小腹が空いた時や口寂しい時に多くの人が口にするガムは、様々な味が売られている人気のお菓子の1つです。
そんなガムは粘着質な性質で持ち物に付着すると除去するのが難しい厄介な素材でもあります。
外出中にちょっと車を離れたら、イタズラでフロントガラスにガムがつけられていたという人も多いのではないでしょうか?
俺のフロントガラスにガム付けたの誰だよ pic.twitter.com/HhpxlxUJVa
— 市川 (@candelamgn11) December 14, 2017
そこで今回は、『ガラスについたガムの取り方』をご紹介していきます。
ガム汚れにお困りの方はぜひ参考にしてみてください!
目次
ガムの成分は?へばりついたガムを取る時のポイント
ガムの主原料は・・・
- 植物サポディラの樹液を煮出して作った「チクル」
- 酢酸ビニル樹脂
- エステルガム
- ポリイソブチレン
などで、これらのベースに味付けをして板や粒状に成型して販売されています。
これらの主原料はその粘着性を利用してガムだけでなく様々な製品に使われていて、たとえば風船ガムによく使用される酢酸ビニル樹脂は木工用ボンド、ポリイソブチレンは接着剤や害虫用のトラップにも多く使用されています。
このことからガムの粘着性はその主成分から来ています。
そのため、ガラスにへばりついたガムを取るには、ガムの主成分の性質を利用して除去するのが非常に有効です。
具体的にはガムの原料が植物性樹脂の場合であれば冷やすと固まり温めると柔らかくなる性質があるので、ガムを冷やしてから取るとガラスにくっつくことなくキレイに取ることができます。
また、ガムの主原料の多くは油溶性という、油に溶ける性質を持っているのでサラダ油やバターでガムを溶かして除去することもできます。
これらのガムの主原料の性質を踏まえて対処するとガラスについたガムもキレイに取ることが出来ます。
車のフロントガラスについたガムの取り方
先ほどご説明した通り、車のフロントガラスについたガムの取り方には、主に以下の2種類あります。
- 冷やして固めて取る方法
- 油分で溶かして拭き取る方法
これらの方法は身近な食品や生活用品で簡単に落とすことが出来ます。
ここからはそれぞれにの方法について具体的にご説明していきたいと思います。
①冷やして取る方法
この方法はガムがガラスについてしまった時に応急処置として使える方法です。
ガムが車のフロントガラスについているのを発見した場合は、力ずくで剥がそうとせずにこの方法を試してみましょう。
【用意するもの】
✔ 保冷剤、氷などの冷やせるもの
✔ スクレーパーやヘラ
手順
- フロントガラスに付着しているガムを保冷剤や氷で冷やします。
- 10分ほど冷やしてガムが固まったらスクレーパーやヘラをガラスとガムの間に差し込みます。
- ガムが千切れてガラスに残らないように少しずつ剥がしましょう。
ガムは固まると粘着性も落ちるので、冷やさずにガムを取ろうとするよりも簡単に除去することが出来ます。
なるべく早くガムを取りたい場合は、冷却スプレーを使うと短時間でガムを冷やすことが出来ます。
②油分で溶かして取る方法
ご存知の方もいるかもしれませんが、ガムはチョコレートと一緒に食べると溶けてしまうという性質があります。
そのため、この性質を利用してガラスについたガムを溶かすことが出来ます。
また、ガラスについたガムはチョコレートだけでなく様々食品で溶かすことができ、チョコレートが手元にない場合でもサラダ油・バターなど他のもので代用することができます。
代用品を選ぶポイントは「油か、乳化剤が含まれているものを選ぶこと」です。
【用意するもの】
✔ チョコレート、サラダ油、バター、ガムシロップ
✔ いらない布、テイッシュ
✔ スプーン
手順
- チョコレートを温めて溶かします。
