「自宅のガレージや庭のコンクリートに、灯油をこぼしてしまった!」
「ある日、ふとコンクリート部分にこぼれた灯油がシミになっているのを発見してしまった!」
なんて経験はないでしょうか?ということが
冬の時期は頻繁に自宅に灯油タンクを運んだり、給油をしてうっかり灯油をこぼしてしまいがちです。
灯油入れたのは良いけど玄関にこぼした💦😭 pic.twitter.com/9Lz9pzhyxd
— なかちゃん (@d2WbbO74Mivypx7) April 8, 2017
【悲報】灯油こぼした【大惨事】 pic.twitter.com/kMpd4gdKdq
— syunsuke (@syunsuke610) December 15, 2015
臭いはあるし、燃えやすい灯油だし、コンクリートにこぼすとどう処理したらいいの?と不安になりますよね。
そこで今回は、『コンクリートにこぼした灯油シミの取り方』についてご紹介していきます。
目次
灯油とコンクリートの成分と灯油シミをとるためのポイント
石油ストーブや石油ファンヒーターに使われる灯油。
灯油の成分は、「ケロシン」と呼ばれる、原油から精製された石油になります。
灯油の引火点は40~60度、沸点は160~300度。常温でも保存しやすく、不溶性で強い臭いがあるのが特徴です。
一方、コンクリートは、砂や砂利、水などをセメントで固めて作られています。
(※セメントは、水や液剤で水和し硬化する粉のこと)
コンクリートは製造過程で、水酸化カルシウムが生成。この水酸化カルシウムは強アルカリ性のため、コンクリートもアルカリ性です。
灯油は揮発性が高いので、灯油をこぼしても時間が経つと蒸発し、臭いもなくなっていくのですが、コンクリートの場合は、その性質上、細かな粒子に染み込み、シミになってしまうことがあります。
灯油をコンクリートにこぼしてしまったら、放置せずにすぐにふき取るようにしましょう。
コンクリートに灯油をこぼしてしまった時の対処法
灯油をコンクリートにこぼしてしまったら、放置せずにすぐに灯油を拭き取ることがポイントです。
ここでは、灯油をこぼした直後の対処法をご紹介します。
①新聞紙や雑巾などで拭きとる方法
コンクリートに灯油をこぼした直後や、まだ揮発していない灯油がコンクリートに残っているという場合は、新聞紙やいらない雑巾、ボロ布などで灯油を拭きとります。
【用意するもの】
✔ 新聞紙またはいらない雑巾・ボロ布数枚
✔ ゴム手袋
✔ ゴミ袋
手順
- ゴム手袋をはめ、ゴミ袋を開いて用意しておく。
- 新聞紙またはいらない雑巾・ボロ布を、コンクリートにこぼした灯油シミにしばらくあてて、灯油を吸い取る。
- 灯油が吸い取れたら、ゴミ袋に新聞紙または雑巾・ボロ布を捨てる。
- 吸いとれるまで1~3を繰り返す。
②重曹で拭きとる方法
新聞紙などで灯油をふきとったものの、まだコンクリートの上が灯油で湿っている(水分を含んでいる)…!?という場合は、重曹を使って拭きとる方法もあります。
重曹は消臭作用もあるので、灯油の臭いを抑える効果も期待できます。
【用意するもの】
✔ 重曹
✔ ほうき、ちり取り
✔ ゴミ袋
手順
- 重曹を、コンクリートにこぼした灯油シミの部分に隠れるくらいに撒く。
- 5分ほどおいたら、ほうきとちり取りで重曹を片付ける。
(※ゴミ袋を用意しておくと便利です)
重曹がなければ小麦粉でもOKです。重曹や小麦粉の粒子にしっかり灯油を吸わせます。
コンクリートにこぼした灯油シミの取り方
コンクリートにこぼした灯油は拭き取れた(または揮発してなくなった)けど、灯油がコンクリートに染み込んで、シミになってしまうことがあります。
ここでは、コンクリートにこぼした灯油シミの取り方をご紹介していきます。
①台所用洗剤+水で拭き取る方法
コンクリートにこぼした灯油を吸い取ったら、しみが残ってしまわないように台所用洗剤と水で洗い流します。
【用意するもの】
✔ 台所用中性洗剤
✔ 雑巾数枚
✔ ゴミ袋
✔ ゴム手袋
手順
- ゴム手袋をはめ、雑巾(1枚)に、台所用中性洗剤をつける。
- コンクリートにこぼした灯油のシミ部分に、台所用中性洗剤をつけた雑巾を、泡立てるようにしてやさしくこすり、油を浮かせる。
- 5分ほど放置し、濡れ雑巾で、泡立てたシミ部分を拭き取る。
- まだシミが残っていたら、1~3を繰り返す。
- シミが取れたら、濡れ雑巾でしっかりとシミ部分を拭き取る。
灯油は不溶性なので、台所用中性洗剤で灯油を表面に浮かせて、こまめに拭き取ることを繰り返します。
ここでは、中性洗剤を使用しましたが、アルカリ性のコンクリートに洗剤が残ってしまうと、時間が経った時に化学変化を起こして変色する可能性があるので、しっかりと水拭きしましょう。
それでも、灯油シミが落ちない場合は次のステップに進みます。
②アルカリ性洗剤で洗う方法
丁寧に洗剤であらったけれどもコンクリートの灯油のシミが落ちない!
