますよね。
そんな嘔吐してしまったゲロ(嘔吐物)は感染の危険性もある為、「どのように処理したら清潔を保てるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ノロだかロタだかの娘のゲロをあびるなう。同じくノロだかロタだかの夫が助けてくれた。嘔吐物の処理に気をつけて、って、どうやって気を付けるんだ。うつるのだろうかーあたしにもー。辛そうだからヤダー!
— こいでん (@koideen) February 12, 2011
そこで今回は、そんな『ゲロ(嘔吐物)の正しい捨て方』をご紹介します。
目次
嘔吐物の正しい捨て方
①水分を紙で吸わせて「可燃ごみor生ごみ」として捨てる
ビニール袋や洗面器に嘔吐物を吐いてしまった場合は、そのまま袋に入れて捨ててしまうと袋が破けて液漏れしてしまう可能性があります。
そのため、新聞紙やトイレットペーパーで嘔吐物の水分を吸わせてから「可燃ごみ」として廃棄しましょう。
【用意するもの】
✔ 新聞紙、トイレットペーパー
✔ ビニール手袋
✔ マスク
✔ ビニールエプロン
✔ ビニール袋(2枚)
✔ ゴミ袋
✔ 塩素系漂白剤
手順
- 手袋とマスク、エプロンを装着します。
- 洗面器などの容器に嘔吐した場合は、新聞紙やトイレットペーパーを嘔吐物に被せます。
- 新聞紙を外側から内側に織り込むようにして嘔吐物ごと持ち上げてビニール袋に入れます。
- 嘔吐物が取れたら、洗面器の消毒を行いましょう。
(※水洗いして希釈した塩素系漂白剤につけて10分放置した後、水で流して乾かしましょう) - 手袋、エプロン、マスクを外して嘔吐物を入れたビニール袋に入れて口を縛ります。
- 嘔吐物を入れたビニール袋をさらにビニール袋に入れて、最後にゴミ袋に入れて廃棄します。
嘔吐物はごみの分別では、「可燃ゴミ」や「生ごみ」に分類されます。
しかし、液状のままビニール袋に入れて大量に捨ててしまうと、廃棄物処理法違反として逮捕されてしまうことがあります。
もちろん少量であれば逮捕されるということはありませんが、異臭や液漏れは自分だけでなく周囲の人も不快にさせてしまいますので、ビニール袋で厳重に保護して廃棄するようにしましょう。
また、ビニール袋に直接嘔吐した場合は、袋の中に新聞紙などを入れて水分を取ってから袋を二重にして捨てると良いでしょう。
②そのままトイレに流す方法
吐き気を催した場合多くの人はトイレに駆け込み便器に嘔吐してしまいます。
トイレに嘔吐すると水を流すだけで処理できるので楽だと思われがちですが、実はこれはあまり良い方法ではありません。
なぜなら・・・
- トイレを流すことで便器が綺麗になっても嘔吐物が配管や浄化槽にこびりついて異臭の原因になる
- 嘔吐物が大量であれば排水管に残ったトイレットペーパーと絡まってトイレが詰まってしまう可能性がある
そのため、トイレに嘔吐したり、洗面器などの容器に入った嘔吐物を流すのは止めておいた方が良いでしょう。
同じく、嘔吐物を吹いたトイレットペーパーやティッシュを大量にトイレに流すのもトイレが詰まる原因になるので行わないようしましょう。
もしも、トイレに嘔吐してしまった場合は、嘔吐物が配管や浄化槽に止まらないように何回もこまめに分けてトイレを流しましょう。
そして、感染症の疑いがある場合はトイレを洗浄、消毒することをオススメします。
トイレの洗浄は普段行う方法で行い、消毒は希釈した塩素系漂白剤をスプレーしながら便座や便器の周りを雑巾で拭いて乾かしましょう。
嘔吐物は「悪い菌まみれ」!消毒の重要性を知ろう
ノロウイルスやロタ、RSなど嘔吐を伴う感染症は、嘔吐物にも多くの病原菌が存在していてただ嘔吐物を処理して周辺を雑巾掛けするだけでは感染予防としては不十分です。
なぜならこれらの病原菌は、たとえ雑巾などで水拭きをしていても完全に取り去ることはできないからです。
そこで重要になってくるのが「消毒」です。
もちろん、嘔吐の原因はこれらの病気が原因でない場合もありますが、嘔吐の原因がはっきりしない場合は消毒をした方が後々の感染を防ぐことができます。
嘔吐物の処理の消毒では、通常ノロウイルスやロタウイルに強い次亜塩素酸ナトリウムの入った漂白剤を使用します。
次亜塩素酸ナトリウムはミルトンやブリーチ、ハイターといった塩素系漂白剤に多く含まれているので、これらを希釈して感染予防に使用しましょう。
こちらでは嘔吐物の処理の一連の流れをご紹介します。
簡単&清潔!!床に広がる嘔吐物の正しい処理手順
①嘔吐物の処理方法
まずは、嘔吐物の掃除を行います。
嘔吐物に直接触れないように注意して行いましょう。
