排水溝に少しくらいならと思って色々なものを流しているという方はいないでしょうか?
面倒だからと排水溝に何でも流してしまうと困ったことになります。
今回は、そんなことにならないように『排水溝に流してはいけないもの』をご紹介していきます!
目次
なんでも排水溝に流すとどうなる?
排水溝は何でも流していいものだと思っていたら大間違い。
最後に水を流しておけば、きれいになるからと考えていたら…排水溝の中は大変なことになっているかもです。
発生する可能性のあるトラブル!
・排水溝の配管部分は塩化ビニール樹脂でできており、62~72℃の熱いお湯が流れると軟化しはじめ、溶けてしまいます。配管部分かが変形したり破損したりしてしまうと、水漏れの原因にもなってしまいます。
・固形物を流してしまうと詰まりの原因や悪臭が発生します。
・下水処理場では処理されずに、川や海にそのまま流れ出す成分もあり環境汚染の原因にもなります。
このようなことになる前に、適切な処理をして排水溝に流すようにするか、処分しないといけないですね。
次は「排水溝に流してはいけない12選」を気になる処理方法と合わせて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
排水溝に流してはいけないもの12選
①油
【流してはいけない理由】
✔ ベトベトする油の成分により排水溝の下に続く配管部分にベットリとくっついてしまいます。後から流れてくるゴミを吸着して詰まりの原因にもなるのです。
✔ 油は冷えると固まる性質を持ち、付着した油は時間と共に酸化して配管を傷めてしまいます。
処理方法
- 油は新聞などに吸わせて袋に入れて可燃ゴミとして捨てるようにします。袋の代わりに牛乳パックに濡らした新聞やキッチンペーパーを入れて油を吸わせるのもおすすめします。
- 100均などでも売っている凝固剤を使用し、固まったら袋に入れて可燃ゴミとして捨てます。
※油は絶対に排水溝に直に流してはいけないものです!油については後でもう少しご説明します。
②熱湯
【流してはいけない理由】
✔ 熱湯をそのまま流すと、配管部分に使用されているパイプは62~72℃のお湯で軟化して溶けてしまうため、配管の変形や破損につながってしまいます。
処理方法
流すお湯が冷めてから流すか、大量に水を流して温度を下げながらお湯を流すようにします。
※排水溝に流す時に「ポコッ」と音がしたら熱いお湯により、排水溝が影響を受けている証拠です!
③小麦粉(片栗粉なども)
【流してはいけない理由】
✔ 小麦粉が持つグルテンにより、水に混ざるだけでねばねばしだして配管部分にへばり付き固まってしまいます。詰まりの原因です。
処理方法
キッチンペーパーなどでふきとり袋に入れて可燃ゴミとして捨てます。
④野菜の皮・くず
【流してはいけない理由】
✔ 排水溝に流すと詰まりの原因です。さらに、流れきらずたまってくると、悪臭の原因にもなります。
処理方法
三角コーナーなどで集めておき、生ゴミですので水気はしっかり切ってから袋に入れて可燃ゴミで出します。
⑤果物などに貼られているシール
【流してはいけない理由】
✔ 果物などに貼られているシールには耐水性があり、水には溶けません。途中で配管に貼り付いたり、たまっているゴミなどとくっついてしまいます。
処理方法
シールははがした時点でゴミ箱に捨てるようにします。
⑥コーヒーの粉
【流してはいけない理由】
✔ コーヒーの粉は水には溶けず、油も多少含まれているため、お互いがくっついて詰まりの原因になります。
処理方法
袋などに入れて可燃ゴミに捨てます。
※コーヒーの粉は紙ヤスリがわりになり、流すと排水溝や配管の掃除をしてくれるというような話があるようですが、そんなことは全くありません!
