マンションやアパートに住んでいる場合、階下への騒音防止のためカーペットを敷いている人も多いのではないでしょうか?
カーペットをそのまま敷いても良いですが、ずれてしまうのが心配でカーペット用接着剤を使う人もいると思います。
しかし、いざ剥がそうと思ったときに「床に接着剤が残ってしまって困った!」なんてこともあります。
そこで今回は、そんな困ったときに役立つ『カーペット用の接着剤をキレイに剥がす方法』をご紹介します。
特に賃貸の場合、跡が残るのは困ると思うので参考にしてみてくださいね。
目次
カーペット用接着剤の剥がし方
カーペット用の接着剤には種類があり、それによって剥がし方や使うものが少し異なります。
正しい剥がし方をしないと床も傷つきますし、後処理が大変になりますので注意しながら作業を行いましょう。
①水性接着剤の剥がし方
水性接着剤は溶剤に水を使っている接着剤で、エルマジョンの形、もしくは水に溶解させた形のものが多いです。
一番分かりやすいのが木工ボンドで、塗る前は乳白色をしていますが塗ったあと硬化すると透明になります。弾力があるので、塗ったあとカッターやハサミで切っても刃を傷めないのが特徴です。
溶剤が水なので、水に溶けやすい性質を持っています。
【用意するもの】
✔ お湯
✔ 灯油、ベンジン
✔ 雑巾や古布
✔ 軍手
手順
- 沸騰させたお湯を用意します。
- 剥がしたいところにお湯をかけ、しばらく浸します。濡れては困るようなものは避けておきましょう。また、熱いので火傷には気を付けてください。
- 数分おいてゆるませたらゆっくり剥がしていきます。
- お湯で剥がせない場合は、灯油またはベンジンに浸した雑巾でよく拭き取ります。
※そのままだと手が荒れてしまうので、軍手などをしてから作業しましょう。
②ゴム系接着剤の剥がし方
ゴム系接着剤は天然ゴム、クロロプレンゴムなどを主な成分とする接着剤です。
木材、金属、プラスチックなど色々な素材に使うことができます。ゴム系の接着剤は淡褐色で粘り気があるのが特徴です。
【用意するもの】
✔ 軍手
✔ マスク
✔ ラッカーシンナー、トルエン
✔ 雑巾や古布
✔ ナイフ、サンドペーパー
手順
- 軍手、マスクをして、雑巾や古布にシンナーまたはトルエンを含ませます。
- 剥がしたいところを(1)の雑巾でよく拭き取ります。
- 取れにくいところはパックするように雑巾や古布をのせて数分おき、浸透させてから再度拭き取りましょう。
- それでも取れないようなら、ナイフやサンドペーパーなどを使って取り除きます。
③瞬間接着剤の剥がし方
接着剤というと、アロンアルファやセメダインといった、瞬間接着剤をおもいうかべるひとも多いでしょう。
これらはシアノ系と言われる接着剤で、有機化合物を主な成分とする接着剤です。プラスチックやゴム、木材などに使え、液体タイプ、ゼリータイプなどがあります。
【用意するもの】
✔ お湯
✔ ラッカーシンナー、トルエン
✔ 雑巾や古布
✔ 軍手
✔ ナイフ、サンドペーパー
手順
- 剥がしたいところにお湯をかけて、ゆるませて剥がします。念のため軍手をした方が良いでしょう。
- もし剥がせないなら、軍手とマスクをして雑巾や古布にシンナーまたはトルエンを含ませます。
- 剥がしたいところを(2)の雑巾でよく拭き取ります。
- 取れにくいところはパックするように雑巾や古布をのせて数分おき、浸透させてから再度拭き取りましょう。
- それでも取れないようなら、ナイフやサンドペーパーなどを使って取り除きます。
④弾性接着剤の剥がし方
ウレタン樹脂系、シリコーン系樹脂の接着剤です。
硬化すると弾力性のあるゴム状になり、耐水性・耐熱性があります。硬化後、接着面を触ってみると弾力があるのが分かります。
【用意するもの】
✔ 軍手
✔ カッター
✔ 塗料うすめ液
✔ 雑巾や古布
手順
- 軍手をしたら、まず剥がしたい部分をカッターで削り落とします。床やカーペットを傷つけないよう気を付けてください。
- ある程度削り落とせたら、市販の塗料うすめ液で擦り落とせばOKです。
⑤ピールアップ接着剤の剥がし方
ピールアップとは床一面に塗るだけで粘着力が半永久的に続く貼り替え専用の床用接着剤(ボンド)です。
フローリングのほか、クッションフロアやフロアタイルなどにも使えるので汎用性の高い接着剤です。
【用意するもの】
✔ 軍手
✔ お湯(水でもOK)
✔ 剥離剤
✔ スポンジ
✔ 雑巾や古布
手順
- 軍手をしたら、ピールアップ専用の剥離剤を塗ってしばらく時間をおきます。
- その後雑巾や古布で拭き取り、スポンジをお湯もしくは水に浸し、絞らずに磨きます。汚れた水は拭き取ってください。
- 再度スポンジに水を含ませ、同じように磨いていきます。
- 最後に乾いた雑巾や古布で磨き上げればOKです。
作業を行う際の注意点
接着剤は固まってしまうと取るのが難しいですが、種類に合わせて剥がし方を変えるとうまくいく場合があります。
ですが、作業を行う際には注意点もいくつかあります。
①換気をする
まず、溶剤に水以外を使っている接着剤の場合、剥がすときにも溶剤が必要となります。
もちろん、水性接着剤でも強力なものはベンジンや灯油などが必要になるので、作業する前には必ず換気扇を回したり、窓を開けるなど換気を十分にしましょう。
特に冬場は寒いので窓やドアを締め切った中で作業する人もいると思いますが、中毒になりかねないので危険です。
また、場合によっては引火することも考えられるので、必ず換気はしてください。
②接着剤の種類に合わせた溶剤を選ぶ
接着剤には種類がありますが、接着剤ごとにうすめ液や剥離剤などの相性があります。
それぞれに合ったものを使わないと剥がせなかったり、床やカーペットを傷める原因にもなるので気を付けましょう。
種類はボトルや缶に必ず記載があるので、確認してみてください。
③床を傷つけないように気を付ける
特に賃貸やテナントなどは現状回復して戻すのが基本だと思います。
接着剤は落とせたけれど、床が傷だらけ…では意味がありません。
そのため、ナイフやカッター、サンドペーパーを使う場合は特に気を付けてください。また、溶剤の使いすぎ、時間のおきすぎも床を傷める原因となるので、記載された使用方法は守って使うようにしてくださいね。
まとめ
まとめ
✔ カーペット用の接着剤には大まかに分けて水性接着剤、ゴム系接着剤、弾性接着剤のほか、瞬間接着剤、ピールアップ接着剤がある。
✔ 水性接着剤、瞬間接着剤は基本的にお湯や水で柔らかくしてから剥がす。
✔ ゴム系接着剤はシンナーやトルエンで拭き取って剥がす。
✔ 弾性接着剤は接着剤をある程度削ってからうすめ液で落とす。
✔ ピールアップ接着剤も水で剥がすことができるが、その前に専用の剥離剤で磨く。
✔ 作業するなら換気を十分にする。
✔ 接着剤の種類に合わせて剥がし液を選ぶ。
✔ 接着剤を剥がすときは接着面、床を傷つけないように気を付ける。