コンクリートに灯油をこぼしてから、だいぶ時間が経ってしまって、頑固なシミになってしまった!
という場合には、アルカリ性の洗剤や専用のクリーナーで洗浄する方法があります。
【用意するもの】
✔ アルカリ性洗剤
✔ たわしまたはデッキブラシ
✔ 水
✔ 雑巾
✔ ゴム手袋
手順
- ゴム手袋をはめ、コンクリートにこぼした灯油のシミ部分にアルカリ性洗剤をかける。
- 5~10分放置する。
- たわしまたはデッキブラシでこする。
- 水で洗剤をよく洗い流し、最後に雑巾で拭く。
アルカリ性洗剤は、マジックリンなど家にあるものでOKです。
【おすすめの洗剤】
〇花王 マジックリン キッチン用洗剤 ハンディ用スプレー(400ml)
スプレータイプは、泡のまま洗剤が出るのでシミに直接かけることができて便利です。
〇アサヒペン アスファルト・コンクリート用クリーナー
アルカリ性のコンクリート専用のクリーナーです。油汚れなど、ありとあらゆる汚れに効き、1つあると便利です。
コンクリートにこぼした灯油シミを取る時に気をつけたいこと&注意点
コンクリートにこぼした灯油シミを取る時に気をつけたいことは・・・
- 十分に換気する
- ゴム手袋をはめて作業する
ことです。
灯油は強い臭いがするため、作業をしていて気分が悪くなる恐れがあります。
ガレージなどでしたら、シャッターやドア、窓を開けてできる限り換気して作業を行ってください。
また、灯油は手につくと、かなり臭いが気になりますし、シミ取り中は洗剤を使うため手指が荒れる可能性もあります。
臭い移り・手荒れを防ぐためにも、作業をする前に、必ずゴム手袋をはめて行いましょう。
※万が一、手に灯油の臭いがついてしまった場合は、台所用の油を少量手にもみ込み、ハンドソープで洗うと臭いが取れます。
そして、灯油シミを取る時の注意点は、酸性の洗剤の使用はなるべく避けることです。
コンクリートはアルカリ性なので、中和される形でシミ取りには向いているように思われますが、残った洗剤で化学変化を起こし、変色する可能性が高くなります。
マイルドに中和される中性洗剤か、同じ性質をもつアルカリ性洗剤で洗浄してみてください。
まとめ
まとめ
✔ 灯油の特徴は、揮発性が高く、強い臭いがあり、不溶性である。
✔ コンクリートの成分は、砂や砂利、水などをセメントで固めて作られたもので、アルカリ性である。
✔ コンクリートに灯油をこぼしたら、まずは新聞紙、重曹などでしっかり灯油を拭き取る。
✔ コンクリートの灯油シミは、泡立てた中性洗剤で灯油を浮かせて汚れをとると良い。
✔ 中性洗剤を試してもシミが取れなかった場合は、アルカリ性洗剤やコンクリート専用クリーナーなどでシミ取りをすると良い。
✔ 洗剤で灯油のシミ取りをした際は、洗剤を残さないようにしっかり水洗い・水拭きする。
✔ 化学変化を起こして新たなシミができる可能性があるため、コンクリートの灯油のシミ取りに酸性洗剤は使用しない。
✔ 灯油のシミ取りをするときは、換気をし、ゴム手袋を着用する。