
寒くなってくると、スーパーやご近所の軒先などでも見かけるようになる「干し柿」。
干すことにより生の柿とは食感や風味も変化し、多くの方に好まれている食品ですね。
近年では、野菜や果物を天日干しすることにより食感が変化し食べやすくなり、また食品によっては栄養価が上がることが知られ、手軽にできることからご自身でやられる方も増えてきています。
干し柿も、自宅で手作りするのを毎年楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?ですが、自宅で干し柿を作る際に多くの方が悩まれるのが「コバエ」。
美味しい干し柿を食べることを楽しみに、日々様子を確認していると、どこからともなくやってきます。
せっかく手間暇をかけて干しているのに、コバエが止まっているとがっかりしてしまいますよね。
食べるものなので衛生面が気になるという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は干し柿を作る際に寄って来る「コバエ」の効果的な対策や除去方法についてご紹介します。
目次
みんな大好き『干し柿』!
まずは干し柿を知り、コバエが寄ってくる原因があるか確認してみましょう。
寒い季節になると良く見かけるようになる干し柿。天日に干すことにより・・・
・渋み成分が抜け糖分が増す
・ビタミンAが増える
・ミネラル成分がアップする
などの効果があります。
また、食感が柔らかくなり、違い消化が早く、生の柿とは違い体を温める効果があるなどと言われています。
食物繊維も豊富で、干し柿1つで1日に必要とされる食物繊維が補えるとも言われています。
逆に干すことにより失われる栄養素もあります。
実は干し柿は、生の柿と比べ「ビタミンC」が大幅に減ると言われています。ビタミンCを摂取する目的があるのであれば、生の柿を食べる方が良いとされています。
しかし、干すことにより甘くなり栄養素も増しさらに長期保存も可能になるので寒い冬にはお勧めですね。
そんな干し柿の天敵『ショウジョウバエ』
(キイロショウジョウバエの成虫 出典:Wikipedia)
次に干し柿に寄ってくる「コバエ」の習性を確認してみましょう。
一般的に干し柿に寄ってくる「コバエ」は「ショウジョウバエ」が多くみられます。
この「ショウジョウバエ」にもいくつかの種類があるのですが、今回は一般的に「ショウジョウバエ」といわれるハエの特性を紹介します。
ショウジョウバエについて
・大きさは約2㎜ほど。
・樹液や発酵した果物、食品などの腐敗臭に寄ってくる性質がある。
・人間が住んでいるところであればどこにでも生息し、繁殖する。
・外気温が温かくなる4月~10月ごろまで活動が活発とされ、8月や9月の猛暑の時期や外気温が10℃以下になると活動能力が低下する。
・一部の種類においては紫外線(ブラックライト)に引き寄せられる習性がある。
これらのコバエの習性から・・・
・柿もともとの甘いにおいや干すことによる発酵臭
・カビなどが発生したことによる腐敗臭
に寄ってくると考えられます。
しかし干し柿を作るに当たり、どうしても避けられないですよね。
そこでコバエがたからないような効果的な対策や除去方法をご紹介します
【干し柿のコバエ対策】作る際に簡単にできる予防法
まずは費用をかけずに干し柿を作る際にちょっとしたひと手間で予防できる方法をご紹介
します。
①小さめの柿を選ぶ
大きい物は乾燥に時間がかかり、果汁が垂れやすいです。
乾燥に時間がかかるとより多くの時間屋外に干す必要があります。そのためコバエに接触してしまう機会も多くなります。
少し小さめの柿を使用することにより、乾燥時間を短縮することができコバエの接触も短い時間で済みます。
②果汁が垂れにくい工夫をする
生柿の皮を全部綺麗に剥いてしまうと乾燥の際に果汁が下に垂れ、垂れた果汁が発酵しコバエが好む臭いを発生させてしまいます。
柿の皮をすべては剥かず、底の皮を残すことで果汁が垂れにくくなる効果があり、ハエの誘因率を下げることができます。
③寒くなってから作り始める
まだ暖かいころから始めるとコバエも多く、また乾きづらい為カビなどの発生や腐敗臭の発生につながるのでコバエが寄りやすくなってしまいます。
コバエの習性を生かして、外気温が10℃以下になるころを見計らい干し柿作成を開始することがおすすめです。
費用が掛からない方法は、ある程度コバエを寄せ付けない効果はありますが、やはり接触してしまう可能性があります。
次に費用は掛かりますが、コバエやそのほかの虫対策もできる効果的な虫除けをご紹介します。
④虫除けネット
干し柿に虫除けネットを張ることにより、コバエや虫が直接干し柿に触れることはありません。
最近では100円ショップなどでも販売していることもあります。乾燥もしっかりできるうえ、干し柿だけではなくほかの食品を干す際などにも利用できお勧めです。
干し柿をネットの中に置くタイプや、吊るした柿にかけるタイプなど様々なものが販売されています。
しかし、網目が粗い物も多いので網目をかいくぐりコバエが侵入してしまう可能性もあります。使用する際は「網目の大きさ」に注意しましょう。
⑤ハエトリリボンを吊るす
ホームセンターなどで販売しているハエトリネットを干し柿の近くに一緒に吊るす方法です。
原始的な方法ですが、干し柿の近くに来たコバエや虫をとらえます。虫除けネットと併用して使用することにより、より高い効果が考えられます。
⑥紫外線誘因駆除器を設置する
費用は掛かりますが、コバエの習性から紫外線(ブラックライト)に引き寄せられるとされているので、専用の誘因駆除器を干し柿の付近に設置することにより干し柿にたかるコバエを少しでも減らすことが出来ます。
夏の夜など、コンビニの入口などに設置されていますよね。
まとめ
・コバエがいなくなる外気温が10℃を下回る季節になったら作り始める。
・干し柿の柿は小さめの柿を選ぶ。
・柿の皮はすべて剥かず、底の部分を少し残す。
・干し柿専用のネットを使用し、コバエが来ても柿に直接触れないようにする。
・干し柿の近くにハエトリリボンを設置して少しでも駆除し柿に付かないようにする。
・費用はかかるが、専用の誘因駆除器を設置する。
いかがでしたでしょうか?
コバエは自然界にいるものなので100%駆除することは難しいです。
また、手軽に使える殺虫剤を使用しても屋外なのですぐに逃げてはまたやってきての繰り返しで、イタチごっこになってしまうだけ。
食べ物なので殺虫剤がかかってしまった際にはコバエがたかるよりもかえって害になってしまうこともあります。
しかし、作る際にちょっとした工夫をすることで、何もせずに作る時よりもコバエを寄せ付けてしまう原因を少なくすることでき、さらに専用のネットと併用することでそのまま干すよりコバエがたかることを格段に防ぐことが出来ます。
また、100円ショップなどで売っているドラム型の洗濯用ネットを活用して即席の防虫ネットを作ることもできます。
専用のネットではありませんが、少しの量やまずは試しで干し柿つくりにチャレンジされたい方には手軽でお勧めです。
ネットなどを使用しても、どうしてもコバエが気になる場合は室内で干し柿を作ることもできます。
この方法であればコバエがつく心配がないので気になる方は室内で作ることも一つの方法かもしれません。
甘くて栄養素も多く含まれる食品なので、ぜひご自宅などでも手作りされてみてはいかがでしょうか?