最近はネット通販が普及し、服を通販で購入する方が増えてきました。
価格はさまざまですが、中国製などの安い服も大量に出回っており、魅力的な安さで人気があります。
しかし、安いのには理由があり、縫製や生地の始末が雑だったり、中には臭いがひどいものもあります。
特に石油臭いものが多く、せっかく買ったのに臭いがきついと後悔してしまいますよね…。
Tシャツ開けたんだけどなんかものすごく石油臭い pic.twitter.com/hyEhFngbow
— ラーテルうぉる男 (@Wall4020) August 25, 2017
無添加洗剤で水通ししても石油臭い(´;ω;`)また洗わなきゃだぁ..赤ちゃん服もこんな臭うのが普通に売ってるんだね(´Д⊂ヽ pic.twitter.com/N4NUNFr09S
— ちーぼーん。 (@chie1513) January 14, 2014
そこで今回は、安い服が石油臭い理由や体への害の有無・臭いを消す方法をご紹介していきます。
石油の臭いが気になる方・お困りの方はぜひ参考にしてください!
目次
安い服が石油臭い理由は「ミシン油」!
結論から申し上げますと石油臭さの正体は、「ミシン油(機械油)」です。
ミシン油とは、服を作る過程で、すべりを良くするために使われる潤滑油のことです。
布や人工皮革を縫うときや編むとき、作業台やコンベアーで商品を移動させるときなど、服を作る工程の機械全般に使われています。
また、生地を染色する際に用いる「塗料に含まれている油」が原因でもあります。
安い染料は、臭いを抑える工程が省かれているため、どうしても石油臭くなります。
本来販売目的の服は、臭いのないタイプの油が服に付着しないように使われていたり、生地の染色後に油を洗い落とした状態で出荷されています。
しかし、安い服の場合はコスト削減のために安くて臭いのある油が染色後も、そのまま洗い流さずに出荷されているのでしょう。
そのため、臭いが強烈な場合は直接付着したままの可能性が強いですし、工場自体が臭いが充満しており服に臭い移りしたまま出荷されている場合があります。
服の素材の原料が石油由来のポリエステルだったりすると、とくに石油臭かったりもします。
石油臭い服は体に対して害はある?
じつはこの石油臭い服には注意が必要です。
質の悪い油がそのまま付着しているので、着ていて肌がかぶれてしまった事例もあります。
また、直接肌に影響がでていなくても汗をかくことで、布に含まれていた有害物質が溶け出して肌に付着する恐れもあります。
有害物質は使用される油に含まれており、なかには発がん性があるものもあるので注意が必要です。
【CHECK!!】服の安全基準
日本に出回っている服は中国製が多いので、中国を例にとってみましょう。
中国浙江省の工商局がサンプリング調査を行った結果、中国製の服の約50%が安全基準を満たしていなかったという結果がでています。
また、北京工商局が行った調査では、市内で売られていた製品から、皮膚から吸収され体内でがんを発生させる恐れがある染料が検出されています。
この結果から、石油臭い服は中国製に限らず、安全ではない染料や質の悪いミシン油を落とさないまま出荷されている可能性が高いので、そのまま着用するには注意が必要だといえます。
石油臭い服の臭いの落とし方
服に付着している油や染料に含まれる有害物質は、水洗いすると危険が低減できます。
これらの有害物質は水溶性が多いため、一度水洗いしてから着用することで洗い落ち、危険性は低くなります。
必ず、着用前に水通しするようにしましょう。
有害物質は水洗いすることで減らすことはできますが、水洗いだけではまだ油が残っているので臭いは完全には取りきれません。
そこで、ここからは石油臭さを落とす方法をご紹介します。
①ドライクリーニングを使った方法
ドライクリーニングは、水だけではなく石油系溶剤か塩素系溶剤で洗うので、服についている油の汚れと臭いをキレイに落としてくれます。
クリーニング店もしくはコインランドリーで試してみてください。
【用意するもの】
✔ 特になし
手順
臭いのついている服をクリーニング店に持っていき、ドライクリーニングをお願いします。
②セスキ炭酸ソーダを使った方法
セスキ炭酸ソーダはアルカリ剤が強い白い粉で、酸性である油を落とすのに効果的です。
油汚れを分解し、洗浄する力をもっていますので、臭いもスッキリ除去してくれます。
【用意するもの】
✔ セスキ炭酸ソーダ
✔ お湯(40℃~60℃)
✔ 洗面器またはバケツ
✔ 洗剤
手順
- 洗面器にお湯を入れ、適量のセスキ炭酸ソーダをよく溶かします。
- そこに服をいれて、つけ置きします。
