
6年間の小学生時代を共に過ごすランドセル。
長期間使用するものですので、丈夫な素材と作りになっています。
それに加えて近年は様々なブランドから多様なランドセルが発売され、その分価格も高額になっている傾向にあります。
決して安い買い物ではないのですが・・・
お子様が小さいうちは、いたずらでランドセルにお絵かきをしてしまったり、誤って油性ペンがついてしまったりという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
娘のランドセルに妹が油性ペンで落書き(゜ロ゜;しかも取れない(;o;) pic.twitter.com/joJkH3y2
— erika tanaka (@erika_tanaka) April 8, 2012
そこで今回は、『ランドセルについた油性ペンの消し方』や注意点等をランドセルの素材別にご紹介していきます。
目次
まずはランドセルの素材を確認しよう!
そもそも一口にランドセルといっても、実は使われている素材はいくつかあります。
素材によっても対処法が異なりますので、まずは素材について見ていきましょう。
ランドセルの素材
- 人工皮革
よく耳にする「クラリーノ」は人工皮革の一種で、こちらは合成皮革とは異なり、傷がついてもそれ以上広がりにくいという特徴を持っている丈夫な素材です。
- 牛革
耐久性に優れており、人工皮革と比べると高級感があり、経年変化が美しく、使うごとに体に馴染んでくるという特徴があります。
その分、人工皮革より高価格で、7万円以上するものがほとんどです。
- コードバン
コードバンはあまり聞き慣れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
コードバンも天然皮革とひとつで、馬のお尻の部分の皮をなめして作られた高級皮革です。
馬1頭からランドセルの蓋が二つ分しかできないという希少性の高さが特徴で、牛革よりも高価な素材になっています。
・・・このように、どの素材でも最低数万円の価値があるランドセル。
ついた汚れはできる限り落としたいですよね。以下にその方法などを解説していきます。
ランドセルについた汚れを落とす際に確認したい点
これは油性ペンの汚れに限らずですが、汚れを落とす際にはまず説明書や保証書などの書類を確認していただくことをおすすめします。
説明書にはその製品に応じたお手入れ方法や、推奨しないお手入れ方法が記載されていることもありますので、事前の確認は大切です。
また、保証書で汚れに対する補償の内容などが記載されていることもあります。
汚れの範囲が広い場合などは無理に自宅で対処せず、有償での修繕依頼をすることも検討するほうがベターでしょう。
これから解説する汚れ落としは、あくまで自宅でできる簡易な対処になりますので、まずは小さな範囲でテストをしてみてから実施してくださいね。
油性ペンでの汚れの特徴
油性ペンによる汚れを落とす方法を知るために、油性ペンの特徴を押さえておきましょう。
油性のものは油と親和性が高いのが特徴で、つまり油性ペンは油に溶けやすいということです。
この点を踏まえて、以下で対処法を解説していきます。
ランドセルについた油性ペンの消し方【天然皮革の場合】
革製品についた汚れは早期発見・早期の対処が大切になりますが、天然皮革はとても繊細な素材なので、人工皮革などと同様の対処では変色したり変質してしまったりする可能性が高いです。
ですからご自宅で対処するのであれば、皮革専用のクリーナーを使用する方法が最も安心です。
高価なランドセルや、他に革製品をお持ちでしたらお一つ用意しておくと安心ですね。
使用方法は各クリーナーを参照ください。
ちなみに、ランドセル製造の老舗である土屋鞄製造所が取り扱っている皮革用クリーナーを使用すると、ついた直後の油性ペンの汚れは・・・・
- 牛革・コードバン:ほとんど落とせる
- 人工皮革:かすかに残るがだいたい落とせる
また、革製品用のクリーナーの中には、人工皮革には対応していないものもあります。
使用すると表面が剥げてしまうこともありますので説明書をご確認の上、ご使用くださいね!
ランドセルについた油性ペンの消し方【人工皮革の場合】
人工皮革は天然皮革と比較すると丈夫というのがメリットがありますが、油性ペンの汚れは頑固で落ちにくいのも事実です。
さらに時間が経つと革にインクが染み込んでさらに落としにくくなりますので、できるだけ素早く対処するのが大切です!
以下に、ご自宅にあるものを使用した油性ペンを落とす方法をいくつか解説しますので、参考にしてみてくださいね。
①中性洗剤を使用する方法
多くのご家庭には食器用洗剤や洗濯洗剤などの中性洗剤があると思います。
この中性洗剤に含まれる界面活性剤が汚れに浸透し、乳化させ、分解させるので、軽い汚れやついてすぐの汚れに対して万能に活躍してくれます!
【用意するもの】
✔ 中性洗剤
✔ 布
手順
- 水で薄めた中性洗剤をつけた布で汚れを拭き取ります。
- 硬く絞った布で水拭きします。
②油で落とす方法
先ほどご説明しましたが、油性ペンの汚れは油と親和性が高い特徴があります。
つまり、油性ペンの文字は油に溶けるということです。
お家にあるサラダ油・オリーブオイルなどでも簡単に落とすことができますので、おすすめの方法になります。
【用意するもの】
✔ サラダ油などの油分
✔ 布やティッシュなど油分を拭き取れるもの
手順
- 油を落書きの部分に塗ります。
- ティッシュなどで拭き取ります。
- インクが消えるまで複数回①・②を繰り返します。
③エタノールを使用する方法
「え、エタノールで油性インクが落ちるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は油性インクにはアルコール分が使用されているのです。
そのため、先ほどの油を使用する方法と同じ理由で、油性ペンの汚れが落としやすくなるのです。
【用意するもの】
✔ エタノール
✔ ティッシュや布などの拭き取れるもの
手順
- エタノールをティッシュに染み込ませ、汚れた部分を優しく拭き取ります。
- 汚れが落ちるまで①を繰り返します。
④タバコの灰を使用して落とす
こちらも、意外性のある落とし方かと思います。
汚れが落ちる理由としては、
- 灰の細かな粒子が研磨剤の代わりになるという
- 灰に含まれる炭酸カリウムという成分がインクの汚れを落とす
・・という点が考えられています。
【用意するもの】
✔ タバコの灰(タバコがなければお線香や新聞紙の灰でも可能)
✔ 布
手順
- 布を水で湿らせます。
- 灰を布につけて汚れた部分をこすりましょう。
ランドセルについた油性ペンを落とす際の注意点
ここまで、人工・天然皮革製のランドセルについてしまった油性ペンの落とし方について解説してきました。
ここまで読んでくださった方の中には「シンナーやベンジンなどは使っちゃいけないの?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
シンナーやベンジンといえば油性の汚れを落とすのによく使用されますが、革製品に使用するのは厳禁なのです。
革はとても繊細な素材なので、成分の強い有機溶剤と反応して変質してしまったり、色落ちしてしまったりする可能性が非常に高いのです。
時間の経過した汚れなどは、特に汚れが落ちにくいので有機溶剤を使用したくなってしまうかもしれません。
しかし、変色すると2度と元に戻りませんので、その際は無理せず、ランドセルの製造元や、専門のクリーニング店に修理を依頼されることをおすすめします。
まとめ
まとめ
✔ ランドセルには人工皮革と、牛革やコードバンといった天然皮革がある。
✔ ついた汚れは、革に染み込まないうちに出来る限り素早く対処する必要がある。
✔ 油性ペンの汚れを落とす際には、天然皮革では革製品専用のクリーナーを、人工皮革では中性洗剤や油、エタノール、灰を使用する方法がある。
✔ 革製品には、シンナーやベンジンなどを使用すると変質・退色の恐れがあるので、使用は厳禁。