畳みはフローリングと違い、突発的なアクシデントで血が付着してしまったとき、あわてて拭いても綺麗には取れずに黒いシミになってしまい、困りますよね。
昨日でた鼻血が畳に…… pic.twitter.com/8km1vbzO5G
— 萌翔@銀魂厨 (@emo_0996) May 25, 2013
畳は染み取りの方法を間違えると汚れが広まってしまったり、奥深く入り込んでしまったり、除去するのが難しくなってしまいます。
畳はフローリングとは全く素材が異なるため、日頃のお手入れの仕方はもちろん、汚れの落とし方も違ってきます。
そこで今回は、いざという時に役立つ畳についた血液(鼻血など)を落とす染み抜きの方法をご紹介しまていきます。
目次
血液汚れが頑固な理由と注意点
まずは、血液の汚れは普通の汚れと違い、落ちにくいとされる原因をご紹介します。
血液は赤い色素とタンパク質で構成されており、このタンパク質は時間が経つと、化学反応を起こし酸化することで硬化してしまいます。
そうなると血液は繊維にこびりついて落ちにくい頑固なシミになってしまうのです。
また、タンパク質はお湯で固まる性質がありますので、汚れに対してお湯は絶対に使わないでください。
畳についた血液汚れの落とし方【汚れがついて間もない場合】
汚れがついて間もない場合は言うかの方法で汚れを落としましょう。
【用意するもの】
✔ 布
✔ 水(お湯はNGです。温度が高いお湯で拭くと血が凝固してしまいます)
手順
布を水で濡らして、たたくように拭きましょう。
水で落ちない場合は下記の方法で試してみましょう。
それでは、ここからは時間が経ってしまった場合の血液汚れの落とし方を紹介していきます。
畳についた血液汚れの落とし方【時間が経った場合】
①薄いアンモニア水や中性洗剤の液を使った方法
アンモニア水に含まれるアンモニウムは、血液のタンパク質を溶解させる作用があるので汚れを落ちやすくしてくれます。
【用意するもの】
✔ 薄いアンモニア水か、中性洗剤
(中性洗剤はタンパク質分解酵素が入っている洗剤を選びましょう。ほとんどの洗濯用洗剤にはタンパク質分解酵素入り洗剤が入っています。)
✔ 布
手順
薄いアンモニア水か中性洗剤の液を布に含ませて、汚れをたたきましょう。
②酸素系漂白剤を使った方法
赤黒くなってしまった血液には、酸素系漂白剤の主成分である過炭酸ナトリウムは殺菌漂白の効果があるため、汚れに効果的です。
液体タイプの酸素系漂白剤は「弱酸性」で、粉末タイプの酸素系漂白剤は「弱アルカリ性」です。
血液汚れには、アルカリ性のほうが落ちるので、粉末タイプのほうがベストです。
ただし、アルカリ性洗剤は畳を傷めてしまうので、弱アルカリ性であることを確認しましょう。
【用意するもの】
✔ 酸素系漂白剤(粉末のもの)
✔ 古い歯ブラシ
手順
- 酸素系漂白剤を古い歯ブラシにつけて汚れをこすります。
(畳の方向に向かってシュッシュと丁寧にこすっていきます) - 飛び散った水分をふき取り、乾拭きをしましょう。
③キッチンハイターとビニールを使った方法
キッチンハイターでなくても「塩素系漂白剤」で代用可能です。
しかし、畳の色落ちがどの程度起こるかモノによりますので、畳の端っこで試し、問題ないようでしたら使用しましょう。
【用意するもの】
✔ キッチンハイター
✔ ゴミ袋などシミの部分を覆える大きさのビニール
手順
- 血液がついている箇所にキッチンハイターをかけます。(かけた瞬間ジュワっと煙のようなものが上がるかもしれませんが特に心配いりません。
- 濡れているところをビニールで覆います。
- シミが取れるまで放置します。(数時間おきに確認しましょう)
④マジックリンを使った方法
マジックリンもアルカリ性洗剤で、血を溶かす酵素が入っています。
ただし、アルカリ性洗剤は血痕を消せるものの畳が黄色く変色してしまう可能性があるので、必ず弱アルカリ性のタイプを選ぶようにしてください。
弱アルカリ性のマジックリンは「キッチン用」「ガラス用」「ワイドマジックリン」などです。
マジックリンを購入する際に確認してみてください。
【用意するもの】
✔ マジックリン(弱アルカリ性のもの)
✔ 布(水で濡らしたもの)
手順
- マジックリンを汚れ部分につけて、しばらく時間をおきます。
- 固く絞った濡れ布巾で拭きましょう。
⑤絨毯用シミ取り剤を使った方法
血液のタンパク質を酵素で分解・除去する効果があり、汚れをおとしてくれます。
【用意するもの】
✔ 絨毯用シミ取り剤(畳対応のもの)
✔ 布
手順
- 汚れにシミ取り剤をつけて、上から布で何度もたたくようにしてシミを浮かせます。
- 水拭き用の布で叩き拭きをします。
⑥オキシドールを使った方法
オキシドールは酸素系漂白剤です。漂白の効果により血液汚れを脱色します。
塩素系漂白剤よりも畳に優しいので、必ず酸素系漂白剤を使うようにしてください。
【用意するもの】
✔ オキシドール
✔ 布
✔ 割り箸
✔ 濡れ雑巾
手順
- 割り箸に布を巻き付けたものにオキシドールを染み込ませます。
- 1で汚れを叩きます。
- 固く絞った濡れ雑巾で拭きましょう。
⑦セスキ炭酸ソーダを使った方法
セスキ炭酸ソーダにはタンパク質を除去する効果があります。
ただし、刺激が強く手で触れると皮膚が軽く溶けてしまいヌルヌルになることが多いので、ゴム手袋をつけて行いましょう。
【用意するもの】
✔ セスキ炭酸ソーダ
✔ 歯ブラシ
✔ ゴム手袋
✔ スプレーボトル
手順
- 水で薄めたセスキ炭酸ソーダを畳にスプレーボトルなどで吹きかけます。
- 歯ブラシで畳の目に入った汚れをシュッシュとこすります。
⑧大根の汁を使った方法
大根の汁にはプロテアーゼというタンパク質分解酵素が含まれています。
この酵素が血液汚れを落とすのに最適です。
【用意するもの】
✔ 大根の汁
✔ 布
手順
- 大根の汁を汚れに染み込ませます。
- 布でトントンと叩きます。
- 汚れが落ちるまで、1と2を繰り返しましょう。
畳の血液シミを防ぐ方法は?