- 1時間ほど置いてから、何度か新しいお湯で洗います。
- 仕上げに洗濯機で普段通りに洗濯します。
③オキシクリーンを使った方法
酸素系漂白剤のオキシクリーンは酵素の力で油汚れのもとを分解し、汚れを引きはがす効果があります。
さらに除菌・消臭の働きをもっているので、石油臭い臭いを取るのに効果が期待できます。
作業中は手荒れ防止のため、ゴム手袋を必ず装着して使用しましょう。
【用意するもの】
✔ オキシクリーン
✔ 洗面器またはバケツ
✔ お湯(40℃~60℃)
✔ ゴム手袋(手につけて行います)
手順
- 洗面器にお湯をはり、大さじ1のオキシクリーンを入れて完全に溶けるまで混ぜます。
- 服を洗面器にいれ、つけ置きします。
- 20分以上そのままの状態にします。
- 洗面器から服を取り出し、いつも通りの洗濯をします。
- オキシクリーンは水洗いができる衣類にのみ使用可能です。
- デリケートな素材は避けましょう。
- 濃い色の衣類やプリントTシャツは色落ちやプリントの劣化の可能性がありますので注意しましょう。
④熱湯を使った方法
ミシン油などの油は常温や低温だと固まりやすくなるため、熱湯に浸けると油が溶けて浮いてきます。
臭いの原因である油汚れだけを取るのには効果的です。
【用意するもの】
✔ 熱湯(80℃くらいのもの)
✔ 洗面器またはバケツ
✔ ヤカンなど、熱湯を入れるもの
✔ (必要であれば)耐熱性のあるニトリルゴムを使ったゴム手袋
手順
- 洗面器に服を入れて、そこに熱湯を注ぎます。
- (必要であれば)ニトリルゴム製のゴム手袋を装着し、洗面器のなかの服をじゃぶじゃぶ洗います。触れるくらいまで熱湯が冷めてから、手洗いでも大丈夫です。
- 熱湯が黄色く変色してきたら、油が溶けだしてきたサインです。
- 熱湯が汚れるたびに新しい熱湯に変え、黄色がでなくなるまで繰り返します。
- 洗濯機で脱水します。
- 仕上げに洗剤を使って普段通りに洗濯をします。
⑤作業着用洗剤を使った方法
市販の作業着用洗剤には、機械油を落とすことに特化した強アルカリ剤や界面活性剤などの成分が入っていますので、汚れをキレイにおpとすことができます。
成分が強力なので必ずゴム手袋を使用しましょう。
【用意するもの】
✔ 作業着用洗剤
✔ お湯(40℃~60℃)
✔ 洗面器またはバケツ
手順
- 洗面器にお湯を入れ、作業着用洗剤を適量入れて溶かします。
- 洗面器に服を入れて、1時間程度つけ置きをします。
- そのあと普段通りに洗濯をします。
▼おすすめの専用洗剤
⑥台所用洗剤を使った方法
台所用洗剤に含まれる界面活性剤は、油の汚れを衣類から引きはがす役割があります。
洗濯用洗剤に台所用洗剤をプラスすることで、油を落としながら洗浄することができますので、石油の臭いもキレイに落とすことができます。
また、台所用洗剤は中性のものが多いため、服の生地を傷めずに洗うことができるのでおすすめの方法です。
【用意するもの】
✔ 台所用洗剤
✔ 粉末の洗濯用洗剤
✔ お湯(40℃~60℃)
✔ 洗面器またはバケツ
手順
- 洗面器にお湯を入れます。
- 粉末の洗濯用洗剤と台所用洗剤を適量入れて混ぜます。(臭いの程度によって調整します)
- 服を入れて40分ほどつけ置きをします。
- そのあと普段通りに洗濯をします。(もしくは手洗いで洗い切りましょう)
石油臭い服の臭いを落とす際に注意するポイント
注意することは、ミシン油(機械油)は特殊な油なので、他の洗濯物といっしょに洗わないことです。
他の洗濯物に油汚れが移ってしまいますので、必ず単独で洗うようにしましょう。
そして、油汚れは洗濯水温が40℃を超えたあたりから溶け出し、汚れ落ちがよくなります。
家庭用洗濯機では耐熱温度が50℃前後になっていますので、高い水温で洗う場合は洗面器や桶、バケツで作業するようにしましょう。
まとめ
まとめ
✔ 石油臭い服の臭いの原因は、大量生産・コスト削減により作られる過程で、臭いが強く質の悪いミシン油や染料使われており、それを洗い落とさないまま出荷されているから。
✔ これらのミシン油や染料には、身体に影響を及ぼす有害物質が含まれている可能性がある。
✔ 有害物質は水溶性のものが多いため、水洗いをすることで有害物質はほぼ取り除くことができるので、必ず着用前に水通しをする。
✔ 石油の臭いは、水洗いだけではとれないので、ドライクリーニングを使った方法、セスキ炭酸ソーダを使った方法、オキシクリーンを使った方法、熱湯を使った方法、作業着用洗剤を使った方法、台所用洗剤を使った方法を試して、臭いを落とすと良い。
✔ 石油臭い服はほかの洗濯物と一緒に洗濯しない。