道具を一纏めにして収納しておくと迅速に処理ができるので、日頃から用意しておきましょう。
【用意するもの】
✔ いらない布、ペーパータオル、新聞紙
✔ 口が大きめのバケツ
✔ ビニール手袋(3枚)
✔ マスク(2枚)
✔ ビニールエプロン(2枚)
✔ 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムが入っているもの)
✔ ビニール袋(2枚)
✔ ヘラ、ダンボール
✔ 雑巾
手順
- 処理を始める前に、感染予防としてビニールエプロン、ビニール手袋、マスクを着用しましょう。
※手袋は二枚重ねで着用することをオススメします - 嘔吐物が周囲に飛び散ったり、乾燥しないようにいらない布やペーパータオルを嘔吐物とその周囲に被せます。
- 水で希釈した塩素系漂白剤をスプレーで嘔吐物にかけます。
- 嘔吐物を被せた布で拭き取り、ビニール袋を広げたバケツに入れます。
※この時に嘔吐物が広がらないように外側から内側へ折り込むように拭き取ります - 嘔吐物がまだ床に残っている場合はヘラや片手で持てるサイズに切ったダンボールなどで嘔吐物を持ち上げて処理します。
- 二枚重ねで着用した手袋の外側の方を外して嘔吐物をいれたバケツに広げたビニール袋に入れます。
- バケツに広げたビニール袋に入れた嘔吐物に希釈した塩素系漂白剤をかけて消毒して、ビニール袋の口を縛ります。
塩素系漂白剤の希釈の目安は、以下の通りです。
- ミルトンを使う場合は「約10倍」
- ブリーチを使う場合は「約50倍」
- ハイターを使う場合は「約20倍」
スプレータイプのハイターの場合は希釈せずにそのまま使用しましょう。
②嘔吐物の処理後の床の消毒方法
床にウイルスが残ったままだと感染のリスクが上がりますのでしっかりと消毒を行いましょう。
消毒に使うものは、嘔吐物の掃除に使ったものをそのまま使用しましょう。
手順
- 嘔吐物があった周辺の床にいらない布やペーパータオルを敷きます。
- 床に敷いた布やペーパータオルに希釈した塩素系漂白剤をかけて10分放置します。
- 床の消毒をしている間に片方の手袋を脱いでバケツに広げたビニール袋に嘔吐物を入れた袋をいれます。この時にバケツに広げたビニール袋の外側を手袋をはめた手で触らないようにします。
- もう片方の手袋を脱いでエプロンとマスクを外し、バケツに広げたビニール袋に入れて口を縛り廃棄します。作業後には手を洗いましょう。
- 10分経ったら、サイドエプロンとマスク、手袋を着用して布やペーパータオルをビニール袋に入れます。
- 床を雑巾で水拭きします。
- エプロン、マスク、手袋を外してビニール袋に入れて口を縛って廃棄します。この時にも手を洗いましょう。
嘔吐した人がウイルス性胃腸炎の場合、嘔吐の勢いが激しいため広範囲に嘔吐物が広がっている可能性があります。
そのため、床はもちろんのこと壁などにも飛び散っていないかも確認しましょう。
また、塩素系漂白剤は床に付着したまま放置すると変色や劣化を招く可能性があるので、作業後は必ず水拭きをしましょう。
嘔吐物を処理するときの注意点
嘔吐物を処理する時にはいくつか注意点があります。
嘔吐物は室内にウイルスが蔓延してしまう可能性を招きますので、処理は注意して行いましょう。
注意点
- 早めの対応をする
嘔吐物は乾燥すると粉状になり空気中に漂い、人間の体内に入り込みます。
これが原因で病気が感染してしまうことがあるので、嘔吐物が乾燥する前に処理を終わらせましょう。
- 作業は換気をして行なう
塩素系漂白剤や嘔吐物の臭いは人によっては不快感を催します。
作業中に気分が悪くなってしまわないように作業前に窓を開けるなど、しっかりと換気をして行いましょう。
- 素手で作業を行わない
嘔吐物や嘔吐物に触れたものを素手で触ると感染の危険性が上がるだけでなく、ウイルスが付着した素手で他の場所を触ってしまうと感染源を増やしてしまうことになります。
そのため、作業は奏手袋をはめて行いましょう。
また、手袋の取り扱いにも注意しましょう。
- 作業後は手洗いうがいを行う
作業後は感染防止のために手洗いうがいを行いましょう。
まとめ
まとめ
✔ 嘔吐物は、紙類で嘔吐物の水分を吸わせてから「可燃ごみ」として廃棄するのが最もおすすめ。
✔ トイレに流すこともできるが、「悪臭や詰まりの原因」になるので、こまめに分けて流すと良い。
✔ ノロやロタが原因の嘔吐物の消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効。
✔ 嘔吐物の処理では感染予防が大切。作業前は換気を行ない、作業後は手洗いうがいは必ず行う。
✔ 嘔吐物は乾燥する前の早めの対応が大切である。