ここまで畳についた血液のシミを落とす方法をご紹介してきましたが、出来る事ならば血液のシミにならないように色素沈着を未然に防ぎたいですよね。
そこでシミにならないように、最初にすべきポイントを抑えておきましょう。
こちらの2点です。
- ついた汚れはすぐに落とすこと。
- 必ず30℃以下のぬるま湯か水を使うこと。
タンパク質はお湯で固まる性質があるので、お湯を含んだタオルでゴシゴシすることでシミを進行させてしまいます。
また、時間が経つほどにシミが定着してしまいますので、早めに対処しましょう!
アルカリ性洗剤や重曹は畳には使わないようにしよう!
タンパク質の汚れにはアルカリ性洗剤や重曹を使うと良いといわれていますが、畳に限っては使用しない方が良いでしょう。
タンパク質分解酵素が入っているからといって、安易に使わないように気を付けましょう。
血痕は消せる可能性がありますが、畳が黄色く変色してしまいます。
これはアルカリ成分が、い草の天然成分である葉緑素を分解し、それが黄変の原因となります。
ただし、弱アルカリ性の洗剤は、洗剤の裏面表記の要領で希釈することで、畳に使える場合もあります。
住宅用とうたっているアルカリ性洗剤は、畳掃除には適しませんので注意してください。
どうしても畳についた血の跡が落ちない時の対処法
血痕は、落とすのは特に手ごわいので、どう頑張っても落ちない場合もあります。
いろいろ試してみても落ちない場合は、いくつか解決法がありますのでご参考ください。
①畳の表替えや新調をする
どうしても目立つ場所で、放っておけない場合は思い切って新調しましょう。
畳はその部分だけを取り換えられるので便利です。畳のプロに相談しましょう。
②上に座布団等をひいて隠す
畳には座布団をひかれてらっしゃる方も多いと思います。
もし、血痕の汚れが座布団のサイズで隠れそうでしたら、座布団をひいて隠してしまうのも一つの手です。
畳の日頃のケア方法
汚れが無事になくなった後は、畳を正しい方法でお手入れすることで長く使用することができます。
ここでは日常のお掃除や注意点をご紹介します。
①お掃除のポイント
通常の掃除は、固く絞った雑巾で畳の目に沿って拭きます。
水が垂れ落ちる絞り方では絶対にいけません。(脱水機で絞った位の雑巾が目安です)
掃除機を強くかけると畳表を傷めることがあるため、かけるときには、畳表の目に沿ってゆっくり丁寧にかけます。
②畳干しをする
畳は湿気が禁物です・カビの発生を防ぐ為にも、年に2回(春と秋)程度の畳干しをおすすめします。
畳を干す場所が無い場合には、畳を上げ空き缶などを台にして置き、風を通すだけでも大丈夫です。
③直射日光はあてない
畳表の青みが早くあせてしまったり、乾燥しすぎる事によって傷みやすくなります。
日差しの強い日中では、薄いカーテンなどで直射日光を遮断するようにします。
④畳の上にカーペットや絨毯を重ね敷きしない
畳との間にチリやホコリ、食べ物のクズ等がたまりカビが発生してしまいます。
まとめ
まとめ
✔ 畳を血液で汚してしまった場合は、付着してすぐであれば、布を水で濡らしてたたくように拭けば落ちる。
✔ 血液汚れにお湯の使用は厳禁。温度が高いお湯で拭くと凝固してしまうので使用しないようにする。
✔ それでも落ちない場合は、【薄めたアンモニア水、中性洗剤、粉末の酸素系漂白剤、キッチンハイター、マジックリン、絨毯用シミ取り剤、オキシドール、セスキ炭酸ソーダ、大根の汁等】の方法を試そう。
✔ アルカリ性洗剤を用いる場合は、畳を変色させてしまうため使用しないようにする。
✔ どうしても落ちない場合は、汚れ部分をモノで隠すか、畳の新調を検討する必要がある。