※コーヒーの粉は捨てる前によく乾燥させて、麻袋などにいれて自然の脱臭剤として再利用したり、肥料にしたりもできます。
⑦薬(消毒液・目薬・栄養ドリンク剤)
【流してはいけない理由】
✔ 錠剤などは流してしまうと、配管の中に残るゴミなどとくっついて詰まりの原因にもなります。
✔ 目薬や栄養ドリンク剤の成分には、下水処理場では処理できずにそのまま川や海に流されるものがあります。川や海ではその成分を含んだ魚が捕れ、最後は人間の口に入ってしまうのです。環境の原因にもなります。
処理方法
- 栄養ドリンク剤なら飲みほすのが1番ですが、もし残ってしまったら新聞紙などに含ませて可燃ゴミにします。目薬も同じです。
- 錠剤は袋に入れて可燃ゴミに出します。
- エアゾール剤は中身を使いきり、不燃ゴミに出します。
⑧髪の毛・ひげ
【流してはいけない理由】
✔ 特に洗面所やバスルームで見かける髪の毛やひげは、絡まって詰まりの元になります。
✔ 髪の毛にも油脂が含まれていますので配管にへばり付きます。
処理方法
- 髪の毛をとくときには下に新聞紙をしいておくなどして、排水溝に流れないようにしておくといいでしょう。
- 排水溝のゴミ溜め部分にネットを着けておくなどの方法で流れていかないようにし、たまった髪の毛は可燃ゴミに捨てます。
⑨酸類(塩素系の洗剤)
【流してはいけない理由】
✔ 塩素系洗剤は配管を傷めてしまいます。
✔ コンクリートの腐食をおこします。
処理方法
- 可燃ゴミとして捨てる時には、不要になった布や新聞紙に吸わせて袋に入れて捨てます。
- 排水溝に流すときには、原液のままではなく、薄めてから少しずつ流すようにします。
⑩ペンキやニス
【流してはいけない理由】
✔ ペンキやニスは排水溝に流すと配管にベットリとこびりついてしまい、詰まりの原因を作ってしまいます。
✔ 有害物質を含んでおり、水に流すと環境汚染です。
処理方法
- ペンキやニスは可燃ゴミとして捨てることができますが気をつける点があります。ペンキには水性と油性があり、油性だと引火性の物質が含まれているので布や新聞紙はあらかじめ濡らしておき、ペンキを吸わせるようにします。
- ペンキやニスを塗る時に使ったハケなどもよくふきとりした後に、ペイント薄め剤を水にといて洗い、続いて洗剤で洗います。この時に使用したペイント薄め剤や水も排水溝に流してはいけません。きちんと布や新聞紙に吸わせてから捨てるようにしてください。
⑪農薬
【流してはいけない理由】
✔ 下水処理場では水を浄化するのに、微生物の働きを利用しています。農薬を排水溝に流してしまうと、下水処理場に流れ込んだときに微生物が死んでしまいます。
✔ 環境汚染になります。
処理方法
使用する分だけを出すようにし、残ったら排水溝に流れ込まない場所に穴を掘り流します。
⑫貴金属(体温計の水銀、カドミウム)
【流してはいけない理由】
✔ 「イタイイタイ病」でも知られるように、人体に影響を及ぼす恐れもあり絶対に流してはいけません!
処理方法
処理方法は各自治体によって変わりますが、不燃ゴミに出すことになります。必ず新聞紙などに包み、危険物と分かるように表示しておくのが良いでしょう!
本当は流してはいけない!インスタントラーメンの汁
上記で排水溝に流してはいけないもので「油」をご紹介しました。
「油」って天ぷら油のことだけではなく、普段食べている「インスタントラーメン」の汁や、シーチキン、オリーブ漬けなどの油ももちろん入っています。
こちらのほうが流している頻度は多いのではないでしょうか?
特に「インスタントラーメンの汁」は油、塩分がかなり入っています。
そのまま排水溝には流さず・・・
- 新聞紙などに吸わせて処分する
- 片栗粉に含ませ固めて捨てる
などの方法をとるようにしていかないといけませんね!
もし排水溝が詰まってしまったら…
家庭で簡単にできる方法です。
【用意するもの】
✔ 重曹
✔ クエン酸水またはお酢
✔ ぬるま湯
手順
- 排水溝にたっぷりと重曹をまきます。
- 上からクエン酸水(お酢)を上からかけます。
- シュワシュワの泡が奥にまで落ちていくのを確認して一時間ほど放置します。
- 最後はぬるま湯を流して完了です。
これでまだ解消しないようなら、市販されている「パイプユニッシュ」などを利用してみてください。
普段から、大きなゴミは取り除き排水溝には負担をかけるものを流さないように心がけるのが一番ですね。
まとめ
まとめ
✔ 排水溝には流してはいけないものを12選ご紹介しました。
【油・熱湯・髪の毛・ひげ・コーヒーの粉・小麦粉・野菜クズ・シール・薬・酸類(塩素系洗剤)・ペンキやニス・農薬・貴金属(水銀、カドミウム)】
✔ 排水溝に流してはいけない理由は…
- 配管部分を溶かしたり、破損の恐れがあります。
- 詰まりの原因にもなります。
- 環境汚染の恐れもあります。
✔ 排水溝が詰まってしまった時には、重曹やクエン酸などの働きを利用してみて、それでも無理なら市販剤を利用してみると良いですね。
普段気づかず流していたものは、これをきっかけに気を付けていくように心がけたいものです。