- フロントガラスについたガムにチョコレートを垂らします。
- スプーンなどでガムとチョコレートを混ぜて、ガムを溶かします。
- さいごに、いらない布やティッシュで拭き取りましょう。
ガムを溶かすことができる食品の成分には、油分と乳化剤の2つがあります。
【油分の場合】
ガムは主原料の分子が細長く網のように絡まっている構造で油に馴染みやすい性質があり、油と混ざると細長い分子ちぎれてしまい、ガムが溶けてしまいます。そのためサラダ油やバターといった油でも溶かすことが出来ます。
【乳化剤の場合】
一方、乳化剤には表面張力を低下させて液体を固体の表面に広げて濡れやすくする働きや、内部に浸透する働きもあるので、これらの働きを利用してガムを溶かすことが出来ます。そのため、ガムシロップなどもガムを溶かすのに有効です。
冷やして固めて取る方法
チョコレートにはこの2つの油分と乳化剤が入っているのでガムを簡単に溶かすことが出来ます。
また、あらかじめチョコレートを温めて半液体化しておくことでガムと混ざりやすくすることがポイントの1つです。
ただし、油分を多く含んだ食品をフロントガラスについたガムを除去するために使うと、フロントガラスがベタついたり一部分だけヌルヌルしてしまいます。
そのため、この作業を行なった後は食器用洗剤などの中性洗剤でガムを拭き取った場所を洗うことをおすすめします。
③除光液を使って落とす方法
ガラスについたガムを落とすのに食品を使うことに抵抗がある場合や手元に道具が無い場合は、除光液でフロントガラスについたガムを落とすこともできます。
【用意するもの】
✔ 除光液、エタノール、アルコール度数の高い酒
✔ いらない布、ティッシュ
手順
- 除光液やエタノールをいらない布染み込ませます。
- 除光液などを染み込ませた布をガムに当てて、数分放置します。
- さいごに、ティッシュなどでガムを拭き取りましょう。
除光液に含まれるアセトンやエタノールなどの有機溶媒は油分と同じく、ガムの主原料の分子を断つ働きがあります。
そのため、フロントガラスについたガムを落とすことが出来ます。
除光液やエタノールの他にもブランデーなど、アルコール度数の高いお酒でもガムを溶かすことは可能です。
フロントガラスについたガムを落とす時の注意点
①焦らずに正しい対処をする
フロントガラスについたガムを落とす時に注意することは、まず第一に「焦ってそのままテッシュなどで摘んで除去しようとしないこと」です。
ガムはガラスに付着してしまうとそのままの状態でキレイに落とすことはできません。
無理にとってしまうとガムが伸びて付着している範囲が広がってしまったり、中途半端にガムの一部がガラスに残って余計に取りづらくなってしまいます。
そのため、ガムがフロントガラスについてしまったら、まずは落ち着いて保冷剤などでガムを冷やして取る方法を試してみましょう。
②ヘラや布で擦らない
次に注意することは、「フロントガラスにこびりついたガムをそのままヘラや布で擦ったりしないこと」です。
ガムをヘラで擦ってしまうとガムが取れるどころかフロントガラスが傷ついてしまいます。
さらに、布で擦るとガムがガラスに伸びて汚れがひどくなるだけなので逆効果になります。
そのため、なかなかガムが取れなくても無理やり取ろうとしないようにしましょう。
まとめ
まとめ
✔ ガムは冷やすと固まり、温めると柔らかくなる。
✔ ガラスについたガムは保冷剤などで冷やすと簡単に取れる。
✔ ガムは油分や乳化剤、有機溶媒で溶かすことができる。
✔ ガムを油分で溶かす時にはサラダ油などが有効。
✔ ガムを乳化剤で溶かす時はガムシロップなどが有効。
✔ チョコレートには油分と乳化剤のどちらも含まれているのでガムを落としやすい。
✔ ガムを有機溶媒で溶かす時は除光液が有効。
✔ ガムがフロントガラスについた時に力づくで取ろうとすると逆効果になる。