野菜や山菜の下ごしらえをしていると、いつの間にか灰汁で手が真っ黒!
すぐに中性洗剤で手を洗っても全く落ちず、困った経験がある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
見た目が良くないので、人に会う場合や外出の予定がある時などにはできるだけ落としたいのが正直なところですよね。
今回はそんな手に付いた頑固な灰汁汚れを落とす方法をご紹介します
目次
灰汁の厄介な汚れ!成分や対策
灰汁には様々なものがありますが、主に食べ物に含まれる「苦味」「エグミ」「渋み」など、口に入れると不快になる味やにおい、色などが一般的に「灰汁」といわれています。
食物に含まれる灰汁の多くは主にアルカリやミネラルといった成分で「アルカリ性」の性質を持っているとされています。
つまり、『酸性の成分』によって中和すれば汚れが落ちやすいということです!
灰汁の成分が分かったところで、汚れの具体的な落とし方を紹介します。
手についた灰汁を取る方法
①酢を使って落とす
灰汁のアルカリ性の性質とお酢の酸性の性質を生かし、中和させることによって汚れを落とす方法です。
さらにお酢には「剥離・溶解作用」があり汚れを落としやすくする特性があります。
【用意する物】
・お酢 10㏄~20㏄
汚れ
手順
1.灰汁汚れの付いた手にお酢を垂らす。
2.お酢を良く手になじませるようにしてもみこむ。
3.流水でよくすすぐ。
この際に使用するお酢は、「調理酢」ではなく「食酢」や「穀物酢」の使用をお勧めします。
調理酢にはあらかじめ砂糖などの調味料が含まれていることが多く、汚れを落とす際の効果が弱まってしまう可能性があるためです。
難点は、お酢を直に使用するのでかなり酸っぱいにおいが部屋中に充満することです。
このお酢の臭いが気になるという方には「クエン酸」をお勧めします。
②クエン酸を使用して汚れを落とす
クエン酸も酢も食品に含まれている成分ですので、こちらの方法でも灰汁による汚れは落ちます。
【用意する物】
・クエン酸 大さじ3~4
・手が浸かるほどの深さのある容器
・お水 手が浸かるくらいの量
汚れ
手順
1.容器に手が浸かるくらいのお水を入れる
2.クエン酸を大さじ3~4入れる
3.良く混ぜる
4.クエン酸の入った水に手を入れ水の中で手をこすり合わせ良く洗う
5.手を水から出し、流水でよくすすぐ
販売されているクエン酸も様々で粉末タイプやスプレータイプ・ウエットシートなどがありますが、汚れの付き具合に合わせて濃度を調節し使用できるので今回は「粉末タイプ」を使用してください。
手に付いた灰汁汚れを落とす際は、少し濃い濃度で行っていただいた方がより効果を得ることが出来ます。
③重曹を使う
山菜などのあく抜きの際にも使用される「重曹」を使用して灰汁を落とします。
【用意する物】
・重曹 大さじ2~4
・お水 大さじ1~2
汚れ
手順
1.重曹にお水を1対1の配合で混ぜる
2.ペースト状になったら、汚れが気になるところをこするようにこすり洗いする
3.重曹を流水で良く流す
4.こすり洗いを何度か繰り返す
重曹は粒子が細かいので手のしわの細かい隙間にも入り込み汚れを落とすことが出来ますので、指先の灰汁汚れや爪の間の灰汁汚れなどにお勧めです。
注意点としては、アルカリ性なので、肌の弱い方には手荒れを起こしてしまう場合がるためあまり向かないかもしれません。
また、同じ研磨作用がある研磨剤をしようして落とす方法は、研磨剤の粒子が重曹とは異なり大きい場合が多いので細部までの汚れはなかなか落ちないことが多いですし、肌をかなり傷つけてしまう場合があるので控えた方がよさそうです。
上記3つの方法は、食品にも含まれている成分を使用しているので比較的手にも優しく安全に試していただくことが出来ます。
ただ、かなりスッキリと綺麗になるというほどの洗浄力はなく、多少なりとも残ってしまう場合もあります。
どうしても綺麗に落としたい場合は「ネイルリムーバー」がおすすめ!
マニキュアなども簡単に落としてくれるネイルリムーバーで落とす方法です。
爪にも使用するものなので、手肌に使用しても人体に影響があることはありません。
しかし、ネイルリムーバーに含まれている成分は、本来肌に必要な油分も根こそぎ落としてしまうので、使用すると手荒れが起こる可能性が高いです。
ネイルリムーバーを使用して汚れを落とした場合は、使用後流水で良くすすぎ、汚れと一緒に落ちてしまった油分を取り戻すためにも保湿などをしてしっかりリカバリーすることをお勧めします。
【用意する物】
・ネイルリムーバー
・コットン
汚れ
手順
1.ネイルリムーバーをコットンに含ませる
2.手の気になる部分をコットンでふき取る
3.汚れが落ちたら流水で良くすすぎ、手の保湿をする
灰汁汚れの様々な落とし方をご紹介しましたが落とすことが大変な灰汁汚れなので、できることなら灰汁をつけないように下ごしらえしたいものですよね。
次にできるだけ手に灰汁をつけないためにできる対策をご紹介します。
手に灰汁をつけないためにできる対策
①ビニール手袋をつけて作業をする
この方法であれば、灰汁が手に付くことは無く作業することが出来ます。
しかし、慣れるまでは手が滑ったり手先が良く見えなかったり、なかなかうまくいかないこともあるのが難点ですよね。
そこでお勧めなのは、掃除の際に使用するようなビニール手袋ではなく「ラテックスタイプ」といわれる同じゴム製の手にフィットするタイプのものを選んでください。
最近では100円ショップなどでも購入することが出来ます。このタイプであれば、薄手で指先まで良く見え、比較的滑りづらいのでお勧めです。
②山菜などはあらかじめ下ゆでをし、灰汁を抜いてから下ごしらえをする
特に灰汁の強い「フキ」は生の状態で繊維を取っている方もいらっしゃるかと思います。
生の状態だと灰汁も強くもちろん手にも灰汁がつきます。
しかし、フキをあらかじめ下ゆでし、冷ましてから繊維を取ることにより驚くほどに手に灰汁が付かなくなります。
③お酢を手に付けながら行う
下ゆでできない野菜などを使用する場合には、手にお酢をつけてから作業を行う方法です。
最初にご紹介した灰汁を落とす方法の中でもお酢を紹介しましたが、あらかじめその洗浄成分を汚れが付く前に手に付けておくことにより、手がコーティングされた時と同じ状態になるため、汚れが付きづらくなります。
お酢は調理中の水気などにより落ちやすいので作業の合間でつけ直しながら作業をするとより効果的なのでお勧めです。
まとめ
✔ 手に付いた灰汁を取るにはお酢やクエン酸を使用してみる。
✔ 手のしわに入ってしまった灰汁汚れは重曹をペースト状にしてこすり洗い。
✔ どうしてもの場合にはネイルリムーバーを使用する。
いかがでしたでしょうか?
最近ではゴボウの灰汁に「抗酸化作用」があるポリフェノールが含まれていることが分かり、あく抜きせずにそのまま使用する方がより栄養価が高いということが紹介されています。
季節の山菜は、他の野菜と比べても灰汁が強く、灰汁抜きをせずに多く摂取してしまうと人体に影響があるものまでさまざまですが、旬のものを食べることにより季節を感じることが出来ますし、体も元気になるので、うまく食事に取り入れたいですよね。
灰汁汚れが気になって調理をためらっていた方も、今回の方法をお試しいただき、汚れを気にせずに調理していただけたらと思います。